まさかの盗難事件が、ピックルボールのプロ界隈で発生!
パドルの性能をチェックする超高級マシンが忽然と姿を消し、警察も関係者も頭を抱えています。
なぜ?誰が?どうやって?
そんな疑問だらけの事件を、ピックル初心者にもわかりやすく、じっくり解説していきます!
事件の舞台はアメリカ・テキサス州
事件が起きたのは2025年5月下旬、アメリカ・テキサス州オースティン。
ピックルボールのプロリーグ「MLP(※チーム制の大会)」が終わったばかりの夜、スタッフは次の開催地・アリゾナ州フェニックスに向けて、トラックへ機材を積み込んでいました。
ところが翌朝、「あの黒いケースがない…」と大騒ぎ。
会場の倉庫に保管されていたはずのケースごと消えていたのです。
犯人は深夜に忍び込んだと考えられており、現在も警察が捜査中です。
盗まれたのは「Pickle Press」という特殊マシン
ケースの中に入っていたのは、Pickle Pro Labs社が開発した「Pickle Press(ピクルプレス)」。
これはパドルの“たわみ”を測定する機械で、公式ルールに違反したパドルを見つけるための道具です。
たわみ※とは、ボールを打ったときにどれくらいパドルがしなるかという数値で、打球のパワーやスピン性能に影響します。
ルール上、許容されるたわみの範囲が決まっており、それを超えていれば「反則パドル」なんです。
この機械があることで、公平な試合が担保されていました。
なんとお値段は約900万円!
このPickle Press、実はめちゃくちゃ高級。
お値段なんと6万ドル、日本円にしておよそ950万円。
ケースも業務用の頑丈なプロテクト仕様で、サイズは高さ76cm・横幅48cm・奥行き25cm、重さは約76キロ。とにかくデカいし重い!
これを持ち去るには、それなりの装備や人手が必要なはず。
盗んだ人が中身を知っていたのか、それとも「高そうだから」という理由で持ち去ったのか…いずれにしても謎すぎる事件です。
なぜ盗まれた?今わかっていること
盗難が発覚したのは、積み込み翌朝の5月28日。
前夜にスタッフが作業を終え、翌朝出発しようとした際、「黒いケースがない!」と気づいたそうです。
関係者によると、トラックは施錠されていたはずで、周囲にも警備員がいたとのこと。
にもかかわらず、ピンポイントで一番高価な機材が消えるという…あまりに手際がよすぎるのも気になります。
現在、オースティンの警察が捜査を進めていますが、まだ発見には至っていません。
現場検査がなくても大会は問題なし?
不幸中の幸いだったのは、その後に行われた大会「MLPフェニックス」でパドルのトラブルが報告されなかったこと。
本来ならPickle Pressでパドルの検査をする予定でしたが、代替機材も間に合わず、現地検査はスキップ。
にもかかわらず、不正パドルの疑いも出ず、大会は平穏に終了。
選手たちがすでにルールを守る意識を持っているのか、それとも「検査なくても見てるぞ」的な空気が効いたのか…いずれにせよ、結果オーライだったようです。
今後どうなる?ピクル界のセキュリティ事情
Pickle Pro Labs社では同じ機械を3台所有しており、うち1台は研究所専用として常時保管、もう1台が今回盗まれた分。
残り1台を今後の大会に急きょ投入するとのことで、現地での検査は再開される予定です。
また、UPA-A(全米ピックルボール協会)は、パドルの“劣化”を短時間で再現する新しいラボテストも導入を始めています。
これは、長く使われたパドルがどう変化するかを再現できる装置で、「時間が経つほどパワーが上がってズルくなる」現象の可視化を目指しています。
まとめ
盗難事件というとシリアスですが、スポーツの裏でこんなことが起きるとはびっくり。
とはいえ、選手や大会側がしっかりとしたルール意識を持っていたことも証明された一件でした。
今後はセキュリティ強化に加え、テクノロジーを活かした新たな検査方法もどんどん出てくるかもしれませんね。
ピックルボール、試合だけじゃなく舞台裏も見逃せません!