コートの向こうに明らかに格上っぽい相手が立つと、「今日はボコられるかも…」って一瞬でメンタル持っていかれますよね。
でもピックルボールは、体格や筋力だけの勝負ではありません。
この記事では、キッチン(※ネット前のノンボレーゾーン)を軸に、サードショットドロップとディンクを使って、パワー型の相手を“具体的に”攻略する方法をまとめました。
明日からすぐコートで試せる内容に落とし込んでいきます。
怖い相手にビビるのは普通。でも勝ち方はある
パワーサーブをバンバン入れてくる人や、体格がゴツい相手を見ると、つい「強打で打ち返さないと」と力んでしまいます。
でもそれが一番の負けパターンです。具体的な失敗例は、
①リターンを無理に強く打ってアウト、
②ラリーの最初から全力スイングで疲れる、
③相手のスピードに合わせてしまい自滅、の3つ。
ここでのゴールは「打ち勝つ」ではなく、「相手の得意ゾーンを踏まない」です。
まずは「今日はとにかくキッチンに落とす日」と決めてから試合に入るだけで、プレーの選択がかなりシンプルになります。
キッチンは「ルールに守られた要塞」だと考える
キッチン(※ネット前7フィートのノンボレーゾーン)は、“入ってボレーできない”という制限があるおかげで、守り側にとってめちゃくちゃ心強いゾーンです。
たとえば、あなたが深いボールを打って相手がネット際まで出てきたとしても、ボールがキッチンでバウンドすれば、相手は前に飛び込んで叩くことができません。
できるのは、下からすくい上げるショットだけ。
つまり、ここに落とし続ければ、相手の「上から打ち込むパワー」はほぼ封印できます。
イメージとしては「キッチンの上に見えない天井があって、相手のスマッシュを全部ブロックしてくれる」くらいに考えるとわかりやすいです。
戦略1:サードショットドロップでパワーを封じる
サードショットドロップ(※サーブ側の3球目をふわっとキッチンに落とすショット)は、ビビる相手への“入口の一手”です。
具体的な打ち方のポイントは、
- スイングは小さく、膝を曲げて下からすくうイメージ
- 目線は相手コートではなく、自分の打点とネットの高さを見る
- 狙いは「キッチンの真ん中〜手前」、ラインギリギリを狙わない
練習方法としては、
①サービスライン辺りに立つ、
②パートナーにボールをトスしてもらう、
③ネット越しにキッチンへ20本連続で落とす、というシンプルなドリルがおすすめです。
試合では「サードショットは8割ドロップ、2割だけドライブ(※強いフラットショット)」など、自分ルールを決めておくと迷いにくくなります。
戦略2:クロスコートディンクでコートを広く使う
ネット際に出られたら、次はディンク(※ネット際に落とすコントロールショット)の時間です。
ここでストレート(※自分の正面方向)に打つと、リーチの長い相手に簡単に叩かれがち。
なので、基本はクロスコート(※斜め方向)に打つのをデフォルトにします。
狙いどころは、相手のバックハンド側キッチンの少し深め。
ボールの弾道は「ネット上10〜20cmくらい」をイメージすると安定します。
具体的な組み立てとしては、
- クロスに2〜3球ディンクして相手を動かす
- 相手のバランスが崩れたら、ストレート側に軽くコースチェンジ
- 浮いたら、初めてチャンスボールとして攻める
という3ステップで考えると、無理な強打が減ります。
戦略3:全部キッチンにバウンドさせる意識
タナーが一番強調しているのが、「可能な限りすべてのボールをキッチンでバウンドさせる」というシンプルなルールです。
ラリー中に迷ったら、まずは「一回キッチンに落とす」を最優先にします。具体的には、
- 浮きそうなボールでも、無理なスピードアップ(※急に強く叩く攻撃)を我慢してディンクにする
- 相手の強打をブロックするときも、パドル角度を少し上向きにしてキッチンへ落とす意識
- ロブを上げたくなったら、「その前に一球キッチン」を自分に言い聞かせる
こうすることで、相手は常に下から打たされ、こちらはネット前で構え続けられます。
ゲームが進むにつれて、相手の「決められないイライラ」がたまり、ミスショットやアウトが増えていきます。
メンタル面と実戦で意識したいポイント
最後に、実戦で使いやすくするためのメンタルとルーティンです。
試合前に「今日はこの3つだけやる」と決めておきましょう。
- サードショットは“基本ドロップ”宣言
- ネットに出たら“クロスディンクからスタート”
- 迷ったら“キッチンに一回落とす”
ポイント間のインターバルでは、「パワー勝負しない」「キッチンに落とすだけ」と心の中で繰り返すと、ビビりが減ります。
格上相手のゲームは、勝ち負けより「どれだけ自分の戦術を守れたか」をゴールにすると、プレッシャーが軽くなり、結果的に内容も良くなりやすいです。
まとめ
パワーで押してくる相手は、最初はたしかに怖いですが、キッチンを軸に戦えば十分に対抗できます。
サードショットドロップで前に出て、クロスコートディンクでコートを広く使い、ラリー全体で「とにかくキッチンに落とす」を徹底する——これだけでゲームの流れはかなり変わります。
次に格上っぽい相手と当たったときは、「強いからこそ、こっちは賢くやるか」とニヤッとして、この3つの戦術を試してみてください。





