アンドレイ・ダエスクがMLPプレーオフで見せた戦いは、まさにリーグ史に残る内容でした。
格下と見られていたコロンバス・スライダーズを率い、上位シードを次々撃破。
特に男子ダブルスでの無敗記録や、女子世界1位ウォーターズを抑えた勝負強さは圧巻でした。
その激闘を振り返ります。
コロンバスが下剋上で決勝へ
第5シードでプレーオフに臨んだコロンバス・スライダーズ。
レギュラーシーズンは20勝9敗と悪くはない成績でしたが、上位2チームのダラスやセントルイスには力で劣ると見られていました。
ところが、初戦でダラスを接戦の末に撃破すると勢いに乗ります。
準決勝では第1シードのセントルイスをストレートで粉砕。
決勝ではニュージャージー・ファイブズを破り、信じられない下剋上劇を完成させました。
ダエスクの男子ダブルス無双
ダエスクとCJクリンガーの男子ペアは、プレーオフで8戦全勝という驚異の記録を達成しました。
特に準々決勝のダラス戦では、強豪JWジョンソン/オーギー・ゲ組を3-0で圧倒(11-4, 11-7, 11-4)。
シーズン中は16勝8敗と平凡な数字でしたが、プレーオフでは見違えるような安定感を発揮しました。
女子ペアが苦しい戦いを強いられる場面でも、彼らが確実に勝利を重ね、チームを試合に踏みとどまらせる存在となりました。
ミックスダブルスでの大金星
ダエスク/パリス・トッド組は、ダラス戦で今季最強のジョンソン兄妹に挑みました。
兄妹ペアはレギュラーシーズンで27勝2敗と無類の強さを誇っていましたが、試合は接戦に。
第1ゲームを11-9で取り、第2も11-2と圧勝。第3を落とすも、チームはその後のドリームブレーカー(※団体戦のシングルス総当たり戦)で21-14の勝利を収めました。
特にシングルスでダエスクがJWジョンソン相手に21-14と上回ったことが、勝敗を大きく分けました。
準決勝で最強ペアを撃破
準決勝では、リーグ最強と呼ばれたパトリキン/タルディオ組(シーズン29勝2敗)に挑戦。
結果はまさかのストレート勝利(11-8, 11-2)。
特に第2ゲームは相手をほとんど寄せつけず、攻守ともに圧倒しました。
ミックスダブルスでは一度敗れる場面もありましたが、別ペアが勝利を挙げて食らいつきます。
そしてドリームブレーカーでは、ダエスクがタルディオに7-3で勝利し、完全に試合を決定づけました。
決勝で世界1位ウォーターズ封じ
決勝の相手は、女子世界No.1のアナ・リー・ウォーターズを擁するニュージャージー・ファイブズ。
彼女の2勝をベースに勝ち筋を作るチームでしたが、ダエスク/トッド組がその目論見を崩壊させました。
ウォーターズ/ハウエルズ組に3-0で完勝(11-2, 11-8, 11-6)。
男子ダブルスでも同じくストレート勝ちを収め、圧倒的な形で優勝を引き寄せました。
勝負所でウォーターズを封じた意味は非常に大きく、チームにとって歴史的瞬間となりました。
データが示すダエスクの凄さ
統計面でもダエスクは別次元でした。「Player Impact+」では全選手トップの2.5を記録。
さらに“スピードアップ”(※ラリーの途中で速い球を仕掛ける攻撃)で平均+3.4ポイントのアドバンテージを生み出しました。
これは他選手の約2倍にあたる数字です。
観客の目にも「ここぞ」で仕掛ける強さは明らかで、チームが劣勢に立つたびに彼のプレーが流れを変えていました。
まさに数字と内容の両面で、圧倒的存在感を放った大会でした。
まとめ
アンドレイ・ダエスクは、格下扱いされたチームを優勝に導き、プレーオフ全体を支配しました。
男子ダブルス無敗、世界1位のウォーターズ撃破、そしてデータに裏付けられた勝負強さ。
すべてが「ファイナルMVP級」と言える内容でした。
今回の快進撃は、MLPの歴史に長く語り継がれることでしょう。
次のシーズン、彼がどんな伝説をつくるのか注目です。