ピックルボールは、難しいショットを新しく覚えなくても、打つ方向や立ち位置を少し工夫するだけでプレーが安定します。
今回は、初心者・中級者が試合ですぐ使いやすい5つのポイントを、具体的な場面やミスしやすいポイントとあわせて紹介します。
クロスコートのドロップでミスを減らそう
サードショットドロップ(※サーブ側が3球目に、相手のノンボレーゾーン付近へ柔らかく落とすショット)は、相手がネット付近を取っているときに使いたい重要なショットです。
たとえば自分たちがサーブ側で、相手がリターン後にノンボレーゾーンライン付近まで前進してきた場面。
ここで強く打ち込んでも、相手にボレーで返されてしまうことがあります。
そこで相手の足元へ柔らかく落とし、自分たちが前へ進む時間を作るのがサードショットドロップです。
ただし、初心者にとっては難しいショットでもあります。
ボールが高く浮けば相手にスマッシュされ、弱すぎればネット。
さらに「絶対に短く落とそう」と意識しすぎると、腕の動きが小さくなり、ネットミスが増えることもあります。
そこで使いやすいのがクロスコートへのドロップです。
クロス方向に打つと、ネット中央の低い部分を通しやすくなります。
また、ストレートよりもボールが飛ぶ距離が長くなるため、相手の足元へ落とせるスペースにも余裕が生まれます。
意識したいポイントは次の3つです。
- ネットぎりぎりではなく、十分な高さを確保する
- 相手の足元、特にバックハンド側を狙う
- 打った後はボールを見ながら少しずつ前進する
大切なのは「一発で完璧なドロップを決める」ことではありません。
相手に強打されないボールを送り、その間に自分たちがネットへ近づければ十分です。
最初はクロスコートを大きく使い、安定してネットを越える高さを覚えていきましょう。
ディンクもクロスコートをうまく使おう
ディンク(※ノンボレーゾーン付近から、相手のノンボレーゾーン内へ柔らかく落とすショット)は、ピックルボールならではの駆け引きを楽しめるプレーです。
お互いがネット付近にいるとき、強打できない低いボールを送り合いながら、相手が浮かせるのを待ちます。
このディンクでも、クロスコートはかなり有効です。
たとえば右側にいる自分から、斜め向かいの相手へクロスでディンクを打つと、ストレートよりも長い距離を使えます。
そのため、少し高めの軌道でもボールを相手コート内へ収めやすくなります。
さらに相手を横方向へ動かせるのもポイントです。
相手が中央に立っているなら外側へ、外側に寄ったら中央方向へ。
左右に揺さぶることで相手のバランスが崩れ、次のボールが浮いてくる可能性が高まります。
ただし、初心者がやりがちなミスが「角度をつけすぎること」です。
クロスを意識しすぎてサイドラインぎりぎりを狙うと、アウトが増えます。
また、極端に外へ追い出すと、ATP(※Around The Post。ネットポストの外側から相手コートへ返球するショット)を狙われることもあります。
まずは、
- ネット中央付近を通す
- 相手の足元へ落とす
- サイドラインより少し内側を狙う
この3点を意識しましょう。
上級者になると、ストレートへのディンクとクロスへのディンクを使い分け、相手の動きを読ませないことも重要になります。
まずはクロスを基本にして、余裕が出てきたらコースを変えてみるのがおすすめです。
高いボールは相手ではなく地面を狙おう
ラリー中に相手のボールが高く浮いてきたら、それは大きな攻撃チャンスです。
ところが初心者や中級者では、「チャンスだ!」と思った瞬間に力いっぱい振ってしまい、ネットにかけたりアウトしたりするケースがよくあります。
また、相手の胸やお腹を狙って強打する人も多いですが、相手がパドルを体の前に構えていると、意外と簡単にブロックされてしまいます。
そこで覚えておきたいのが、人ではなく地面を狙うという考え方です。
高い位置でボールを打てる場合は、パドルを上から下へ動かして、相手コートへ沈む軌道を作ります。
たとえばノンボレーゾーン付近で相手のディンクが浮いてきたら、相手の胸へ一直線に打つのではなく、足元の少し前へ向けて打ち下ろします。
