第4打は「サーブリターンの次の一球」です。
ここをなんとなくつなぐだけにすると、相手に簡単に前に入られて一気に守備モードになります。
この記事では、一歩下がるフットワークやロールボレー(※下から上に振って回転をかけるボレー)の具体的な打ち方まで落とし込み、「相手をキッチンラインに招待しない」ための実戦テクを解説します。
第4打を「形式的な一球」にしない考え方
第4打は、リターンで相手を下げたあと「こちらが完全に有利な状態」で打てる一球です。
例えば、相手のサーブが浅くて深いリターンが入った場面をイメージしてください。
ここで甘いドロップを打つと、相手はほぼノープレッシャーで前進できます。
逆に「相手をベースライン付近に釘付けにするつもりで、深く・足元に・左右に散らす」意識で打つと、同じフォームでもボールの質が一気に変わります。
「返すため」ではなく「相手の前進を止めるため」に第4打を使うのが、まず最初のマインドセットです。
相手をキッチンラインに招待しないための基本
相手をキッチンライン(※ネット前のノーバウンド禁止エリア)に招待してしまう典型パターンは、「ふわっと高くて浅いボール」です。
これを避けるために、具体的には次の3つを意識します。
- 深さ:ベースライン1〜2歩内側を狙うつもりで打つ
- コース:真ん中かバックハンド側をメインターゲットにする
- 高さ:相手の腰〜膝くらいの高さでバウンドさせる
右利き相手なら、バックハンド側の足元を狙うだけでもかなり効果的です。
逆にやってはいけないのは、「高いロブ」「胸の高さの優しいボール」。
これらはそのまま相手の「前進OKサイン」になってしまうので注意です。
一歩下がるフットワークで攻撃準備を整える
前に引き出されて「打点がどんどん低くなる……」と感じたら、そこで無理して前傾で拾おうとせず、小さく一歩下がるのがコツです。流れとしては、
- 相手のボールが浅くて低くなりそう → すぐに状況を認識
- 小さなサイドステップ or クロスステップで後ろへ1〜2歩下がる
- バウンドの頂点で打てる位置に体を合わせる
この3ステップです。ポイントは、「下がったあと、必ず前に踏み込みながら打つ」こと。
下がりっぱなしだとただの後退なので、
- 下がる=時間と打点を確保する動き
- 打つときは前足に体重を乗せてフィニッシュ
とセットで覚えておくと、第4打からでもしっかり攻撃の形を作れます。
ロールボレー(※トップスピンボレー)の使い方
ロールボレーは、低めのボールからでも「守りではなく攻め」に変えられるショットです。
フォア側の具体的な手順をイメージしてみてください。
- ボールの下側にパドルを潜り込ませるように構える
- パドル面をやや前に向けたまま、下から上へコンパクトにスイング
- フィニッシュは、目の前〜顔の前でピタッと止める
このとき、全力で振り抜く必要はありません。
大事なのは、
- スイング軌道を「下→上」にすること
- 面を開きすぎず、少し前に押し出すイメージを持つことです。
これだけで、ボールはネットを安全に越えつつ、相手コートでグッと落ちてくれるようになります。
低いボールがきたら「ただ浮かさない」ではなく、「ロールボレーで足元に沈める」と選択肢を増やしていきましょう。
トップスピンとグリップでボールに変化をつける
トップスピン(※順回転)のメリットは、「ネットをしっかり越えても、コート内に落ちやすい」ことです。
これによって、第4打でも攻めたボールを打ちやすくなります。
初心者〜中級者なら、まずはコンチネンタルグリップ(※パドルをハンマーのように握る形)か、ややフォア寄りのイースタングリップがおすすめです。
スイングのイメージは、
- パドルの軌道を「腰の高さ → 胸の高さ」くらいまで斜め上に動かす
- 肩と体の回転で方向を決め、手首は“最後の3割”だけ使うという感じです。
スライス(※逆回転)だけに頼っているとどうしても守り寄りになるので、「第4打はトップスピン多め」と決めて練習すると、ラリー全体の圧が変わってきます。
第4打アドバンテージでラリーを支配しよう
第4打アドバンテージを取るために、ラリー中は次のチェックリストを回し続けるイメージです。
- 相手の位置:まだベースライン近くにいるか?
前に走り出しているか? - こちらの打点:高い打点で触れそうか?
それとも一歩下がるべきか? - ボールの質:深く・足元に・トップスピンで沈められているか?
この3つを意識して第4打を組み立てるだけで、「なんとなく打つ一球」から「相手を追い込む一球」に変わります。
試合では、まず「第4打だけは丁寧にチェックする」と決めてプレーしてみてください。
少しずつ、相手が前に出るたびに苦しそうな表情になり、自分がラリーをコントロールしている感覚が増えていきます。
まとめ
第4打は、相手に本格的に攻撃される前の「最後の一押し」をかけられる超重要ポイントです。
一歩下がるフットワーク、ロールボレー、トップスピンといった具体的なテクニックを組み合わせることで、相手を簡単にはキッチンラインまで近づけさせないラリーが作れます。
いきなり全部は難しくても、「今日は第4打で深さと足元だけ意識する」など、1つずつ試してみてください。
それが積み重なると、気づいたときには第4打があなたの最大の武器になっています。





