2025-2026年のPPAツアーは、アナ・リー・ウォーターズとベン・ジョンズの存在感が際立つシーズンでした。
女子の絶対女王と男子のレジェンドが、それぞれ異なる形でピックルボール界に強烈なインパクトを残しました。
アナ・リー・ウォーターズが全出場種目でメダル獲得
アナ・リー・ウォーターズは、2025-2026年シーズンで出場した46種目すべてでメダルを獲得しました。
金メダル43個、銀メダル1個、銅メダル2個という成績は、もはや「好成績」という言葉では足りないレベルです。
ピックルボールの大会では、シングルス、女子ダブルス、混合ダブルスのように複数種目へ出場する選手も多いですが、すべての種目で安定して勝ち上がるのは簡単ではありません。
シングルスでは自分ひとりの判断力と体力、ダブルスではペアとの連携、混合ダブルスでは男女ペアならではの役割分担が求められます。
ウォーターズはそのすべてで表彰台に立ち続けました。
つまり、個人技だけでなく、ペア競技での合わせ方や試合中の修正力もトップ級だったということです。
主な記録は以下の通りです。
- 出場46種目すべてでメダル獲得
- 金メダル43個
- 銀メダル1個
- 銅メダル2個
- 通算タイトル数は194
- PPAツアー通算トリプルクラウンは44回
特にすごいのは、これだけ多くの大会に出場しながら、大きく崩れた試合がほとんどないことです。
毎大会でマークされる立場でありながら勝ち続けるメンタルの強さも、ウォーターズの大きな武器といえます。
シングルス無敗で見せた女王の圧倒的な強さ
ウォーターズは、シングルスで12大会に出場し、12大会すべてで優勝しました。
これにより、出場したシングルス大会での連勝記録は25大会まで伸びています。
シングルスはコート全体をひとりでカバーするため、スピード、スタミナ、ショット精度、判断力の全部が必要になります。
しかも、12回の金メダル決定戦で落としたゲームはわずか1ゲームだけでした。
その1ゲームはユタ大会でケイト・フェイヒーに奪われたものです。
裏を返せば、それ以外の決勝ではほとんど相手に流れを渡さず、ストレートに近い形で勝ち切っていたことになります。
さらに、12試合中11試合で相手より多くの「クリーンウィナー」を記録しました。
※クリーンウィナー:相手が触れない、または返球できないほどきれいに決まったショットのことです。
これは、ただ粘って勝っているだけではなく、自分からポイントを取り切る攻撃力があるということです。
ラリーの中で相手を動かし、空いたスペースに決定打を打ち込む。
そんな試合運びができるからこそ、決勝でも圧倒的な勝率を残せています。
シングルスの25大会連続優勝は、2024年5月から続く記録です。
次のシーズンでこの数字がどこまで伸びるのかは、PPAツアー全体の大きな注目ポイントになります。
女子ダブルスと混合ダブルスでもタイトル量産
ウォーターズは女子ダブルスでも圧倒的でした。
18大会に出場し、金メダル16個、銅メダル2個を獲得しています。
決勝まで進むだけでも大変なツアーで、ほぼ毎回優勝争いの中心にいたことになります。
特にアンナ・ブライトとのペアは抜群の安定感を見せました。
2人は15回の決勝に進出し、落としたゲームはわずか2ゲームだけです。
その2ゲームはいずれも、タイラ・ブラックとパリス・トッドのペアに奪われたものでした。
女子ダブルスでは、ネット際での細かい駆け引きや、相手の足元を狙うコントロールが重要になります。
ウォーターズとブライトは、決定力だけでなく、相手に攻めさせない配球のうまさでも目立っていました。
混合ダブルスでは、ベン・ジョンズとのペアで16大会に出場し、金メダル15個、銀メダル1個を獲得しました。
唯一敗れたのはメサ大会で、アナ・ブライトとヘイデン・パトリキンのペアが相手でした。
それでも、ウォーターズとジョンズはシーズン終盤を3大会連続の3ゲームストレート勝ちで締めています。
一度敗れても、すぐに修正して再び勝ち切る。この対応力が、トップペアらしいところです。
さらにウォーターズは、1大会でシングルス、女子ダブルス、混合ダブルスの3種目すべてに優勝する「トリプルクラウン」を今シーズンだけで10回達成しました。
※トリプルクラウン:1つの大会で3種目すべてに優勝することです。
これは、1日や1大会の中で何試合も戦い続ける体力と集中力がなければ達成できません。
まさに“総合力の証明”です。
ベン・ジョンズはダブルス種目で存在感を発揮