すると、ボールは相手の近くでバウンドしやすくなり、返球するにはパドルを低い位置まで下げなければなりません。
強いボールを低い位置で処理するのは難しく、相手からするとかなり守りづらい状況になります。
ポイントは、
- 高い打点でとらえる
- フルスイングしすぎない
- ネットを越えた後に下へ落ちる軌道を作る
- 相手の足元やコート中央を狙う
ことです。
特にダブルスでは、2人の間に打ち下ろすのも有効です。「どちらが取るのか」が一瞬曖昧になり、ミスを誘えることがあります。
強く打つことよりも、「相手が返しづらい場所へ下向きに打つ」。この考え方を持つだけで、チャンスボールの決定率はかなり変わってきます。
リターンはベースラインの少し後ろから
サーブリターンでミスが多い場合、フォームを変える前に立ち位置をチェックしてみましょう。
初心者によくあるのが、ベースラインのすぐ後ろでサーブを待つ形です。
この位置だと、深くて速いサーブが来たときに体へ食い込まれやすくなります。
特にバックハンド側へ深く打たれると、十分に準備できないままボールを打つことになり、ミスにつながります。
そこでおすすめなのが、ベースラインから60〜90cmほど後ろに立つことです。
少し後ろに下がるだけで、サーブが届くまでの時間が増えます。
ほんの一瞬の差ですが、
- サーブの方向を見る
- 足を動かす
- 打点を作る
- 狙った方向へ返す
という準備がしやすくなります。
リターンでは、強いボールを打つことよりも、まず深く返すことが重要です。
相手コートのベースライン付近へ返せれば、相手は後方から3球目を打つことになり、自分たちはノンボレーゾーン付近へ前進する時間を作れます。
ただし、ずっと後ろにいればいいわけではありません。
短いサーブが来た場合は前へ動く必要があるため、かかとに体重を乗せて立つのではなく、すぐ前後へ動ける姿勢を作っておきましょう。
リターン後もその場で止まらず、ボールを打ったらネット方向へ前進します。
この「リターン→前進」までをセットで覚えると、ダブルスの展開がかなり楽になります。
サーブは立ち位置で打ちやすい角度を作ろう
サーブを狙った場所へ打てないとき、「パドルの向きが悪い」と考えがちですが、実は自分の立ち位置もかなり重要です。
打ちたい方向に対して自然な角度を作れる位置からサーブすると、無理に腕を操作しなくてもコースを狙いやすくなります。
たとえば左側からサーブする場合。
右利きの相手のバックハンド側へワイドに打ちたいなら、ベースラインの外側寄りから打つと角度を作りやすくなります。
逆に右側からサーブするときは、中央寄りから打つことで「T」(※センターライン付近)を狙いやすくなります。
サーブでは、速さだけを追求する必要はありません。
初心者・中級者なら、
- 相手のバックハンドを狙う
- 深く入れる
- 相手をコート外側へ動かす
- 同じコースだけでなく時々中央も使う
といった考え方のほうが試合では役立ちます。
たとえば3本続けてワイドへサーブした後、4本目だけセンターへ入れると、相手の予測を外せることがあります。
逆に毎回同じ場所から同じコースへ打っていると、相手は徐々に慣れてきます。
立ち位置はあくまで「そのコースを打ちやすくするためのヒント」です。
外側に立ったから必ずワイドへ打たなければならないわけではありません。
慣れてきたら、同じ立ち位置からワイド、中央、ボディ付近と打ち分けてみましょう。
サーブが単なるゲーム開始のショットではなく、相手を動かすための戦術に変わってきます。
まとめ|難しい技術より「ちょっとした工夫」が効く
ピックルボールでは、新しい必殺ショットを覚えなくても、クロスコートを使う、少し後ろに立つ、ボールを地面へ打ち下ろすといった小さな工夫でプレーはかなり変わります。
特に初心者・中級者は、強いショットを増やすことよりも「ミスしにくい選択」を増やすことが上達への近道です。
まずは次のゲームで5つ全部を試そうとせず、「今日はクロスのドロップ」「今日はリターンの立ち位置」のように1つずつ意識してみましょう。
プレーに余裕が生まれてくると、ショットの選択肢も自然と増えていきます。
小さな改善を積み重ねながら、ラリーや駆け引きをもっと楽しんでいきましょう。


