MLP2026第8週の主役は、サンディエゴ大会を5戦全勝で制したダラス・フラッシュです。
トレードでチームを立て直した理由や、首位セントルイスを追う各チームの現在地を、初心者にもわかりやすく紹介します。
ダラスがサンディエゴ大会で5戦全勝
約1か月前まで、ダラス・フラッシュはプレーオフ進出さえ危ぶまれていました。
MLPオースティン大会では1勝4敗に終わり、順位ポイントをひとつも獲得できなかったからです。
MLPでは、単純な勝敗だけでなく、大会での順位や試合結果に応じてポイントが加算されます。
つまり、1大会でポイントを取れないと、プレーオフ争いではかなり不利になります。
そこでダラスは、シーズン途中にチーム編成を大きく変更しました。
タイラ・ブラックをコロンバスへ放出し、ダニエル・タウンゼントを獲得。
さらに、フェニックスからアリックス・チュオンを迎えています。
この補強によって、女子ダブルスと混合ダブルスの組み合わせに新しい選択肢が生まれました。
タウンゼントとチュオンが加わってからのダラスは12勝4敗。
数字を見ても、トレードがチーム再建のきっかけになったことがわかります。
サンディエゴ大会では、グループ戦で強豪ロサンゼルス・マッドドロップスに勝利。
決勝では、グループ戦を無敗で通過していたコロンバス・スライダーズを3対1で破りました。
特に注目したいのが、JW・ジョンソンとオーギー・ゲの男子ダブルスです。
シーズン序盤の14ゲームでは8勝6敗でしたが、その後は9勝2敗。
ロサンゼルスのベン・ジョンズ/マックス・フリーマン組や、コロンバスのアンドレイ・ダエスク/CJ・クリンガー組にも勝っています。
オーギー・ゲは、タウンゼントとの混合ダブルスでも好調です。
このペアは結成後11勝2敗を記録し、直近10ゲームでは8勝2敗。男子ダブルスと混合ダブルスの両方で勝てるゲの存在が、ダラスの大きな武器になっています。
- サンディエゴ大会を5戦全勝で優勝
- トレード後のチーム成績は12勝4敗
- ジョンソン/ゲ組は直近11ゲームで9勝
- タウンゼント/ゲ組は結成後11勝2敗
- パワーランキングは一気に3位へ上昇
一時はシーズン終了とも思われたダラスですが、今ではプレーオフで上位チームを倒せる存在です。
勢いだけではなく、複数のペアで勝てるチームへ変化した点が、今回の急浮上につながっています。
セントルイスとニュージャージーが優勝争いをリード
ランキング1位は、24勝2敗のセントルイス・ショックです。
今週は試合がありませんでしたが、前週のミッドシーズン・トーナメントで優勝しており、現在は15連勝中です。
この15連勝の中では、ニュージャージー、コロンバス、パームビーチ、テキサスなど、プレーオフ進出を狙う強豪に勝利しています。
ロサンゼルスには3回、パームビーチとテキサスにはそれぞれ2回勝っており、対戦相手に恵まれただけの連勝ではありません。
セントルイスの強みは、特定のペアだけに頼っていないことです。
男子ダブルス、女子ダブルス、混合ダブルスのどこからでもポイントを取れるため、ひとつのペアが負けてもチーム全体が崩れにくくなっています。
MLPの団体戦では、基本的に次の4ゲームが行われます。
- 女子ダブルス
- 男子ダブルス
- 混合ダブルス第1試合
- 混合ダブルス第2試合
4ゲームを終えて2対2になった場合は、ドリームブレーカーが行われます。
ドリームブレーカーとは、選手が数ポイントごとに交代しながらシングルスを戦う特別なタイブレークです。
ダブルスが中心のMLPでも、最後は一人でコートを守る能力が問われます。
2位のニュージャージー・ファイブスは、アナ・リー・ウォーターズとジョージャ・ジョンソンを中心とした女子ダブルスが最大の武器です。
ただし、ミッドシーズン・トーナメント決勝では、セントルイスがジョンソン側へ多くボールを集める戦術を使いました。相手の強い選手を避け、もう一人へ集中して打つことで、強力な女子ペアを崩した形です。
それでも、ニュージャージーには混合ダブルスの強さがあります。
- ノエ・クリフ/アナ・リー・ウォーターズ組:23勝3敗
- ウィル・ハウエルズ/ジョージャ・ジョンソン組:15勝6敗
- ドリームブレーカー:2勝1敗
ニュージャージーは女子ダブルスを取れば一気に有利になりますが、女子戦を落とした場合に男子ダブルスや混合ダブルスでどう補うかが課題です。
現時点では、総合力のセントルイス、女子と混合ダブルスのニュージャージーという構図になっています。
コロンバスとロサンゼルスに見えた課題
ランキング4位のコロンバス・スライダーズは、サンディエゴ大会のグループ戦を5戦全勝で終えました。
しかも、その5試合では1ゲームも落とさず、すべての対戦を完璧に近い内容で勝ち上がっています。
しかし、決勝ではダラスに1対3で敗れました。
コロンバスは、レギュラーシーズン5大会のうち4大会で3位以内に入っています。
ミッドシーズン・トーナメントでも3位に入り、年間を通して大きく崩れていません。
