命を救ったピックルボールタトゥーの物語

コラム

ピックルボール仲間が体験した「命のドラマ」がタトゥーに刻まれました。

突然の心停止、仲間による迅速な救命措置、AEDの活躍、そして復活まで。

タトゥーに込められた物語は、プレーヤーにとって大切な教訓と勇気を与えてくれます。

タトゥーに込められたストーリー

ピックルボールの仲間、フレッド・ハルさんの前腕には大きなタトゥーがあります。

そこには心電図の波形と一緒に「With a little help from my friends, I’m alive(友達のちょっとした助けで私は生きている)」という言葉。

さらに「2025年3月11日」という日付も刻まれています。


これは単なるデザインではなく、自分の命を救ってくれた仲間たちへの“生涯の感謝”を形にした証。

スポーツへの愛と仲間への敬意が、一生消えないインクに託されたのです。

命を救ったドラマの始まり

2025年3月、ユタ州セントジョージにある室内コートでフレッドさんは仲間とプレーを楽しんでいました。

ラリーの最中、突然ふらつき、そのまま倒れ込みます。

最初は足をつった程度かと思われましたが、呼吸がなく心拍も感じられない。

周囲は一気に緊迫した空気に包まれました。

すぐに近くの選手が救急番号へ通報し、命をつなぐためのカウントダウンが始まります。

仲間の迅速な行動

フレッドさんが倒れた瞬間、仲間のノーム・リッチーさんとケーシー・ジマーさんが即座に動きました。

  • まず胸骨圧迫を開始(強く・早く、1分間に100〜120回のリズムで圧迫)
  • 交代しながら絶え間なくCPR(※心肺蘇生法)を続行
  • コート横に設置されていたAEDをすぐに持ち出し、パッドを胸に貼り付け

AEDは「ショックが必要です」と音声で指示。

彼らはためらわずスイッチを押し、フレッドさんの心臓に電気ショックを与えました。

数秒後、微かに呼吸が戻り始め、再び命の火が灯りました。

AEDの役割と重要性

AED(自動体外式除細動器)は、心臓のリズムが止まったときに電気ショックで正常な鼓動を取り戻す装置です。

医療従事者でなくても使用でき、音声で手順を案内してくれるため、誰でも使えるのが大きな強み。


フレッドさんの事例は「AEDがそばにあること、そして勇気を持って使えること」がどれほど大切かを物語っています。

ピックルボール施設やスポーツジムに設置されていることが多いですが、実際に場所を確認したことがある人は意外と少ないのではないでしょうか?

フレッドのメッセージ

退院後、フレッドさんは再びコートに戻り、元気にプレーを続けています。

彼は語ります。


「一番大切なのは、どんな小さな施設でもAEDを置くこと。
そして、誰もがCPRのやり方を少しでも知っておくことです。
私が生きているのは、仲間がためらわず行動してくれたからです。」

彼の言葉は、すべてのプレーヤーに「安全を共有する責任がある」と強く訴えかけています。

ピックルボールと仲間の絆

命を救われたフレッドさんは、今も自分を助けてくれた仲間たちと一緒にピックルボールを楽しんでいます。

コートは単なるスポーツの場ではなく、仲間同士の信頼と絆を深める空間でもあることを、彼の体験は教えてくれます。

タトゥーに込められたメッセージは、その絆の証であり、これからプレーする誰もが胸に刻んでおきたい教訓です。

まとめ

フレッドさんの体験は、ピックルボールが「競技」以上の価値を持つことを示しています。

AEDやCPRは特別な人だけでなく、誰もが扱えるべき知識であり、それが仲間の命を守ります。

そして何より、仲間を思う気持ちと行動力が命をつないだのです。


ピックルボールを愛する人たちにとって、この物語は「安全と絆の大切さ」を思い出させる大切なメッセージとなるでしょう。

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