ピックルボールのダブルスで安定してポイントを取るには、強いショットだけでなく、2人の動きや判断をそろえることが大切です。
前後左右のポジション、中央の守り方、試合中の声掛けまで、具体的な場面を交えて紹介します。
ダブルスでチームワークが重要な理由
ピックルボールのダブルスでは、1人の選手が良いショットを打つだけでは、コート全体を守り切れません。
コートの横幅を2人で分担しながら、相手が打ってくる方向に合わせて一緒に動く必要があります。
例えば、自分が右サイドへ大きく動いてボールを返した場合、そのままではコート中央にスペースができます。
このとき、パートナーが少し右へ寄れば、空いた中央をカバーできます。
反対に、パートナーが元の位置に立ったままだと、相手に真ん中を狙われやすくなります。
また、相手から高いボールが返ってきた場面では、片方だけが攻撃するのではなく、もう片方も次の返球を予測して準備します。
スマッシュ(※頭より高い位置から強く打ち込むショット)が返された場合に備え、2人でバランスを取りながら攻撃を続けることが大切です。
ダブルスでは「自分が決める」よりも、「2人で相手を動かしてチャンスをつくる」という考え方がポイントになります。
見えないひもを意識して2人で動く
ダブルスの基本は、自分とパートナーが見えないひもでつながっているように動くことです。
一方が右へ移動したら、もう一方も右へ寄ります。
一方が前へ進んだら、もう一方も状況を見ながら前へ進みます。
例えば、相手がコート右側へ角度のあるショットを打ってきたとします。
右側の選手だけが外へ動き、左側の選手がその場に残ると、2人の間に大きな隙間ができます。
そこで左側の選手も中央方向へ寄れば、次に真ん中へ返されても対応しやすくなります。
意識したいポイントは、次の3つです。
- パートナーとの横の距離を空けすぎない
- 片方だけが前や後ろに残らない
- ボールの位置に合わせて2人で左右に動く
ただし、パートナーと近づきすぎるのも危険です。
同じボールを2人で追いかけ、パドル(※ピックルボールで使用するラケット)がぶつかる可能性があります。
お互いが腕を伸ばしても接触しない程度の距離を保ちながら、コートの中央に大きな穴をつくらないことが理想です。
キッチンへはパートナーと一緒に前進する
ピックルボールでは、キッチンライン付近に立つことで、相手のボールを早いタイミングで返しやすくなります。
キッチンとは、ネットから約2.13メートルの範囲にあるノンボレーゾーン(※ボールを地面に落とさず直接打つボレーが制限されるエリア)です。
ただし、サーブを打った直後に、すぐキッチンラインまで走ればよいわけではありません。
サーブ側は相手のリターンをワンバウンドさせてから打つ必要があるため、まずはサードショット(※サーブ、リターンに続く3球目)を安定して返すことが優先です。
例えば、自分がサードショットドロップ(※相手のキッチン内へ柔らかく落とすショット)を低く打てた場合は、相手が強く攻撃しにくくなります。
このタイミングで、パートナーと一緒に数歩前へ進みましょう。
一方、ドロップが高く浮いてしまった場合は、相手からスマッシュや速いボレーを打たれる可能性があります。
その状態で無理に前進すると、足元へ強いボールを打たれ、対応できません。
まずは後方で守り、低い返球を打てたところで前進します。
前へ進むときは、次の順序を意識しましょう。
- 低く攻撃されにくいボールを打つ
- パートナーの位置を確認する
- 2人で数歩ずつ前進する
- 相手が打つ瞬間には一度止まる
- 次の返球を見て、さらに前へ進む
2人がそろってキッチンラインへ到達できれば、相手の足元や空いたコースを狙いやすくなります。
Xルールでコート中央をカバーする
ダブルスでは、中央へ飛んできたボールをどちらが取るか迷う場面が多くあります。
「フォアハンド側の選手が取る」と決めているペアもいますが、それだけでは守り切れない場面があります。
そこで役立つのがXルールです。
