ピックルボールで本気で強くなりたいなら、「優勝したい」「もっと上手くなりたい」だけでは足りません。
大事なのは、「週に何時間ドリルをするか」「どの曜日にフィジカルトレーニングを入れるか」まで具体的に決めた“仕組み”を作ることです。
この記事では、プロ選手の考え方をヒントに、スプレッドシートを使った練習管理や、仲間との共有方法まで、すぐ真似できるレベルで具体的に紹介します。
結果ゴールだけではうまくいかない理由
「今年中に大会で優勝する」「半年以内にオープンレベルで勝ち越す」。
こういう“結果ゴール”はモチベーションになりますが、今日なにをすればいいかまでは教えてくれません。
例えば、月に1回の大会を目標にしているとします。
試合当日以外の29日間は、「これで足りているのかな…」と不安だけがたまりがちです。
- 大会 → コントロールしづらい
- 練習量・内容 → 自分で決めて動ける
この切り分けができないと、調子が悪いときに「運が悪かった」「相手が強かった」で終わってしまいます。
大事なのは、「自分の1週間を説明できるかどうか」です。
システム目標ってなに?毎週のやることリスト
システム目標とは、「結果」ではなく「行動」をゴールにする考え方です。
例えば、こんな感じの“やることリスト”をスプレッドシートに作ります。
例:1週間のシステム目標(ダブルス中心の人)
- ドリル(※同じショットを集中的に打つ練習)
- 月水金:各80分 → 合計4時間
- テーマ:サードショットドロップ、ボレー、ブロックリターン - ゲーム形式
- 土日:1日2時間 → 合計4時間 - 体づくり
- 股関節・お尻まわりのトレ(スクワット・ランジ)を週3日
- 5分だけでもいいので、練習後にストレッチ
シートには「日付/メニュー/時間/メモ」などの列を作り、
やったら時間を入力、できなかった日は空白のままにします。
週末に見返すと、「今週はドリルが足りなかったな」「ゲームばかりで基礎が薄くなっているな」とすぐ分かるので、翌週の修正も簡単です。
準備が自信に変わる、メンタルへの効果
試合になると、ショットの技術だけでなくメンタルもかなり重要になります。
序盤でリードしていたのに、「このまま勝っていいのかな…」と妙に力んで逆転されるパターン、経験ありませんか?
システム目標が回り始めると、試合前の自分にこう言えます。
「今週はドリル7時間、ゲーム4時間、フィジカル3回。やると決めたことはほぼやった」
この“数字で見える自信”はかなり強力です。
- プレッシャーがかかった場面でも、「ここで打てるのは、あのドリルをやったからだ」と思える
- 負けたとしても、「来月までにドリルを+2時間に増やそう」と次のアクションに変えられる
メンタルの波を消すのではなく、「揺れても戻れる土台」を作るイメージです。
仲間と共有するスプレッドシートの力
一人だとどうしてもサボりやすい人におすすめなのが、「仲間と練習ログを共有する」スタイルです。
例:共有スプレッドシートの構成
- シート名:Pickleball Training Log
- タブA:自分/タブB:友だち1人目/タブC:友だち2人目…
- 各タブの列:
- 日付
- メニュー(ドリル・ゲーム・筋トレなど)
- 時間(分)
- 一言メモ(例:サードショットの精度が上がった/足が重かった など)
これを週に1回、練習後に「今週どうだった?」と一緒に振り返ります。
- 友だちがドリル6時間、自分が2時間しかやっていなければ、「来週はもう少しやるか」と自然に思える
- 「水曜は3人ともゼロだね。オンラインでできるフットワークメニューやろうか?」という発想も出てくる
“見られている感”があるだけで、継続力がかなり変わります。
結果目標はゴール、システムはルート
ここで、結果目標とシステム目標の役割を整理しておきます。
結果目標(例)
- 半年以内に市民大会ダブルスでベスト4
- 1年後までに上級クラスに上がる
システム目標(例)
- 週合計6時間以上コートに立つ
- そのうち最低3時間は“試合ではなくドリル”に使う
- 毎週日曜日に1週間の振り返りを5分だけ書く
おすすめは、ノートの最初のページに「結果目標」、2ページ目以降に「それを達成するためのシステム目標」を書く方法です。
結果目標は月1回見直す、システム目標は毎週見直す、というリズムにすると、夢物語で終わらず現実の行動レベルに落ちてきます。
今日から作れる自分だけの練習システム
最後に、「具体的にどう始めるか」のステップをまとめます。
ステップ1:結果目標を書き出す
1年後・半年後にどうなっていたいかを2〜3個だけ書きます(例:市民大会ベスト4)。
ステップ2:そこから逆算してシステム目標を決める
「そのために、1週間で最低限やるべきことは?」と自分に質問して、
ドリル時間・ゲーム時間・フィジカルを数字で決めます。
ステップ3:スプレッドシート or ノートを作る
難しく考えず、まずは「日付/メニュー/時間/ひとこと」の4列から始めてOKです。
ステップ4:週1回、5分だけ振り返る
- できたこと
- できなかったこと
- 来週変えること
この3つを書くだけで、システムが少しずつ洗練されていきます。
まとめ
ピックルボールで“本気で勝ちたい人”にとって、いちばん大事なのは「結果を追うこと」ではなく、「結果につながる行動を毎週どれだけ積み上げられたか」を見える化することです。
ドリル時間やフィジカル、ケガ予防まで含めたシステム目標を決めれば、メンタルも含めて土台が一気に安定します。
さらに、仲間と練習ログを共有すれば継続のハードルもグッと下がります。
今日からぜひ、自分だけの練習システムを作って、数字で“強くなっていく過程”を楽しんでみてください。





