サードショット・ドロップは“前進の橋”。
現代戦術では球質と相手の位置で5型を使い分けます。
本稿は狙い・打ち方・ミス例・目標落下点まで具体化。
数分で試せるドリルも付けて即効で強化します。
コート図のイメージで狙い所も明示します。
現代サードショットの考え方
目的は二人でキッチンライン(※ノンボレーゾーン前)へ到達し主導権を回収すること。
目標はNVZ内30〜60cmにワンバウンド、ネット越え高30〜50cm。
評価軸は
①球の高さ
②深さ
③相手の位置
④自分の体勢。
前進可否で型を即決します。
リターン頂点でスプリットステップ(※同時着地)→一歩目前へ。
ミスは高さ不足のネット直撃と、過剰弧で浅く浮く球。
迷ったら安全度の高い型でつなぎ、次球で整えます。
リフト/プッシュ・ドロップ
浅短リターンや低球に。
手首固定、手で先導し“そっと持ち上げる”。
打点は前足の外側、体の前で。
足幅は肩幅+半足、体重は6:4で前。
狙いは相手NVZ境界内30〜50cm、ネット高は+30cm目安。
失敗例:腕でこねる、上体が起きて擦り上げる。
3球連続で成功率を確認。
ドリル:
①サービスコート端にコーンを置き、5球連続で着弾
②成功したら歩数制限1歩で再挑戦
③最後に前進しながら同様に。
トップスピン・ドロップ
少し高く弾む返球で採用。
イースタングリップ(※標準)でパドルヘッドを球下へ沈め、上方向へブラッシング。
ネット上は+40cm通過→相手の足元に急降下。
体は前進しつつ胸の前でヒット。
失敗例:面が開いて浮く、平打ちで直線化。
ドリル:壁で“上擦り10回”、弧を一定に保つ練習を。
配球はクロス7割・ストレート3割。
弧は“ネット越え後に頂点が来る”を合図に。
フィニッシュは肩口で止め、前足で着地。
戻しは短く、次の一歩を最優先。
スライス・ドロップ
低球・伸ばされ局面の復旧用。
クローズドスタンスで肩を回し、面45度で下から“スッ”。
膝で前進力を作り、弾道は低く長く。
基本はクロスへ深め、相手のバック足元を狙います。
失敗例:面が立って浮遊→叩かれる。
ドリル:クロスにマーカー2枚(手前60cm/奥120cm)を置き、交互に的中させる。
握りは軽め(圧2/5)で衝撃を吸収。
前足→後足の順に着地して体の開きを抑え、面を安定させます。
ドリップ(ハイブリッド)
走り込むリターナーの足元を60〜70%速度で刺す“攻めのドロップ”。
準備は早く、テイクバック後に前へ通しつつ上擦りで沈めます。
狙いは相手の踏み込み直前、つま先側。
ペアは同時に前詰めし、甘ければシェイク&ベイク(※連携)へ。
ドリル:コーチ合図で左右へ打ち分け、前進まで一連で。
失敗例:力みで球速過多→浮いて反撃。
ネット上は+20〜30cmで速く落とす意識。
息を吐きながらミートすると力が抜け、沈みやすくなります。
シャベル・ドロップ
深い返球やブロック直後の足元球を“省エネで前進”させる型。
手首をヒンジして面を上向き、小さなバックスイングから肩主導で前へ持ち上げます。
着弾はNVZ内50cm目安。
バウンド後に浮きやすいので手元高めでリセット(※落ち着かせる)準備。
ドリル:1球目ドライブ→2球目シャベルで前進完了まで。
足運びは“押し出し一歩→小刻み二歩”で姿勢を低く維持。
失敗例:手首でこねて面ブレ、弾道不安定。
肩と前腕の一体感を意識すると球質が安定します。
まとめ
5型は目的=前進のための手段です。
高さ・深さ・位置・体勢の4軸で瞬時に選択し、狙い所(NVZ内30〜60cm、ネット上+30〜40cm)を固定化しましょう。
迷ったらリフト/プッシュで整え、チャンスはドリップで刺す。
毎回“前進できたか”で自己評価すると上達が早いです。





