ローナン・キャムロンは、APP Nextをきっかけにプロの舞台で存在感を高めている若手選手です。
家族の支え、海外大会での経験、仲間との出会いが、彼の成長を一気に加速させました。
ローナン・キャムロンの原点はザ・ビレッジズ
ローナン・キャムロンがピックルボールと出会ったのは、2018年に祖父母を訪ねた時でした。
場所は、フロリダ州中央部にある「ザ・ビレッジズ」です。ここは55歳以上の人が多く暮らす大型コミュニティで、ピックルボールが盛んな地域として知られています。
キャムロンは祖父母を訪ねる中で自然とピックルボールに触れ、その面白さに引き込まれていきました。
もともと子どもの頃からテニスなどのラケットスポーツを本格的にやっていたわけではありません。
それでも、実際にプレーするうちに「これは自分に向いているかもしれない」と感じたそうです。
この出会いが、後にプロ選手として歩み出す大きなきっかけになりました。
地元フロリダで本格的に競技へ
ピックルボールにハマったキャムロンは、その熱を地元のフォートマイヤーズへ持ち帰りました。
そこから継続的に練習を始め、地元の大会にも出場するようになります。
フォートマイヤーズ周辺には、フォートローダーデールやボカラトンなど、レベルの高い選手が集まるエリアがありました。
キャムロンにとっては、強い相手と日常的に練習できるかなり恵まれた環境だったと言えます。
2023年には、まだ高校生ながらAPP Tourの大会にも出場し始めます。
APP Tour(※アメリカの主要なプロピックルボール大会シリーズ)は、若手がプロの世界で実力を試す大きな舞台です。
そして19歳の時、APPヒューストンオープンの男子プロシングルスで銀メダルを獲得。
この結果によって、キャムロンは「若くて強い選手」としてプロシーンで名前を知られるようになりました。
APP Nextがプロへの道を広げた
2024年、キャムロンはAPP Nextに本格的に参加するようになります。
APP Next(※若手選手の育成を目的にしたAPPの競技プログラム)は、14歳以下の選手や、15歳から23歳までの有望選手が試合経験を積める場です。
このプログラムでは、試合に出るだけでなく、コーチングやメンタル面の学び、APP Tourにつながるランキングポイントも得られます。
つまり、若手選手にとっては「プロへの入口」のような存在です。
キャムロンにとって大きかったのは、2025年APP Next U.S.ナショナルチームに選ばれたことでした。
このチームは、23歳以下の注目選手13人で構成されており、選ばれるだけでもかなり大きな評価です。
さらに、NextイベントやAPP Tourイベントの出場費の一部がサポートされるようになりました。
大会に継続して出るにはエントリー費や遠征費がかかるため、若手選手にとって金銭面の支援はかなり重要です。
キャムロン自身も、家族の負担が軽くなったことを大きな転機として振り返っています。
イングリッシュオープンで世界に自信
2025年シーズンの大きなハイライトが、イングランドで開催されたイングリッシュオープンです。
この大会には世界40か国以上から2,300人を超える選手が参加し、国際大会らしい熱気に包まれました。
キャムロンはAPP Next U.S.ナショナルチームの一員として出場。
男子シングルスの決勝が始まったのは、現地時間の夜10時頃でした。
かなり遅い時間にもかかわらず、会場にはチームメイトや観客が残り、キャムロンを応援していました。
その中で、キャムロンは見事に金メダルを獲得します。
海外大会、慣れない環境、家族が近くにいない状況、大きな観客の前というプレッシャーを受けながら勝ち切ったことは、彼にとって大きな自信になりました。
本人も、この大会を「自分の中で大きな突破口だった」と振り返っています。
アメリカ国内だけでなく、海外でも戦えると実感できたことは、プロ選手としてのメンタルを一段引き上げる経験になりました。
APPメサオープンで初タイトル獲得
イングリッシュオープンで勢いをつけたキャムロンは、2025年11月のAPPメサオープンで自身初のAPP Tourタイトルを獲得します。
これは、プロとしてのキャリアにおいてかなり大きな一勝です。
しかも、大会前日は移動トラブルに巻き込まれ、ほとんど眠れない状態だったといいます。
普通ならコンディション面で不安が残る状況ですが、キャムロンはその中でも勝ち上がり、チャンピオンシップサンデー(※大会最終日に行われる決勝日)へ進みました。
決勝では2ゲームで勝利。
家族はイングリッシュオープンの時と同じ地元のバーで試合を見守っていました。
海外での勝利に続き、APP Tourでもタイトルをつかんだことで、キャムロンの自信はさらに大きくなります。
2026年に入ってからも、男子プロシングルスでトップシードとなり、3大会で3つの銀メダルを獲得しています。
その中には男子プロダブルスでの銀メダルも含まれており、本人が課題としているダブルスでも成長の兆しが見えています。
仲間と家族の支えが成長を後押し
キャムロンがAPP Nextで得たものは、試合経験やコーチングだけではありません。
同じ目標を持つ仲間との出会いも、彼にとって大きな財産になりました。
リチャード・リヴォルネーゼ、ジャック・マンロー、ザック・マルソー、ドレイク・パームなど、今ではAPPのトップレベルで活躍する若手選手たちとつながりを築きました。
彼らとは日常的に連絡を取り、プレーの相談やアドバイスをし合える関係になっています。
プロを目指す道は、実力だけでなく環境もかなり大切です。
強い相手と練習できること、悩みを相談できる仲間がいること、家族が応援してくれること。そのすべてが、キャムロンの成長を支えています。
特にキャムロンは家族とのつながりを大切にしている選手です。
海外大会やAPP Tourで結果を出すたびに、家族の応援が力になっていることが伝わってきます。
ひとりで戦っているように見えて、実は多くの人の支えを背負ってコートに立っている選手です。
まとめ
ローナン・キャムロンは、祖父母を訪ねた先でピックルボールに出会い、そこからプロの舞台へ駆け上がってきた若手選手です。
APP Nextでの経験、イングリッシュオープンでの金メダル、APPメサオープンでの初タイトルが、彼の自信と実績を大きく育てました。
仲間や家族の支えを力に変えながら成長している点も、キャムロンの大きな魅力です。
今後は得意のシングルスだけでなく、ダブルスでどこまで伸びるのかにも注目したい選手です。


