PPA Tourが新たに「PPA Tour Europe」を立ち上げます。2026年から2027年にかけて欧州9か国で20大会を開催予定。
賞金総額54万5,000ユーロ、ランキングポイント制度、シーズン最終戦まで用意され、ヨーロッパでプロを目指す選手の環境が大きく変わりそうです。
PPA Tour Europeが新たにスタート
プロ・ピックルボール界の主要ツアーであるPPA Tourが、新しい地域シリーズ「PPA Tour Europe」をスタートさせます。
2026年から2027年にかけて展開される予定で、ヨーロッパ各国を巡りながら複数のプロ大会を開催する本格的なツアーです。
PPA Tour(※Professional Pickleball Associationが運営するプロツアー)は、これまで北米を中心にトップ選手が戦う舞台として成長してきました。
今回のPPA Tour Europe設立によって、その競技基盤をヨーロッパにも広げる形になります。
重要なのは、海外で数大会を開催するだけではなく、複数の国と大会をつないだ「シーズン」として運営される点です。
選手は一つの大会だけを目標にするのではなく、シーズンを通して各地を転戦しながら成績を積み上げていくことになります。
- 2026年から2027年にかけて開催
- ヨーロッパ各国を巡るプロツアー
- 年間を通じたランキング争いを想定
- 地域を拠点に活動するプロ選手の受け皿を整備
「ヨーロッパでもプロとしてピックルボールを戦える」という環境が形になり始めたことが、今回の発表の大きなポイントです。
欧州9か国で20大会を開催予定
PPA Tour Europeでは、2026年から2027年にかけてヨーロッパ9か国で合計20大会を開催する予定です。
現時点で開催地として挙げられているのは、スペイン、スロベニア、ポルトガル、ポーランド、イギリス、イタリアなど。今後さらに開催地が追加される予定となっています。
20大会という数字は、かなり大きな意味を持ちます。
例えば年に数回だけ大会が開催される状況では、選手が継続的に競技活動をするのは簡単ではありません。
しかし20大会規模のツアーになれば、「次の大会」「その次の大会」とシーズンを通じて試合経験を積めるようになります。
また、それぞれの国で大会が開かれることで、地元の選手がトッププロの試合に触れる機会も増えていきます。
- 合計20大会を予定
- 開催国は9か国
- スペイン、ポルトガル、イタリアなどで開催
- 東欧のスロベニアやポーランドも開催地に
- 今後さらに新しい開催地が加わる予定
西ヨーロッパだけではなく複数の地域へ広げることで、競技人口の増加や新しい選手の発掘にもつながりそうです。
賞金総額54万5,000ユーロの本格ツアーへ
初年度シーズンのPPA Tour Europeでは、賞金総額54万5,000ユーロが用意されます。
単に「大会数が増える」というだけではなく、プロ選手が賞金を獲得しながら競技を続けられる環境が作られる点が重要です。
ピックルボールでプロを目指す場合、大会参加費だけでなく、交通費、宿泊費、練習費用などさまざまなコストがかかります。
そのため、賞金規模が大きくなることは、選手が競技を仕事として続けられるかどうかにも直結します。
さらに、シーズンの最後には「PPA Finals Europe」が予定されています。
通常の大会だけでなく最終戦が設けられることで、
- 各大会へ出場する
- 成績に応じてランキングポイントを獲得する
- シーズンを通して順位を競う
- 最終戦を目指す
という明確な流れが生まれます。
単発大会では強い選手でも、ツアーになると安定して結果を残す力が求められます。
体調管理、移動、パートナーとの連係なども含めて、一年間を戦い抜く総合力が重要になってきそうです。
欧州選手にプロへの新しいルートが誕生
PPA Tour Europeができることで、ヨーロッパの選手がプロを目指すルートも大きく変わります。
これまで世界トップクラスの大会へ本格的に挑戦しようとすると、北米などへの長距離遠征が必要になるケースが多くありました。