Xルールとは、ボールを打つ相手と自分たちの位置を斜めの線で結び、どちらがサイドライン側と中央を守るか判断する考え方です。
例えば、相手が自分たちから見て左奥からボールを打つ場合、左側にいる選手はストレート方向へのショットを警戒します。
ストレートは移動距離が短く、ボールが早く届くため、近い選手が優先して守る必要があります。
そのため、右側の選手は少し中央へ寄り、真ん中へ飛んでくるボールをカバーします。
このとき、中央のボールがバックハンド側に来たとしても、右側の選手が取る場面があります。
反対に、相手が右奥から打つ場合は、右側の選手がストレートを守り、左側の選手が中央へ寄ります。
Xルールのポイントは次のとおりです。
- ボールに近い選手はサイドライン側を守る
- 反対側の選手は中央へ寄る
- フォアハンドかバックハンドだけで判断しない
- 相手が打つ直前に立ち位置を調整する
相手の位置に合わせて2人で動けば、中央とサイドの両方を効率良く守れます。
短く分かりやすい声掛けを使う
ダブルスでは、ボールを見るだけでなく、パートナーへ情報を伝えることも重要です。
特に中央へ来たボールやロブ(※相手の頭上を越えるように高く打つショット)では、声掛けが遅れると2人とも迷ってしまいます。
試合中は、長い説明ではなく、一言で伝わる言葉を使いましょう。
- 「自分!」:自分がボールを取るとき
- 「お願い!」:パートナーに任せるとき
- 「チェンジ!」:左右のポジションを入れ替えるとき
- 「下がる!」:ロブに対応するため後方へ移動するとき
- 「注意!」:自分の返球が高く浮いたとき
- 「アウト!」:相手のボールが外へ出そうなとき
例えば、パートナーの頭上をロブが越えた場合、パートナーが無理に後ろ向きで追いかけると転倒する危険があります。
反対側の選手が「チェンジ!」と声を掛けて後方へ走り、パートナーは反対側の空いた場所へ移動すると、安全に守りやすくなります。
また、自分のショットが高く浮いたときは、「注意!」とすぐに伝えましょう。
パートナーは攻撃の準備ではなく、パドルを体の前に構えて守備へ切り替えられます。
声掛けの言葉は、ペアによって違っても問題ありません。
大切なのは、試合前に意味を確認し、2人が同じ言葉を使うことです。
ミスを責めずにパートナーを支える
ダブルスでは、パートナーの気持ちを支えることもチームワークの一部です。
ミスが続いたときに責められると、腕が縮こまり、普段なら打てるショットまで入らなくなってしまいます。
例えば、パートナーがサーブを2本続けてミスしたとします。
このとき、「またミスした」と言うのではなく、「次は少し高めを狙おう」「大丈夫、ゆっくりでいいよ」と声を掛けましょう。
次に何を意識すればよいかを短く伝えると、気持ちを切り替えやすくなります。
また、相手に連続でポイントを取られた場面では、2人で次の作戦を確認することも効果的です。
- 相手のバックハンド側を狙う
- 強く打たず、キッチンへ低く落とす
- 2人の間を空けすぎない
- サーブを確実に入れる
このように、過去のミスを責めるのではなく、次の1ポイントでやることを決めます。
一緒に練習する機会が増えると、パートナーの得意なプレーも分かってきます。
フォアハンドドライブ(※ボールを前方へ強く押し出すショット)が得意な選手には攻撃を任せ、自分は返球に備えて中央をカバーするなど、役割分担も可能です。
うまくいかないときこそ、「ナイスチャレンジ」「次いこう」と声を掛け合えるペアは、試合の流れが悪くなっても立て直しやすくなります。
まとめ
ピックルボールのダブルスでは、2人が見えないひもでつながっているように動き、コート中央に大きな隙間をつくらないことが大切です。
キッチンへ進むときも片方だけで動かず、低いショットを打てたタイミングで一緒に前進しましょう。
Xルールと短い声掛けを取り入れれば、中央のボールやロブにも迷わず対応しやすくなります。
ミスを責めるのではなく、お互いの得意な部分を生かして支え合うことが、強くて楽しいダブルスチームをつくる近道です。

