キッチンで「相手の球、速すぎ…」となる原因は反射神経不足じゃなく“予測不足”かも。
プロがやってる「位置と角度の読み方」を6パターンに分解して、練習でそのまま使える形に落とし込みます。
予測がハンドスピードの正体になる
キッチンラインでラリーが速く感じるのは、球速より「判断が遅れてる」ことが多いです。
プロのライアン・フーは、近距離の手の速さ(※ハンドスピード=至近距離の反応・当てる速さ)の約60%は予測で決まると言います。
具体的には、相手が構えた瞬間に「次は①スピードアップ(※急に強打へ切り替える)②ディンク継続③ロブ」のどれが濃いか、先に当たりをつけます。
反射で追いかけるより、守る範囲を先に狭める。
これだけで“速さ”の体感が変わります。
- 合図チェック:相手のパドルが高い→スピードアップ寄り/低い→ディンク寄り
- 目線チェック:相手がラインを見る→ストレート警戒/中央を見る→ミドル警戒
- 自分の合言葉:「来てから動く」じゃなく「来る前に構える」
サイドラインのディンクはパターンで読む
相手がサイドラインにディンク(※キッチン内へ落とす柔らかい球)してきたら、実は“読みやすいボーナス場面”。
サイドは角度が限られるので、選択肢が減るからです。
フーはこの瞬間、両手でパドルを持って「ラインへのスピードアップ」を最優先で警戒します。
クロスに来たら両手バックのまま、面の角度を微調整してカウンターします。
ここで大事なのは、球を見てから慌てて動かないこと。
先に“危ないコース”に照準を合わせれば、反応が遅れても当てられます。
- 立ち位置の目安:サイドに振られたら、体は少し内側へ(ミドル寄り)戻す
- 狙う守備ゾーン:ライン際の胸元〜腰(※インサイドヒップ=体の内側の腰付近)
- やりがちNG:クロスを怖がって外に寄りすぎ→ライン抜き一発で終了
正面ディンクは胸元ゾーンを守る
ボールが自分の正面、肩と肩の間に落ちるディンクは、体感でいちばん嫌なやつです。
ここは「全部来そう」に見えて、つい守備が散ります。でもフーは守る場所を先に決めます。
具体的には、ニュートラルグリップで構えつつ、胸元〜少し下のバックハンドカウンターを想定。
ワイドフォアまで完璧に守ろうとしません。
正面から無理に角度をつけて強打するとアウトになりやすいので、守るべきは“確率が高い危険ゾーン”だけでOKという考え方です。
- 守る優先順位:①胸 ②内側の腰(インサイドヒップ)③ミドル
- ショット選び:強く打ち返すより“面を固くしてブロック”(※ブロック=当てて返す)
- 練習ドリル:正面ディンク→相手スピードアップ→ブロック返球を10本連続
センター寄りは“どっちにも寄らない”
センターライン寄りに落ちた球は相手の選択肢が増えます。
だからこそ、先に寄ると裏を取られます。
フーはここでパドル面をセンターに向けたまま、左右どちらにも“ズルしない”構えをキープします。
実戦で多いのは「ミドル突破」。
2人の間(※ミドル=ペアの中央)を抜く攻撃は成功率が高いので、ここをまず消します。
外側に来る強打はアウト率も上がるので、全部追いかけなくていい。
守りの優先順位を決めた人が勝ちます。
- 体の向き:胸はネットへ、肩だけで振り向かない(体が開くと抜かれる)
- 狙う返球:相手の足元へ低く返す or ディンクで落ち着かせる
- やりがちNG:相手の打点に合わせて先に外へ寄る→ミドルにズドン
コートの角度で選択肢は減る
予測はセンスじゃなく、コートの構造で決まります。
サイドに落ちた球は角度が少ない。
正面に落ちた球は胸元が危険。
センターは選択肢が増える。
これを知ってるだけで、守る範囲が勝手に絞れます。
ポイントは「全部守ろうとしない」こと。
全部守ろうとすると、結局どれも遅れます。
逆に、危険ゾーンだけ先に守れば、相手は“通らないコース”を打たされてミスが増えます。
- 判断ルール(簡単版)
- ボールがサイド→ライン警戒を最優先
- ボールが正面→胸・内側腰を守る
- ボールがセンター→ミドル警戒を最優先
- ボールがサイド→ライン警戒を最優先
- メンタルのコツ:「守り切る」より「危険を消す」
3.5と4.5を分けるキッチン思考
同じ球を見ていても、強い人は“球に反応”してません。
相手の位置・姿勢・打点を見て「次はこれが来やすい」と予測して、先に準備が終わっています。
3.5(※実力目安のレーティング)は来てから慌てがち、4.5は来る前に構えが完成している。
この差が、カウンターの安定・ミスの少なさ・相手への圧になります。
上達の近道は、速く動くことより「守る場所を先に決める」習慣づくりです。
- 試合で使う一言:「次はライン?ミドル?」と自分に問いかける
- ペアの約束:ミドルは基本バックで取る(迷いが減る)
- 1週間の課題:サイドに振られたら“ライン優先”を徹底してみる
まとめ
キッチンで速く見えるラリーの正体は、反射神経より“予測”です。
サイド・正面・センターで守る優先順位を決めるだけで、反応が間に合う場面が増えます。
次の練習は「相手が打つ前に守るゾーンを決める」だけ意識してみてください。
体感スピードが変わって、ラリーがちょっと楽しくなります。




