トランジションゾーンで差がつく「2ポジション・リセット術」

コラム

ラリー中盤の“トランジションゾーン”で、生き残れる人と一気に崩れる人の違いはどこにあるのか。

ポイントは、ボールの来る位置に合わせて「パドルの向きを2パターン使い分ける」ことです。

今日からすぐ試せる実戦テクとして、具体的なコツと練習法までまとめていきます。

トランジションゾーンは勝敗の分かれ目

トランジションゾーン(※ベースラインとキッチンラインの中間ゾーン)は、守りから攻めに切り替わる“戦場”みたいな場所です。

ここで中途半端に立ち止まると、相手の強打をまともに食らいやすく、1球で崩されます。

逆に、このゾーンでボールを低くコントロールして相手の攻撃を一度リセットできると、自分たちが前に出て主導権を握りやすくなります。

「前に出る途中でどうしのぐか」が、ラリーの生存率を決めているイメージです。

リセットショットって意外とムズい

リセットショット(※相手の強いボールを、ゆるくコントロールしてラリーを整えるショット)は、見た目はふわっと優しいのに、実はめちゃくちゃ繊細です。

ボールの高さが10cm高いだけで、相手にスマッシュをプレゼントしてしまいます。

中級者がよくやるのは、どこから来たボールに対しても同じ角度・同じスイングで打ってしまうこと。

その結果、思ったより面が上を向き、ボールがポコっと浮いて「やっちゃった…」となるパターンが多いです。

脚の間に来たボールのパドル角度

自分の身体の正面、脚と脚の間に来たボールに対しては、オーソドックスな「先端を少し下向き」にしたパドル角度が有効です。

イメージとしては、パドルのトップを地面側に軽く倒して、面全体はわずかに前傾させる感じ。

ひじを体の前にキープし、コンパクトに前へ押し出すだけでも、自然とネットをかすめるような低い軌道が出ます。

ここで大事なのは、「振り抜かないこと」。

大きくスイングすると、面がぶれて高さが安定しません。

脚の外側に来たボールのパドル角度

脚の外側、つまりフォア側・バック側にずれたボールは、正面と同じ角度で打つとかなり危険です。

相手の強打を横で拾おうとするときは、パドルの面を地面に対して“ほぼ垂直”に立てるイメージを持ってください。

フォア側なら、手首をやや外側にひねって面をまっすぐ立て、ボールを「運ぶ」より「当てて止める」感覚で前に少し押します。

こうすると、ボールの勢いを利用しながらも、ネットを越えてすぐに落ちる低いリセットになりやすいです。

うまい人ほどやっている「状況対応力」

上級者を見ていると、フォームが毎回同じに見えるのに、よく見ると細かいところが微妙に違います。

ベースラインから打つときは重心を少し低くして、山なりのボールで安全に深く返したり、トランジションゾーンでは足をこまめに動かして、身体の正面にボールを呼び込もうとしたりします。

さらに、横からのボールにはパドル面を素早く“立てて”対応。

こうした「ボールの高さ・スピード・位置に応じた微調整」が積み重なって、安定感の差になっていきます。

2ポジションを身につける練習メニュー

具体的な練習としては、まずパートナーにサービスライン付近からボールを出してもらい、自分はトランジションゾーンに立ちます。  

①正面だけにボールを出してもらい、「先端下向きリセット」を10〜20球連続で。
狙いはネットの少し上を通して、相手の足元に落とすイメージです。  

②次に、左右どちらか一方の外側だけに出してもらい、「パドル垂直リセット」を同じく10〜20球。
ボールの勢いを利用して、面を固めて前に軽く押す感覚を覚えます。  

③慣れてきたら、正面と外側をランダムに混ぜてもらい、一瞬でどちらのポジションを使うか判断する練習にステップアップしましょう。

まとめ

トランジションゾーンで崩れないためには、「全部同じ打ち方」から卒業して、「正面」と「外側」でパドルの角度を切り替えることが大事になります。

正面は先端を下向き、外側はパドルを垂直に立てる――この2パターンを意識するだけで、リセットの成功率はかなり変わります。

次にプレーするときは、ボールが自分のどこに向かっているかをよく見て、2つのポジションを使い分ける感覚をぜひ体で覚えてみてください。

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