海外遠征には、
- 航空券
- ホテル代
- 現地での交通費
- 食費
- 長期間のスケジュール調整
など、競技以外にもかなり大きな負担がかかります。
さらに長距離移動による疲労や時差もあり、「実力はあるけれど遠征費を確保できない」という選手が出てくる可能性もあります。
PPA Tour Europeなら、ヨーロッパを拠点にしながら賞金とランキングポイント(※大会成績に応じて獲得し、選手順位に反映されるポイント)を獲得できます。
これは若手選手にとって特に大きなメリットです。
まず地域大会で経験を積み、ヨーロッパでランキングを上げ、その先に世界トップレベルを目指すという段階的なキャリアを作りやすくなります。
「いきなりアメリカへ行かなければプロを目指せない」という状況から、「地元に近い環境で成長してから世界へ」というルートが生まれるわけです。
PPA Tourは世界各地域への展開を加速
今回のPPA Tour Europeは、PPAが進めている世界展開の一部です。
これまでにもPPA Asia、PPA Australia、PPA Canada、PPA Italy、PPA Spainなど、地域ごとの展開が進められてきました。
さらに、PPA TourとMLP(※Major League Pickleball。男女の選手がチームを組んで戦うプロリーグ)を傘下に持つPickleball Inc.も、国際的な大会との連携を強めています。
つまり、現在のピックルボール界では、
- PPAの個人・ダブルスツアー
- MLPのチーム戦
- 各地域のPPAシリーズ
- 国際大会
といった複数の競技ルートが同時に広がっています。
これはテニスやゴルフのように、「世界各地に大会があり、年間を通じてプロ選手が転戦するスポーツ」に近づいている動きともいえます。
地域ツアーが増えれば、各国の選手が試合経験を積めるだけでなく、国内のスポンサーやクラブ、コーチなど、競技を支える周辺環境も育ちやすくなります。
PPA Tour Europeは単なる新大会ではなく、ヨーロッパ全体でプロ・ピックルボールの市場を作る取り組みとしても注目されそうです。
トップ20に18か国の選手が入る時代へ
PPA Tourの国際化は、すでにランキングにも表れています。
現在、シングルス、ダブルス、ミックスダブルスの各カテゴリーでトップ20に入っている選手を見ると、合計18か国の選手が名を連ねています。
これは、ピックルボールが「一部の国だけで強い選手が生まれる競技」から変わりつつあることを示しています。
PPA Tour Europeの大会数が増えれば、ヨーロッパ各国の選手がこれまで以上に試合経験を積めるようになります。
例えば、
- 地元の大会に参加する
- 地域ランキングを上げる
- より大きな大会に出場する
- 海外トップ選手と対戦する
- 世界ランキング上位を目指す
という成長ルートも現実的になってきます。
また、地域ごとにプレースタイルの違いが生まれてくる可能性もあります。
テニスでは国や地域によってクレーコートを得意とする選手、速いコートを得意とする選手など特徴があります。
ピックルボールでも競技人口が世界に広がることで、それぞれの国から個性的な選手や戦術が生まれてくるかもしれません。
「次のトップスターはどの国から出てくるのか」。
そんな楽しみ方が増えていくのも、国際化が進むピックルボールならではです。
まとめ
PPA Tour Europeのスタートによって、ヨーロッパでも年間を通して戦える本格的なプロ・ピックルボールツアーの環境が整い始めます。
9か国20大会、賞金総額54万5,000ユーロ、シーズン最終戦という仕組みがそろうことで、選手が継続的にプロ活動を行いやすくなるのが大きなポイントです。
さらに、地域内でランキングポイントを獲得できるようになれば、若手選手が段階的に世界トップを目指すルートも作りやすくなります。
PPAがアジアやオーストラリアなどにも展開していることを考えると、ピックルボールは北米中心の競技から「世界を転戦するプロスポーツ」へ本格的に変わり始めているといえそうです。


