JOOLAとPaddletekが特許紛争で和解|ピックルボール用パドル市場に何が起きた?

コラム

ピックルボール用パドルの特許をめぐり、JOOLAとPaddletek Groupが和解しました。

対象製品やロイヤリティ支払い、今後の販売終了の流れまで、プレーヤー目線でもわかりやすく整理します。

JOOLAとPaddletek Groupが特許紛争で和解

ピックルボール用パドルをめぐる特許問題で、JOOLAとPaddletek Groupが和解に合意しました。

JOOLAは2026年4月7日、複数の競合パドルブランドに対して、自社の技術が無断で使われているとして訴訟を起こしていました。

その対象となったのは全部で11ブランドです。

その中で、Paddletek Groupが比較的早い段階で和解に進んだ形です。

ピックルボールのパドルは、見た目だけではなく、内部構造や反発力、打球感の違いがプレーに大きく影響します。

つまり、メーカーにとっては「どんな技術でボールを飛ばすか」がかなり重要な勝負ポイントです。

今回の和解は、単なる企業同士の揉めごとではなく、急成長しているピックルボール業界で「技術の権利をどう守るか」が問われたニュースといえます。

今回問題になった「プロパルション・コア技術」とは?

今回の中心になっているのは、JOOLAが持つ「プロパルション・コア技術」です。

プロパルション・コア技術とは、簡単にいうと、パドル内部の構造によってボールの反発力や打球感を高める技術のことです。

プロパルション(※推進力・前に押し出す力)という言葉の通り、ボールを打ったときに、よりパワーを伝えやすくする仕組みだと考えるとわかりやすいです。

ピックルボールでは、パドルの「飛びすぎ」や「反発力」はかなり重要なテーマです。

強く打ちたい人にとっては魅力的ですが、競技バランスやルール面でも注目されやすい部分です。

JOOLAは、この技術に関する特許を持っており、他社製品がその技術を無断で使っていると主張しました。

だから今回、PaddletekやProXR Pickleballの一部製品が和解の対象になったわけです。

対象となったパドル製品はどれ?

今回の和解で対象となった製品は、PaddletekとProXR Pickleballの一部パドルです。

具体的には、以下の製品が挙げられています。

  • Paddletek Reserve
  • HoneyFoam™
  • ProXR Signature Jolt

ここで大事なのは、Paddletek Groupのすべてのパドルが対象になったわけではないという点です。

対象はあくまで、JOOLAの特許技術に関係するとされた一部製品に限られます。

Paddletek側も、今回の問題は自社製品の限られた範囲に関するものだと説明しています。

そのため、Paddletekというブランド全体が販売停止になる、という話ではありません。

日本のプレーヤー目線でいうと、海外ブランドのパドルをネット通販や専門店で購入している人は、今後対象モデルの流通量が少なくなる可能性があります。

気になっていたモデルがある人は、今後の在庫状況や後継モデルの情報をチェックしておくとよさそうです。

ロイヤリティ支払いと販売終了の流れ

今回の和解では、PaddletekとProXR Pickleballが、該当する製品にJOOLAの特許番号を記載し、ロイヤリティを支払うことになりました。

ロイヤリティとは、特許や技術などを使う場合に支払う使用料のことです。

たとえば、ある会社が別の会社の技術を使って商品を販売する場合、その技術を持つ会社に一定の使用料を支払うケースがあります。

また、対象製品については、すぐに販売が完全終了するわけではありません。

指定された在庫分については販売を続けることが認められています。

ただし、その後は秋にかけて「対象製品」を段階的に販売終了していく予定です。

つまり、今ある在庫は一定数売れるものの、今後ずっと同じ形で販売され続けるわけではないということです。

プレーヤーにとっては、「今使っているパドルが使えなくなるの?」と不安になるかもしれません。

ただ、今回の話は主にメーカー間の販売や特許に関するものです。

一般ユーザーがすでに購入して使っているパドルについて、すぐに使用禁止になるという内容ではありません。

JOOLAとPaddletek、それぞれのコメント

JOOLAのCEOであるリチャード・リー氏は、PaddletekとProXR Pickleballが相互尊重の精神で問題を解決したことに感謝を示しました。

また、ピックルボールはイノベーションによって成り立つ競技であり、そのイノベーションは保護されるべきだという考えも述べています。

イノベーション(※新しい技術やアイデアによる進化)は、スポーツ用品の世界ではかなり大事です。

軽い、飛ぶ、回転がかかる、コントロールしやすい。

こうした性能の進化は、メーカーの開発努力によって生まれます。

一方、Paddletek GroupのCEOであるロン・サスロウ氏も、知的財産の保護を重視しているとコメントしました。

知的財産(※会社が開発した技術、デザイン、ブランド名などの権利)は、企業にとって大切な資産です。

Paddletek側は、今回の問題を早く解決することで、消費者、販売店、契約選手へのサポートに集中できるとしています。

このコメントを見ると、長期の法廷争いよりも、ブランド運営や新製品開発を優先したい意図が見えてきます。

残る9ブランドとの訴訟はどうなる?

今回和解したのは、JOOLAが訴えた11ブランドのうち、PaddletekとProXR Pickleballに関する部分です。

つまり、この和解によって、すべての訴訟が終わったわけではありません。

JOOLAが特許侵害を主張しているブランドには、以下のようなメーカーが含まれています。

  • Franklin Sports
  • Proton Sports
  • RPM Pickleball
  • Engage Pickleball
  • Friday Labs
  • Diadem Sports
  • Facolos
  • Adidas Pickleball
  • Volair

これらのブランドに対するITCでの手続きは、今後も続くとされています。

ITCとは、アメリカ国際貿易委員会のことで、輸入品に関する特許侵害などを扱う機関です。

もしITCでJOOLA側の主張が認められれば、対象製品の輸入や販売に影響が出る可能性もあります。

もちろん、今後の判断次第では、今回のように他ブランドが和解する可能性もあります。

ピックルボール業界は成長スピードがかなり速いので、技術競争と法的な整理が同時に進んでいる段階といえそうです。

プレーヤーやパドル市場への影響

今回のニュースで一番気になるのは、「プレーヤーにどんな影響があるのか」という点です。

結論からいうと、すぐに一般プレーヤーのプレー環境が大きく変わるわけではありません。

ただし、対象となった一部パドルは、今後流通量が減ったり、モデルチェンジされたりする可能性があります。

特に海外製パドルを好んで使っている人や、競技志向でパドル性能にこだわる人は、今後の各ブランドの発表をチェックしておくと安心です。

また、メーカー側にはより慎重な開発が求められます。

「反発力が高い」「パワーが出る」「スピンがかかる」といった性能だけでなく、その技術が特許に触れていないかも重要になります。

今後は、単に強く打てるパドルだけでなく、独自技術をきちんと持ったブランドや、安心して使える製品がより評価されていくかもしれません。

道具選びの基準にも、少しずつ変化が出てきそうです。

まとめ

JOOLAとPaddletek Groupの和解は、ピックルボール用パドル市場が本格的な技術競争の時代に入っていることを示すニュースです。

対象となった一部製品は、ロイヤリティ支払いを行いながら、秋にかけて段階的に販売終了していく予定です。

一方で、残る9ブランドとの訴訟はまだ続いており、今後の展開によってはパドル市場全体にさらに影響が広がる可能性もあります。

プレーヤーとしては、好きなブランドや気になるモデルの動きをチェックしながら、自分に合ったパドルを選んでいくのが大切です。

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