時間配分より「上達の設計」が先:今日やることを決める
「ドリル3:試合7」みたいな比率探しは、ぶっちゃけ遠回りになりがちです。
上達が早い人は、先に“何を伸ばすか”を1つに絞るからです。
ドリルは体に「どう打つか」を覚えさせ、試合は脳に「いつ使うか」を教えます。
だから両方必要。
ただし、両方をダラダラやると伸びません。
具体的には、練習前にこれだけ決めます。
- 今日のテーマ:例「クロスへのディンクを浮かさない」
- 成功条件:例「ネット上10〜20cmを通す」
- 回数:例「5分で80本」
おすすめの“1テーマの選び方”
- 直近の負けパターンから選ぶ(例:速い球に押される/ディンクが浮く)
- ミスが多い1本を選ぶ(例:バックのディンク、3打目ドロップ)
- “点につながる”技を選ぶ(例:相手の弱点に打つコントロール)
初心者がいきなりドリルしない方がいい:2〜3か月の現実メニュー
始めたては、技術より先に「ゲームの文法」を知らないと上達しません。
立ち位置、点数、基本の狙いどころ、ペアとの動き…この土台は試合でしか身につきにくいです。
最初からドリルを詰めると、ルールが曖昧なままフォームだけ作って迷子になりやすいです。
初心者(0〜3か月)の具体メニュー例(週2〜3回想定)
- 60〜90分のゲーム中心
- その前後に“軽い確認”だけ(ドリルというより準備運動)
やるならこれだけでOK:
- サーブ10本(入れる練習)
- リターン10本(深く返す練習)
- ボレー10本(面を安定させる)
初心者が覚える優先順位(これだけで勝てるようになる)
- 立ち位置(前に詰めるタイミング)
- 深いリターン(相手を下げる)
- 無理に強打しない(ミスしない方が強い)
試合だけだと回数が足りない:新技を定着させる“回数の稼ぎ方”
試合中は「勝ちたい」「ペアに迷惑かけたくない」で頭がいっぱい。
新しいショットは、意外と1試合で10〜20回しか打てないことが普通です。
しかも、その10〜20回は緊張下なので、修正する余裕が少ない。
だから新技は、まずドリルで“安心して打てる回数”を作るのが早いです。
おすすめは、短時間で回数が稼げる“ミニドリル”。
5分で回数を稼ぐコツ
- 1テーマだけ(例:バックのディンク)
- 1コースだけ(例:相手のバック側へ)
- 1ルールだけ(例:ネットより高く上げない)
試合で新技を使うための工夫(超具体)
- “使う場面”を決め打ちする
- 例:相手が浅く返した時だけ両手バックを使う
- 1ゲームに2回だけ使う、と決める
- ミスしてもOKな場面(点差がある時)で試す
1日5分ドリルの具体例:両手バックハンドを最短で形にする
ここからは、例として「両手バックハンド(※バック側を両手で打つショット)」を題材に、今日からできる5分メニューを作ります。
5分ドリル(両手バックの基本)
目的:面を安定させて“ネットを越える低い球”を増やす
- 1分:素振り(形だけ)
- 左手(利き手じゃない側)が押す感覚
- 体の正面で当てる
- 2分:ゆっくりラリー(コート半面)
- 20本連続でミス0を目標
- 2分:少し速い球(同じ場所に出してもらう)
- 低くまっすぐ返すのを優先(強打しない)
よくある失敗と修正(※付きで補足)
- パドル面が開く(※上を向いて浮く)→当たる瞬間に手首を固める
- 体が横を向きすぎる→胸を少しネットに残す
- 力む→7割の力で“入れる”を優先
試合で使う“解禁ルール”
- まずは「浅い球が来た時だけ」使う
- 1ゲームに2回だけ試す
- 成功したら次の試合で3回に増やす
この段階を踏むと、試合でも崩れにくいです。
上達するドリルの2条件:意図とフィードバックの作り方
ドリルで伸びる人は、毎回この2つをセットにしてます。
① 意図(※目的を明確にすること)
テンプレ
- 今日は「〇〇」を
- 「△△」の条件で
- 「□□回」やる
例:
- 今日は「ディンク」を
- 「ネット上10〜20cm」を通す条件で
- 「5分で80本」やる
② フィードバック(※客観的な振り返り)
最短はスマホ動画です。難しく考えなくてOK。
- 横から10秒撮る
- “浮いてるか/低いか”だけ見る
- 次の5分で1つだけ直す
フィードバックがないと起きる事故
- 間違った形を“上達”だと勘違いして固まる
- 試合で通用しないのに練習だけ上手く見える
レベル別・週の練習メニュー:忙しい人でも回せる型
ここが一番ほしいところだと思うので、週単位で“そのまま使える形”を出します。
0〜3か月(まずは試合中心)
- 週2回:試合60〜90分
- その前:サーブ10/リターン10/ボレー10(合計10分以内)
3〜6か月(週1ドリルを入れる)
- 週1回:ドリル60分(テーマ2つまで)
- 週1〜2回:試合60〜90分
ドリル60分の中身例
- ディンク10分
- 3打目ドロップ10分(※ゆるく落とすショット)
- ボレー10分
- サーブ&リターン10分
- “弱点だけ”20分
6〜12か月(勝ちたい人向け)
- 週2回:ドリル60分
- 週2回:試合60〜120分
ポイント:ドリルで作った技を、試合で“使う場面”までセットで練習する
時間がない人(これで十分伸びる)
- 週2回プレーできるなら
- コートに早く行って15分だけ“隔離練”(※1テーマ集中)
- 例:ディンクだけ/リターンだけ
- 15分の型:
- 5分:形づくり
- 5分:少し速く
- 5分:試合を想定して1つ判断を入れる
まとめ
ドリルと試合の「比率」より、課題を1つに絞って、短く回数を稼ぎ、試合で使って検証するのが最短ルートです。
初心者はまず試合で土台を作り、慣れてきたら1日5分でもいいので“意図+フィードバック”付きのドリルを入れると伸び方が変わります。
今日の練習、まずはテーマを1つ決めて回していきましょう。





