2026年7月22日から26日まで、マレーシア・ペナンでAPPアジアツアー第2戦が開催されます。
クアン・ズオンのアジアツアー初参戦や、絶好調のルース・ファン・リーク、前回王者が結成する新ペアなど、各種目の見どころを詳しく紹介します。
APPアジアツアー第2戦がペナンで開催
2026年のAPPアジアツアー第2戦「Leapmotor APPアジア・ペナンオープン」が、7月22日から26日までの5日間、マレーシア・ペナンで開催されます。
会場は、ガーニー・ドライブ沿いにある「Pickle By The Sea @ Gurney Drive」です。
海沿いのエリアに位置するピックルボール施設を舞台に、男子・女子のシングルス、男子・女子のダブルス、混合ダブルスが行われます。
APPアジアツアー(※APP所属のプロ選手とアジア各国・地域の有力選手が競う大会シリーズ)は、2026年2月のクアラルンプール大会でスタートしました。
ペナン大会は全7大会で構成される初年度ツアーの第2戦にあたります。
今大会では、APPアジアツアーの年間順位に関わるランキングポイントも与えられます。
選手にとっては、1大会のメダルだけでなく、シーズンを通した評価を高めるうえでも重要な一戦です。
2月の大会で表彰台に立った選手に加え、直近の大会で優勝した好調な選手、新しいパートナーと組む前回王者も出場します。
国際経験の豊富なAPPプロと、アジアで成長を続ける選手が同じ組み合わせに入るため、序盤から実力者同士の対戦が生まれる可能性もあります。
- 開催期間:2026年7月22日から26日
- 開催地:マレーシア・ペナン
- 会場:Pickle By The Sea @ Gurney Drive
- ツアー位置付け:APPアジアツアー第2戦
- 実施カテゴリー:男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルス
- 主な注目点:ランキングポイント、前回メダリスト、新ペア
男子シングルスはクアン・ズオンが初参戦
男子シングルスで最も大きな注目を集めるのが、APP所属プロのクアン・ズオンです。
今回のペナン大会でAPPアジアツアー初出場を果たします。
ズオンは、プロピックルボール界でも高い評価を受けている若手選手です。
大きな特徴は、コートの後方からネット前まで一気に移動できる爆発的なスピードと、守勢からでも強いショットを打ち込める攻撃力にあります。
相手のボールが少しでも浅くなれば、フォアハンドのドライブ(※強い回転とスピードを加えて前方へ打ち込むショット)で主導権を奪います。
難しい体勢からでも思い切ってコースを狙うため、相手にとっては次のショットを予測しにくい選手です。
一方で、ズオンに立ちはだかる有力選手がジャック・フォスターです。
フォスターは、派手なショットだけに頼らず、サーブ、リターン、ラリーの組み立てを安定して行えるオールラウンド型。
ミスを抑えながら相手の焦りを誘い、試合の流れを少しずつ自分へ引き寄せます。
開催国マレーシアからは、アイマン・ハムダンが出場します。
男子シングルスのマレーシア勢では最も高いシード順位を与えられており、地元選手の中心的存在です。
シード(※実績や評価をもとに決められる、組み合わせ上の優先順位)が高い選手は、優勝候補との対戦を大会序盤で避けやすくなります。
ただし今回は国際的な有力選手が多く、勝ち進むには安定したリターンと長いラリーを耐える体力が欠かせません。
男子シングルスでは、ズオンの攻撃力、フォスターの安定感、ハムダンの地元での勢いという異なる強みがぶつかります。
速さだけで押し切るのか、ミスを減らして我慢するのか。選手ごとの戦い方の違いがはっきり見えるカテゴリーです。
- クアン・ズオン:APPアジアツアー初出場
- ジャック・フォスター:安定感に優れた優勝候補
- アイマン・ハムダン:マレーシア勢の最上位シード
- 勝負のポイント:リターンの深さ、左右への展開、長いラリーでの判断力
女子シングルスは好調のファン・リークに注目
女子シングルスの優勝候補として注目されるのが、オランダのルース・ファン・リークです。
直近の大会で3種目を制しており、出場選手の中でも特に勢いがあります。
