ニューイングランドでピックルボールが熱い!人気急上昇も室内コート不足が深刻なワケ

コラム

アメリカ北東部ニューイングランドでは、ピックルボールが熱狂的に盛り上がっています。

しかし、気候や高額な不動産コストがネックで、室内専用のピックルボール施設はまだ少ないのが現状です。

今回は、この地域でなぜ室内コート不足が続いているのか、その背景を探ります!

ニューイングランドの寒さと室内コート需要

ニューイングランド地方、特にマサチューセッツ州では、冬の寒さが厳しく、11月から3月の間は屋外でのスポーツが難しい状況です。

特にピックルボール(※テニスと卓球の要素を併せ持つラケットスポーツ)は、屋外でプレイできる期間が短いため、室内専用コートへの需要が非常に高まっています。

しかし、この地域には専用の室内施設がまだ少なく、多くのプレイヤーが屋外でのプレイが難しい冬季にプレイ場所を求めています。

寒冷な気候が室内コートの必要性を高めているものの、その需要に応える施設はまだ十分に整備されていないのが現実です。

高齢者にも人気!ピックルボールの魅力

ピックルボールは、その手軽さと社交的な要素で高齢者にも人気です。

マサチューセッツ州では55歳以上の人口が全体の22%を占めており、この世代が健康維持や仲間との交流を目的にピックルボールを始めています。

このスポーツはルールがシンプルで、あまり激しい動きをしなくても楽しめるため、体力に自信がない人でも挑戦しやすいのが特徴です。

また、家族で一緒に楽しむことができるため、若い世代から年配層まで幅広い年齢層に人気があります。

この「世代を超えた楽しさ」が、地域での広がりの一因となっています。

地域コミュニティが支えるクラブの成長と課題

ニューイングランドのピックルボールクラブは、地元のコミュニティによって支えられています。

例えば、人気クラブ「Pickles New England」では、メンバーが自分のクラブに誇りを持ち、口コミで友人や家族を誘うことで会員数が増加しているそうです。

新しい会員が増えることでクラブが拡大し、地域の中での存在感も大きくなっているのが現状です。

しかし、新しい施設の増設には高額なコストがかかるため、全てのクラブがこの成長を続けられるわけではありません。

コミュニティの支えがあるからこそ成り立っている一方で、将来的な運営にも工夫が求められています。

不動産コストの壁、専用施設の運営が難しい現実

ボストンを中心としたニューイングランド地方は、商業不動産のコストが非常に高い地域です。

特に、広いスペースと高い天井が必要なピックルボール専用の室内施設を建設するにはかなりの初期投資が必要です。

実際、YMCAやテニスクラブなどの多用途施設内にピックルボールコートを設置するケースが多く、完全なピックルボール専用施設はまだ少ないのが現実です。

このような背景から、ピックルボール愛好家たちは、やむを得ず既存の施設を利用する形でプレイしている状況です。

専用の施設を運営するためには、コストと採算性のバランスを取る必要があり、多くの課題が残されています。

気候による需要変動と施設の維持コスト

ニューイングランドの冬季は屋外でのプレイが難しいため、室内施設への需要が急増します。

しかし、夏季には屋外でのプレイも可能なため、施設の年間稼働率をどのように確保するかが重要です。

室内施設の運営には、冬の暖房費や夏の冷房費もかかるため、コスト面での工夫が欠かせません。

このように、気候に応じた需要の変動に合わせて施設を維持し、採算を取るための経営努力が必要となっています。

年間を通じて施設を維持するためには、経費削減や柔軟な料金設定などが求められます。

規制と許認可の壁、新規施設開設の課題

ニューイングランドで新しいピックルボール施設を開設するには、地域の厳しい規制をクリアしなければなりません。

建築基準や環境保護の要件に加え、地元自治体からの許可を得るために多くの手続きが必要です。

このような規制は、施設の新設をためらわせる一因となり、多くの投資家が他地域に目を向けてしまう要因にもなっています。

地域のニーズに応えるための施設が必要とされる一方で、法的なハードルが開設の足かせとなっているのが実情です。

まとめ

ニューイングランド地方では、ピックルボール人気が高まっているにもかかわらず、厳しい気候と高い不動産費用、地域規制が専用施設の拡充を難しくしています。

しかし、地域コミュニティの支えと今後の新しい運営モデルの工夫により、少しずつ改善の兆しが見えてきています。

今後の施設拡充に期待が高まる中、さらにピックルボールが地域に根付いていくことが期待されています。

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