一方で、今季はまだ大会優勝がありません。
PPAツアーランキング(※プロ選手の個人成績をもとにしたランキング)では、トップ10に入る選手を4人抱えています。選手個人の実績だけなら、リーグでもトップクラスです。
それでも優勝できていないのは、強い選手がそろうことと、団体戦で勝ち切ることが別だからです。
MLPでは、個人ランキングの高い選手を並べるだけでは勝てません。
誰と誰を組ませるか、相手のどの選手を狙うか、混合ダブルスで男女がどう役割分担するかといった相性が重要になります。
ただし、コロンバスは昨季も似た状況からプレーオフで調子を上げ、最終的に優勝しました。
今季も短期決戦に入ってから、一段階ギアを上げる可能性があります。
5位のロサンゼルス・マッドドロップスは、サンディエゴ大会で5位に終わりました。
これまでに出場したレギュラーシーズン3大会では、すべて決勝へ進出しています。
成績は優勝1回、準優勝2回で、シーズン全体を見れば十分に強豪です。
しかし、サンディエゴではグループ戦でアトランタとダラスに敗れました。
これまで安定して決勝へ進んでいただけに、2敗という結果は少し気になります。
ロサンゼルスには、ベン・ジョンズ、キャサリン・パレンテなど、世界トップクラスの選手がいます。
先発4人がそろって本来の力を発揮すれば、どのチームにも勝てる戦力です。
ただし、最近の試合内容を見ると、最も調子が良かったのは約2か月前です。
- コロンバスは安定して上位に入るが優勝がない
- 選手の個人ランキングと団体戦の強さは別
- ロサンゼルスは3大会連続決勝進出の実績がある
- サンディエゴではアトランタとダラスに敗戦
- 両チームともプレーオフ前の再調整が必要
プレーオフ進出だけを考えれば、両チームとも大きな心配はありません。
ただし、優勝を目指すなら、決勝や接戦で勝ち切る力をもう一度示す必要があります。
ブルックリンからオーランドまで中位争いを整理
6位のブルックリン・ピックルボールチームは、戦績15勝5敗です。
勝率だけを見れば上位チームに近い数字ですが、最近のミッドシーズン・トーナメントでは1勝2敗に終わりました。
ただし、この大会ではクリスチャン・アルション、ライリー・ニューマン、レイチェル・ロアバッカーの主力3人が欠場しています。
MLPでは通常6人前後の選手が登録されていますが、試合で中心になる先発選手が複数欠けると、普段とは違うペアを組まなければなりません。
ブルックリンの1勝2敗は、チーム本来の実力をそのまま示す結果とはいえないでしょう。
全員が復帰すれば、ブルックリンはプレーオフで上位チームを倒せる存在です。
次のシカゴ大会で、通常のラインアップに戻れるかが注目されます。
7位のテキサス・ランチャーズは16勝12敗です。
プレーオフ進出圏内にはいますが、セントルイスやコロンバスに通常の4ゲーム内で敗れています。
通常の試合で負けるということは、ドリームブレーカーに持ち込む前に3ゲームを取られているということです。
上位チームとの実力差を縮めるには、男女どちらかのダブルスを確実に取る必要があります。
8位のパームビーチ・ロイヤルズは、女子ダブルスと男子ダブルスで成績が大きく分かれています。
ティナ・ピスニク/ソフィア・スーイング組は22勝4敗。リーグでもトップクラスの女子ペアです。
一方、デケル・バー/タイソン・マクガフィン組は7勝9敗。
女子戦で先勝しても、男子戦を落として1対1に戻される試合が多くなっています。
パームビーチが上位へ進むには、男子ダブルスが最低でも五分に近い成績を残すことが必要です。
9位のアトランタ・バウンサーズは、サンディエゴ大会で3位に入り、15ポイントを獲得しました。
これでプレーオフ進出はほぼ確実とみられています。
ロサンゼルスに勝てる爆発力がある一方、その次の試合ではユタに敗れました。
強豪に勝った直後に下位チームへ敗れる不安定さが、アトランタの課題です。
10位のサザンカリフォルニア・ハードエイツは13勝13敗。
シーズン序盤の不振を乗り越え、現在はプレーオフ圏内に入っています。
ただし、プレーオフでセントルイスやニュージャージーと対戦した場合、4ゲームのうちどこで3勝目を取るのかが見えにくいチームです。
11位のオーランド・スクイーズは13勝11敗。
フェデリコ・スタクスルードや元テニス選手のジャック・ソックを抱えていますが、サンディエゴ大会では7位でした。
- ブルックリンは主力3人の復帰が重要
- テキサスは上位チームとの直接対決が課題
- パームビーチは女子ダブルスが22勝4敗
- アトランタは強豪に勝てるが安定感がない
- オーランドは選手層に対して結果が物足りない
この中位グループは、プレーオフ進出だけでなく、どのシード順位に入るかも重要です。
初戦からセントルイスなどの最上位チームと当たらないためにも、残り大会でできるだけ順位を上げたいところです。
船水雄太所属のユタなど下位チームの現状
