ピックルボールは、テニスと卓球をミックスしたようなスポーツで、アメリカで急成長中です。
近年では日本でも注目が高まってきています。
そんなピックルボールの安全性と競技性を守るために、新たな基準が導入されることになりました。
USAピックルボールがASTMインターナショナルと協力して行う最新の取り組みをご紹介します。
USAピックルボールとASTMの協力って何?
ピックルボールの公式ルールや基準を定める団体、USAピックルボールは、新たにASTMインターナショナルと協力して、器具やコートの基準を策定しています。
ASTMインターナショナルとは、世界各国で使用される安全基準や規格を作成する機関です。
USAピックルボールがこの協力体制を組んだのは、ラケットやボールに対する明確な基準を設けるため。
近年、器具の技術が進化しすぎて、競技の質や安全性が変わりつつあると感じたからです。
この協力体制によって、業界の技術革新に柔軟に対応しつつ、安全性をしっかり確保した基準づくりが可能となります。
スポーツの健全な発展のためにも、基準作りは大切なステップです。
ラケットの「パワー」と「回転」に注目する理由
ピックルボールのコートは、幅約6m、長さ約13mと小さいため、ラケットから飛び出すボールのパワーや回転が強すぎると、競技の性質が変わってしまうリスクがあります。
USAピックルボールでは、ラケットのパワー(ボールに与える速度)と回転(スピン)が適切な範囲内に収まるよう、新しいテスト基準を開発しました。
ハイスピードカメラやセンサーを使って、ラケットがどれだけのパワーと回転を生み出せるかを測定し、適正値を設定します。
このテストにより、誰でもフェアに競技できる環境を守りつつ、選手の安全も確保しています。
新基準がピックルボールのプレイをどう変えるのか
新基準によって、ラケットのパワーや回転数に制限がかかるため、スピードやスピンが極端に強いプレイは少なくなります。
このことで、初心者から上級者までが安心してプレイできるバランスの取れた環境が実現します。
ピックルボールの本来の魅力は、繊細なボールさばきや正確なコントロールが求められる「テクニカルなプレイ」です。
新基準は、この楽しさや緊張感を保ちながら、スキルが反映されるプレイができるようにしています。
また、過剰なパワーや回転を防ぐことで、初心者でも入りやすい環境が整い、ピックルボールの楽しさを共有できるようになります。
ピックルボールメーカーとの協力体制
基準作りには、器具を提供するメーカーからの協力も欠かせません。
USAピックルボールは、メーカーと協力して基準作りを進めることで、製品開発を進化させつつも競技性が保たれる製品づくりを支援しています。
実は、メーカー側も「競技のバランスを保つために基準が必要」と感じていました。
ラケットのパワーやスピンが進化しすぎることで、競技のバランスが崩れるリスクがあったからです。
USAピックルボールと協力することで、メーカーも規格に沿った製品開発が可能になり、競技の質を保ちながらも新しい技術の導入が進んでいます。
競技の未来を守る「一貫した基準」の重要性
ピックルボールは急速に人気を集めており、ルールや基準が分裂してしまうリスクがあります。
分裂が進むと、地域や国ごとに基準が異なり、選手やメーカーにとっての不便が増える可能性があるからです。
USAピックルボールの新基準は、「すべてのプレイヤーが同じ基準で競技できる環境づくり」を目指しています。
特にラケットのパワーや回転の制限を設けることで、どこでプレイしても公平な競技が楽しめるようにすることが目的です。
競技が一貫した基準に基づいて発展することで、ピックルボールの未来がさらに明るくなることでしょう。
まとめ
ピックルボールは、新しい基準の導入によって「安全性」と「公平な競技性」を両立させ、初心者から上級者まで楽しめるスポーツへと進化を続けています。
USAピックルボールとASTMの協力による基準作りは、技術革新を促進しつつも、競技の本来の楽しさを守る重要な一歩です。
これからも多くの人がピックルボールの魅力を体験し、楽しんでいけるよう、さらなる基準整備が進んでいくことを期待しましょう。