ファン・リークは、2026年2月のAPPアジア・クアラルンプールオープンで、女子ダブルスと混合ダブルスの銅メダルを獲得しました。
APPアジアツアー初出場で2種目の表彰台に立ち、シングルス以外でも高い対応力を示しています。
その後、ベトナムで行われた「D-Joy Pickleball Tour Leg 2」では、女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルスのすべてで優勝。
トリプルクラウン(※同じ大会で3カテゴリーを制すること)を達成しました。
ファン・リークは、キッチン付近で相手の浮いたボールを逃さず攻める積極性が魅力です。
キッチン(※ネットから両側約2.13メートルに設けられたノンボレーゾーンの通称)で素早く反応し、短いボレーの打ち合いでも先に攻撃へ切り替えます。
シングルスではダブルスより広い範囲を1人で守る必要がありますが、直近の大会でシングルスも制しているため、体力とコートカバーの両面で好調さがうかがえます。
対抗するのが、台湾のペイチュアン・カオです。カオは一発の強打だけでポイントを狙うのではなく、相手を左右へ動かしながら空いたコースを作る戦術的なプレーを得意としています。
深いリターンで相手を後方へ押し込み、次のボールを逆方向へ運ぶなど、複数のショットを使ってポイントを組み立てます。ラリーが長くなっても簡単には崩れないため、攻撃を急ぐ選手にとっては嫌な相手です。
クロアチアのドメニカ・ターコビッチも、表彰台争いに加わります。
2月のクアラルンプール大会では女子シングルス銅メダルを獲得しており、APPアジアツアーで結果を残した経験があります。
ペナンでは、好調なファン・リークが勢いのまま押し切るのか、カオが戦術で流れを変えるのか、ターコビッチが前回の銅メダルを上回るのかが注目ポイントです。
- ルース・ファン・リーク:直近の大会でトリプルクラウン
- ペイチュアン・カオ:ラリーを組み立てる戦術型
- ドメニカ・ターコビッチ:前回大会の女子シングルス銅メダリスト
- 勝負のポイント:左右への動かし合い、ネット前への詰め方、長期戦での体力
男子・女子ダブルスは新しいペアが続々登場
男子ダブルスでは、前回大会の王者ジャック・マンローが、異なるパートナーとタイトル防衛に挑みます。
マンローは2月のAPPアジア・クアラルンプールオープンで、リチャード・リヴォルネーゼ・ジュニアと組んで優勝しました。
ペナン大会では、若手プロのエイダン・シェンクと新しいペアを結成します。
シェンクは、2025年のZimmer Biomet APPニューヨークシティオープンで金メダルを獲得した実績を持つ選手です。
素早いフットワーク、身体能力の高さ、ネット前で先に仕掛ける攻撃的なプレーを得意としています。
マンローは、相手とパートナーの位置を見ながら試合のテンポを調整する能力に優れています。
シェンクが積極的に攻め、マンローが後方や中央をカバーできれば、攻撃と安定感を両立したペアになりそうです。
クアン・ズオンとハーシュ・メータも有力な優勝候補です。
2人は直近の「D-Joy Pickleball Tour Leg 2」で男子ダブルスを制しており、すでにペアとして結果を残しています。
両選手ともボレーの反応が速く、キッチン付近でボールが浮けばすぐに強打へ切り替えます。
コート後方からでも強いドライブを打てるため、守備的な位置から一気に攻撃へ移れるのが強みです。
サントシュ・ナラヤナンとマックス・マントゥも、上位進出を狙えるペアとして挙げられています。
男子ダブルスは優勝経験者や好調なペアが複数そろっており、序盤から接戦が続く可能性があります。
女子ダブルスでは、ビビアン・グロズマンとルース・ファン・リークが勢いのあるペアです。
2人はベトナムで開催された直近の大会で女子ダブルス優勝を果たしました。
グロズマンはコート全体で安定したプレーができ、無理に決めにいかず、相手から攻撃しにくい低いボールを返します。
ファン・リークはキッチン周辺で積極的に攻撃を仕掛けるため、役割がはっきりした組み合わせです。
前回のクアラルンプール大会で優勝したメーガン・ファッジも出場します。