12位のラスベガス・ナイトオウルズは7勝12敗です。
プレーオフ進出の可能性は残っていますが、直近10試合では3勝7敗と調子を落としています。
順位がひとつ上がったものの、ラスベガス自身の成績が良かったというより、フェニックスがさらに苦戦した影響が大きい状況です。
13位のカリフォルニア・ブラックベアーズは、最近のトレードでパブロ・テレスとディラン・フレイジャーを獲得しました。
ただし、サンディエゴ大会ではフレイジャーが出場していません。
その中でも3勝3敗で8ポイントを獲得したため、完全なメンバーがそろったときの戦いには期待できます。
残りは2大会です。プレーオフへ進むには、どちらの大会でも安定してポイントを獲得しなければなりません。
14位は、船水雄太が所属するユタ・ブラックダイヤモンズです。
戦績は10勝16敗で、現在はプレーオフ圏外のチームの中で最上位に位置しています。
サンディエゴ大会ではアトランタに勝利しましたが、グループ内では最下位。獲得ポイントは1ポイントだけでした。
残されている大会はあとひとつです。ユタが逆転でプレーオフへ進むには、最終大会で上位へ入り、さらに周囲のチームがポイントを伸ばせない展開も必要になります。
船水雄太は日本のソフトテニスで実績を残し、ピックルボールでも海外リーグに挑戦している選手です。日本のファンにとっては、ユタの結果だけでなく、船水が男子ダブルスや混合ダブルスでどのような役割を担うかも注目ポイントになります。
15位のシカゴ・スライスは、今季のプレーオフよりも将来を重視しているようです。
最近のトレードでは、18歳のジョン・ルシアン・ゴインズ、13歳のエルシー・ヘンダーショット、15歳のエマ・ネルソンを獲得しました。
プロリーグのチームとしては非常に若い編成です。すぐに勝利を増やすのは難しくても、数年後にリーグを代表する選手が育つ可能性があります。
16位のマイアミ・ピックルボールクラブには、藤原理花が所属しています。戦績は6勝13敗で、プレーオフ進出の可能性は残るものの、自力だけでの進出は難しい状況です。
17位のフェニックス・フレームズは、サンディエゴ大会で1勝4敗でした。オーランド、サザンカリフォルニア、カリフォルニアとの試合はいずれもドリームブレーカーで敗れています。
接戦には持ち込めていますが、最後のシングルス形式で勝ち切れていません。5試合を戦って獲得できた順位ポイントは1ポイントだけでした。
18位のカロライナ・ホッグスには、アイコ・ヨシトミが所属しています。戦績は2勝18敗。計算上はまだ可能性が残っていますが、実質的にはプレーオフ進出が難しい状況です。
すでにフロリダ・スマッシュとベイエリア・ブレイカーズは、プレーオフ敗退が決まっています。
プレーオフで勝つために必要なポイント
第8週終了時点では、セントルイスが優勝争いをリードしています。
しかし、短期決戦のプレーオフでは、レギュラーシーズンの順位だけで勝敗が決まるわけではありません。
まず重要になるのが、4つのダブルスをどのように組むかです。
女子ダブルスで1勝、男子ダブルスで1勝すれば、混合ダブルスを迎える時点で1対1になります。
反対に、男女両方を落とすと、混合ダブルスを2試合とも勝たなければなりません。
特にニュージャージーのように女子ダブルスが強いチームは、女子戦を取ることを前提に試合を組み立てられます。
一方、ダラスは男子ダブルスと混合ダブルスで勝てる組み合わせが増えました。
女子ダブルスを落としても、残り3試合で逆転できる形があります。
次に重要なのが、選手同士の相性です。
個人ランキングが高くても、2人とも攻撃を優先して守備が手薄になったり、同じエリアを守ろうとして動きが重なったりすることがあります。
ピックルボールのダブルスでは、どちらが中央のボールを取るか、相手の強打に対して誰がブロックするか、前後の動きをどう合わせるかが大切です。
さらに、ドリームブレーカーへの対応も欠かせません。
ドリームブレーカーでは、普段のダブルスとは違い、コートを一人で広く守ります。
スピード、フットワーク、リターンの安定感が必要です。
プレーオフの注目ポイントは次の通りです。
- セントルイスの15連勝を止めるチームが出るか
- ダラスがサンディエゴ大会の勢いを維持できるか
- ニュージャージーの女子ダブルスを各チームがどう攻略するか
- コロンバスが昨季のようにプレーオフで調子を上げるか
- ロサンゼルスがシーズン序盤の強さを取り戻せるか
- ユタが最終大会で逆転進出できるか
まとめ
MLP2026第8週では、ダラス・フラッシュが5戦全勝でサンディエゴ大会を制し、優勝候補へ一気に浮上しました。
首位セントルイスは15連勝中ですが、ニュージャージーやコロンバス、ロサンゼルスにも十分な戦力があります。
プレーオフでは選手個人の実力だけでなく、ペアの相性やドリームブレーカーへの対応が勝敗を左右します。
船水雄太が所属するユタの逆転進出を含め、残り大会も見逃せない展開になりそうです。