ベン・ジョンズは、2025-2026年シーズンで金メダル31個、銀メダル2個を獲得しました。
シングルスではタイトルがなかったものの、男子ダブルスと混合ダブルスでは今もトップクラスの実力を見せています。
男子ダブルスでは、ゲイブ・タルディオとのペアで17大会に出場し、16大会で優勝しました。
表彰台を逃したのは世界選手権の1回だけです。
ここまで安定して勝てるペアは、ツアー全体でもかなり特別な存在です。
16回の金メダル決定戦のうち、9試合は3ゲームストレート勝ちでした。
これは、決勝という緊張感のある場面でも、相手に主導権を渡さず勝ち切れているということです。
ただし、すべてが楽勝だったわけではありません。
クリスチャン・アルションは、ジョンズとタルディオのペアに対して特に粘り強く戦いました。
3ゲームを超えた決勝7試合のうち、5試合でアルションが相手に入っています。
さらに、ヘイデン・パトリキンも4ゲームや5ゲームにもつれた決勝に多く関わりました。つ
まり、ベンたちを本気で追い詰めるライバルも確実に出てきているということです。
それでもジョンズとタルディオは、シーズン終盤に8大会連続優勝を達成しました。
これは男子ダブルスの記録です。
ベンの読みの鋭さ、タルディオの勢い、そして2人の役割分担がかみ合ったシーズンだったといえます。
シングルス無冠でも揺るがないベンの実績
ベン・ジョンズにとって、2025-2026年シーズンの大きな話題は、シングルスでタイトルを獲得できなかったことです。
キャリアの中で、年間またはシーズンを通してシングルス優勝がなかったのは初めてでした。
メサ大会では決勝まで進みましたが、クリス・ホーワースに敗れて銀メダルとなりました。
そのほか5大会では早いラウンドで敗退し、残りの大会ではシングルスに出場しなかったか、大会そのものに出場していません。
これだけ見ると「ベンの時代が終わったのか」と感じる人もいるかもしれません。
ただ、実際にはダブルス種目で圧倒的な結果を残しており、総合力の高さはまだまだ健在です。
金メダル決定戦でのゲーム勝率は81%。記録は64勝15敗でした。
さらに、33回の金メダル決定戦のうち18試合で、ジョンズ本人またはチームが必要最少ゲーム数で勝利しています。
通算タイトル数は185に到達しています。内訳は以下の通りです。
- シングルス:42勝
- 男子ダブルス:64勝
- 混合ダブルス:79勝
シングルスの42勝は、彼にとって最も少ないタイトル数ですが、それでもアナ・リー・ウォーターズとキャサリン・パレントーを除く他の選手の通算タイトル数を上回る数字です。
やっぱりレジェンド、数字がバグっています。
次シーズンに向けた2人の注目ポイント
2026-2027年シーズンに向けて、ウォーターズは通算194タイトル、ベン・ジョンズは通算185タイトルを持って新シーズンへ入ります。
どちらも、すでにピックルボールの歴史に名前を刻んでいる選手です。
ウォーターズの注目ポイントは、まずシングルスの連勝記録です。
2024年5月から続く25大会連続優勝がどこまで伸びるのか、多くのファンが注目しています。
さらに、通算44回のトリプルクラウンもPPAツアー記録であり、次シーズンも更新が期待されます。
ベンの注目ポイントは、やはりシングルスでの復活です。
シングルス無冠に終わったシーズンを経て、次にどんな形で立て直してくるのかは大きな見どころです。
一方で、男子ダブルスでは現在10大会連続優勝中です。
この記録は昨年11月のレイクランド大会から続いています。
ダブルスの王者として勝ち続けるのか、それとも若手ペアが流れを止めるのか。
次シーズンの男子ダブルスもかなり熱くなりそうです。
まとめ
2025-2026年のPPAツアーは、アナ・リー・ウォーターズの圧倒的な支配力と、ベン・ジョンズのダブルスでの安定感が際立ったシーズンでした。
ウォーターズは全出場種目でメダルを獲得し、シングルス無敗、トリプルクラウン10回という驚きの成績を残しています。
一方のベンは、シングルスでは無冠という変化がありながらも、男子ダブルスと混合ダブルスでしっかり存在感を見せました。
数字だけを見ると2人とも異次元ですが、その中身を見ると「勝ち方」や「課題」にも違いがあります。
2026-2027年シーズンでは、ウォーターズがさらに女王として記録を伸ばすのか、ベンがシングルスで再びタイトルをつかむのかが大きな注目ポイントです。
ピックルボール界のトップ争いは、次のシーズンもかなり面白くなりそうです。





