プロの試合で増えている「ライン判定の揉めごと」を、具体例つきで整理します。
罰則強化とAI導入が進む一方、“年1追放投票”という珍案も登場。
笑えるけど、論点はわりとガチです。
いま何が起きてる?ライン判定が揉めやすい理由
プロのラリーは速くて、バウンドも伸びます。
だから「入った?出た?」が一瞬で判断しづらいです。
特に揉めやすいのは、ベースライン際の深いボール、サイドライン際の鋭い角度、相手の体の近くに落ちる“見えにくい着地点”。
ラインコール(※)が選手判断に寄りやすい場面があるほど、疑い・不満・空気の悪さが増えます。
※ラインコール:ボールがライン内か外かを判定すること。
フッキング(※)って何?ズルい判定のパターン
フッキング(※)は、ざっくり言うと「本当はアウト寄り(またはイン寄り)なのに、自分に有利に言い切る」行為です。
問題になるのは“グレー”じゃなく、繰り返しと露骨さ。
たとえば――
- 相手が明らかに止まってるのに、毎回だけ自分の都合で判定が強気
- 大事なポイントだけ判定が荒くなる
- 抗議されると逆ギレ気味で空気を壊す
みたいなやつです。観戦側も「またか…」となりやすいです。
※フッキング:意図的に誤った判定をして自分を得させる行為。
なぜ今ピリつく?賞金プレッシャーが火に油
ここがリアルな話で、プロは勝敗=収入に直結しがちです。
報酬が賞金寄りになるほど、「1ポイントの価値」が跳ね上がります。
すると、勝ちたい気持ちが強い選手ほど、判定の境界で攻めたくなる。
しかも試合は爆速。ミリ単位の世界で「目で見た自信」を盾にされると、反論しにくいです。
結果、選手同士の信頼が削れて、観客もモヤる流れができやすいんですよね。
運営の対策:罰金委員会(※)とAI判定の現実
運営側も手を打ち始めています。
罰金委員会(※)のように「行為を評価して処分を出す仕組み」を作ると、繰り返しの問題行動に“コスト”が発生します。
さらにAI判定は、既存カメラ映像を使ってライン判定やフットフォルト(※)の精度を上げる方向。
ただ、全会場で同じ品質にするのはコストも調整も大変で、導入のムラが出やすい。]
ここが今の“揉め期”ポイントです。
※罰金委員会:コート上の行為を審査し、罰金などの処分を判断する枠組み。
※フットフォルト:サーブ時などに規定ラインを踏む反則。
“年1追放投票”案の狙いと、怖い副作用
話題になったのが「年末に選手同士で投票して、最多票の“チーター”をツアー追放」案。
狙いはシンプルで、恥とリスクで抑止することです。
確かに「追放されるかも」と思えば、雑な判定は減るかもしれません。
でも副作用も強めで、
- 人気・派閥で票が動く
- 強い選手が“嫌われ票”を集める
- 本当に悪い人が票を割って逃げる
みたいな地獄もあり得ます。
ネタとしては最高、制度としては要設計です。
現実的な落としどころ:線審増員が効きにくいワケ
「線審を増やせば解決では?」と思いがちですが、置き場所・視線の角度・遮りがあって万能じゃないです。
結局、人間の目で“超高速+ミリ単位”を裁く限界は残ります。
現実的には次の合わせ技が効きます。
- AI/カメラで客観化(疑いを減らす)
- 罰則の基準を明確化(繰り返しは重く)
- 運用の統一(大会ごとのブレを減らす)
この3点セットが、地味だけど一番効くルートです。
まとめ
ライン判定の揉めごとは、競技が速くなるほど増えやすい“構造問題”です。
だからこそ、選手の善意だけに頼らず、AIで客観化しつつ罰則と運用を整える流れが本命になります。
“追放投票”は冗談に見えて、抑止の必要性を突いたアイデアでもあります。
今後は「どこまで統一された判定環境を作れるか」に注目です。





