世界トップ選手4人が繰り広げた、ピックルボール史上最高クラスのラリーを分析します。
実際のプレーの流れを追いながら、守備の構え方や立ち位置、攻撃の組み立てなど、試合ですぐに試せる5つのポイントを紹介します。
10対10から始まった世界トップ選手のラリー
注目のラリーが生まれたのは、MLP(※メジャーリーグ・ピックルボール)の混合ダブルスです。
スコアは10対10。あと一歩で勝敗が動く、かなりプレッシャーのかかる場面でした。
対戦したのは、ニュージャージー・ファイブズのアナ・リー・ウォーターズ/ノエ・クリフ組と、ロサンゼルス・マッドドロップスのジェイド・カワモト/ベン・ジョンズ組です。
4人とも世界トップクラスの選手で、強く打ち込まれても簡単には決まりません。
攻撃側が何度もコースを変え、守備側もパドル面を合わせて返球。
攻守が入れ替わりながらラリーが続く、技術と判断力が詰まったポイントになりました。
- 種目:混合ダブルス
- スコア:10対10
- ニュージャージー対ロサンゼルス
- 速い攻撃と粘り強い守備が続く展開
- 立ち位置がラリー中に何度も変化
前後にずれたフォーメーションで守備を立て直す
ダブルスでは、2人が横に並んでキッチンラインを取るのが基本です。
キッチンライン(※ネットから約2.13メートル以内にある、ノンボレーゾーンの境界線)に近づけば、相手のボールを高い位置で触りやすく、攻撃のチャンスが増えます。
ただし、片方が強いボールを受けて後ろへ下がったとき、もう片方まで一緒に下がる必要はありません。
前の選手がネット付近で相手にプレッシャーをかけ、後ろの選手が深いボールや頭上を抜かれたボールをカバーする方法もあります。
この前後にずれた形が、スタッガードフォーメーション(※ペアが同じ位置に並ばず、前後に分かれて守る陣形)です。
前の選手は無理に決めようとせず、後ろの選手が戻る時間をつくる意識を持ちましょう。
- 前の選手:高いボールや中央をカバーする
- 後ろの選手:強打を返して守備を立て直す
- 2人の間:中央を抜かれないよう声をかける
- 守備が整ったら再び横並びを目指す
パドルを体の前に置いて速いボールを返す
速いボールを受けると、腕を大きく引いて強く打ち返したくなります。
しかし、相手との距離が近いキッチン付近では、振り始めが遅れるだけでボールに間に合いません。
トップ選手はパドルを胸の前に構え、肘を軽く曲げた状態で待ちます。
ボールが来たら大きく振らず、パドル面を進行方向へ向けて短く当てます。
相手のボールに十分なスピードがあるため、自分から強い力を加えなくても返球できます。
特に胸や肩を狙われたときは、体の前で小さく処理することがポイントです。
守備中は決定打を狙わず、まず低く返すことを優先します。
返球が浮かなければ、相手は次の攻撃を続けにくくなります。
- パドルを胸の前に準備する
- グリップを必要以上に強く握らない
- ボールの正面へパドル面を移動する
- 大きく振らず、短い動きで当てる
- ネットより低い位置へ返球する
攻撃を受けたらキッチンラインから下がる
キッチンラインは有利な場所ですが、強いボールを連続して打たれているときに、その場へ残り続けるのは危険です。
返球する時間が足りず、体を狙われたり、足元へ沈められたりする可能性が高くなります。
今回のラリーでは、アナ・リー・ウォーターズが攻撃を受けながら、コート後方へ大きく移動しました。
相手との距離を広げることで、ボールを見る時間とパドルを合わせる余裕をつくったのです。
下がるときは、体を完全に後ろへ向けず、相手を見ながら細かいステップで移動します。
返球と同時に一歩ずつ下がれば、バランスを崩しにくくなります。
守備が安定したら、低いボールを返しながら再び前へ進みましょう。
- 強打が続いたら一歩下がる
- 相手に正面を向けたまま移動する
- 足を交差させず細かく下がる
- 返球が浮かないことを優先する
- 時間ができたら少しずつ前へ戻る
フォアハンドへの攻撃から足元を狙う
ポイントを決めるときは、最初からライン際を狙う必要はありません。
今回のラリーでは、まず相手のフォアハンド側へボールを送り、反応させるところから攻撃が始まっています。
フォアハンド側への速いボールを返させると、相手のパドルが体の外側へ動きます。
次の返球が少し浮けば、攻撃側はさらに前へ入りやすくなります。
そこで空いたコースや相手の足元へボールを送ると、低い位置で処理させられます。
足元のボールは、パドルを下げながら返さなければならないため、強く打ち返すのが難しいショットです。
「強打で一発」を狙うより、相手を横へ動かし、浮いた返球を待ち、最後に足元へ沈める流れを意識しましょう。
- 相手のフォアハンド側へ速いボールを送る
- パドルを体の外側へ動かさせる
- 浮いた返球を前で捉える
- 相手の足元や体の近くへ打つ
- 弱い返球が来たら次のボールで決める
ラリーの結果を次のポイントへ引きずらない
世界トップクラスの4選手が高い技術を見せても、ラリーはどこかで終わります。
何本も厳しいボールを返したあとに失点することもあれば、自分のショットがネットやアウトになることもあります。
ここで「せっかく粘ったのに」「あのボールを決めたかった」と考え続けると、次のポイントの準備が遅れてしまいます。
ラリーが終わったら、まず息をゆっくり吐き、パートナーと短く声をかけ合いましょう。
その後、「次は足元へ返す」「少し後ろで構える」など、修正点を一つだけ決めます。
反省を長く続けるのではなく、次に行うプレーを具体的にすることが大切です。
- ラリー終了後に深く息を吐く
- パートナーと短く声をかけ合う
- 良かった点を一つ確認する
- 次の修正点を一つだけ決める
- サーブやリターンの準備へ切り替える
まとめ
世界トップ選手のラリーには、前後にずれた陣形やコンパクトな守備、後方へ下がる判断など、試合で使えるヒントが詰まっています。
攻撃では一発で決めようとせず、相手を動かして返球を浮かせ、最後に足元を狙う流れが効果的です。
失点しても結果を引きずらず、次に行うプレーを一つだけ決めましょう。
今回の5つのポイントを意識すると、速いラリーでも慌てずに対応しやすくなります。


