体勢がグラグラなのに、つい一発逆転のウィナーを狙ってアウト……。
そんな「バカなショット」、心当たりありませんか?
この記事では、プロが実践している「オフバランスのときこそロブとリセットで時間を買う」という考え方を、ロブ※やリセット※の使い方と一緒にわかりやすく解説します。
※ロブ…高く深く上げて時間を稼ぐ山なりのショット
※リセットショット…強いボールをソフトにネット際へ落としてラリーを仕切り直すショット
バランスが崩れた瞬間こそ危ない「ヒーローショット」
ラリーで振り回されて、足も体もバラバラ。
それなのに「ここで決めたらカッコいい!」と強打したくなる瞬間ってありますよね。
でも実際は、そのタイミングこそ一番ミスが出やすい場面です。
プロはそこで無理にウィナーを狙いません。
まずは体勢とポジションを立て直すことを優先し、「このポイントをまだ終わらせない」選択をします。
ヒーローになるより、しぶとく生き残る方が結果的に強いのです。
オフバランスになると起きる「一か八かマインド」
体勢が崩れると、人って不思議と「打ち合いを終わらせたいスイッチ」が入ります。
「ここで決めるか、やられるかだ!」という一か八かマインドですね。
しかもたまにその無茶ショットが決まるから、クセになるのが厄介です。
でもトータルで見ると、失点の方が圧倒的に多いのが現実。
大事なのは「当たればラッキー」を卒業して、「今は守るターン」と頭を切り替えられるメンタルです。
ロブ※高く深く上げて時間を稼ぐショットの使いどころ
ロブ※は、ピンチから抜け出すための“非常口”みたいなショットです。
走らされて足がそろわない、上体も流れている——そんなときに、しっかり高く・深く上げるロブを選ぶと、自分が戻るための時間を稼げます。
「攻めたい気持ち」をぐっとこらえて、「まずはこのラリーを延命させる」意識を持つのがポイントです。
相手2人のうち動きが遅い方、スマッシュが苦手そうな方を見極めて、そこにロブを上げられると一気に形勢逆転も狙えます。
※ロブ…高く深く上げて、相手の頭上を越える山なりのショット
ディンクリセット※ネット際に落として流れを戻す
サイドに大きく振られて、ギリギリで届いたディンク※。
ここで強打するとアウトかチョロミスになりがちです。
そんなときに使いたいのがリセットショット※。
相手のスピードを殺して、キッチン※にふわっと落とし、ラリーのスピードと流れをいったん中立に戻します。
「とりあえず返す」のではなく、「ここで一回仕切り直す」と考えて打つのがコツです。
そこからセンターに戻り、体勢が整った状態で改めて攻めのチャンスを待ちましょう。
※ディンク…ネット際(ノンボレーゾーン)に落とすソフトなショット
※キッチン…ネット前のノンボレーゾーン
※リセットショット…相手の攻撃をいったん弱め、ラリーを仕切り直す意図で打つショット
うまい人ほど「待つけど受け身じゃない」戦い方を選ぶ
強いプレーヤーは、「ロブやリセット=逃げ」だとは思っていません。
むしろ「ここで流れを戻した」「今ので五分に持ち込んだ」とポジティブに捉えています。
ポイントは“待つけど受け身じゃない”スタンスです。
- チャンスが来るまでは欲張らない
- でも、来た瞬間には全力で取りにいく
この切り替えがうまい人ほど、長いラリーでも安定して勝ち切ります。
派手なウィナーよりも、「負けないショット」を積み重ねる感覚が大事です。
明日から使えるオフバランス時のチェックリスト
実戦で迷わないために、「体勢が崩れたときの判断ルール」を決めておくと楽です。
例えば:
- 足がそろっていない&後ろ向き → ロブを最優先
- サイドに振られて伸びきっている → ディンクでリセット
- どちらか迷ったら、「とりあえず強打」は禁止
さらに、ポイント前に「今日はバランス優先でいく」と心の中で宣言しておくと、つい感情で振ってしまう回数が減ります。
自分用のマイルールをメモしておくのもおすすめです。
まとめ
オフバランスでの“ヒーローショット”は、決まれば気持ちいいですが、長い目で見ると勝ちを遠ざける選択です。
ロブやリセットで時間とポジションを「買う」ことで、試合の流れをじわじわ自分側に引き寄せられます。
大事なのは、「守り=負け」ではなく「守り=次の一手への投資」と考えること。
明日のゲームから、まずは一つのラリーでいいので、バランスを優先した判断を試してみてください。
きっとプレーが少しラクになって、勝ち方も変わってくるはずです。