前回はソフィア・セウィングと金メダルを獲得しましたが、今回はアンバー・ポリケアと新たなペアを組みます。
アリソン・ハリスとアマンダ・ヘンドリーも、バランスの良いプレーとチームワークを武器に表彰台を狙います。
ダブルスでは個人のショット力だけでなく、中央のボールをどちらが打つのか、ロブを打たれた際にどちらが下がるのかなど、瞬間的な役割分担が必要です。
実績のある選手同士でも、新ペアでは声掛けや立ち位置にズレが出ることがあります。
- 男子注目ペア:ジャック・マンロー/エイダン・シェンク
- 男子注目ペア:クアン・ズオン/ハーシュ・メータ
- 男子注目ペア:サントシュ・ナラヤナン/マックス・マントゥ
- 女子注目ペア:ビビアン・グロズマン/ルース・ファン・リーク
- 女子前回王者:メーガン・ファッジはアンバー・ポリケアと出場
- 勝負のポイント:中央の処理、前後の連係、キッチンでの攻撃判断
混合ダブルスはメダリスト同士の新ペアが激突
混合ダブルスは、過去にメダルを獲得した選手が異なるパートナーと組むため、今大会で最も優勝予想が難しいカテゴリーです。
ジャック・マンローとルース・ファン・リークは、2月のクアラルンプール大会で銅メダルを獲得しました。
すでにAPPアジアツアーで一緒に戦った経験があるため、新ペアが多い今大会では連係面で一歩リードしています。
マンローは試合の流れを読みながら攻撃のタイミングを調整でき、ファン・リークはネット前で素早く攻撃へ切り替えます。
マンローがラリーを整え、ファン・リークが浮いたボールを仕留める展開を作れれば、金メダル争いの中心になりそうです。
前回大会の混合ダブルス王者メーガン・ファッジは、今回はエイダン・シェンクと組みます。
2月はリチャード・リヴォルネーゼ・ジュニアとのペアで優勝しましたが、ペナンでは若手選手との新しい組み合わせに挑戦します。
ファッジはダブルスでの経験が豊富で、相手の攻撃を無理に打ち返さず、リセット(※速いボールの勢いを抑え、低く柔らかく返して守備を立て直すショット)を使ってラリーを落ち着かせることができます。
そこにシェンクのスピードと積極性が加わるため、守備から攻撃へ切り替えるタイミングがかみ合うかが重要です。
シェンクが早く攻めすぎるとペアの陣形が崩れる可能性もあり、ファッジがどのように試合をコントロールするかに注目です。
クアン・ズオンとアマンダ・ヘンドリーも優勝候補です。2人は2025年のD-Joyベトナムマスターズで銀メダルを獲得しました。
当時の決勝では、ジャック・マンローとメーガン・ファッジに接戦の末に敗れています。
ペナンでは、かつて決勝で対戦した選手たちが別々のペアで登場するため、再戦が実現すれば非常に興味深い組み合わせです。
混合ダブルス(※男性選手と女性選手が1人ずつペアを組む種目)では、男子選手が広い範囲をカバーする場面もありますが、単純に片方の選手が多く打てばよいわけではありません。
相手の狙いを読んで2人の間隔を保ち、どちらが中央のボールを処理するかを共有する必要があります。
新しい組み合わせが多い今大会では、実績よりも当日のコミュニケーションが結果を左右する可能性があります。
- ジャック・マンロー/ルース・ファン・リーク:前回大会の銅メダルペア
- メーガン・ファッジ/エイダン・シェンク:前回王者と若手有望株
- クアン・ズオン/アマンダ・ヘンドリー:2025年ベトナム大会銀メダル
- 勝負のポイント:中央の守備、リセットの精度、攻撃へ切り替えるタイミング
ペナン大会がアジアの競技拡大を後押し
ペナン大会は、ランキングポイントやメダルを争うだけでなく、アジアのプロピックルボールがどこまで成長しているかを示す重要な大会です。
2月のクアラルンプール大会に続き、APPアジアツアーが再びマレーシアで開催されることで、同国がツアーの主要拠点であることも示されています。
APPはマレーシアにアジア本部を置き、地域での大会開催や選手育成を進めています。
今大会には、国際大会で実績を持つAPP所属プロと、台湾、マレーシアをはじめとするアジアの有力選手が出場します。
普段は異なる大会や地域で活動している選手が同じ舞台に立つことで、プレースタイルの違いも見えてきます。
海外経験の豊富なプロ選手は、ボールを強く打つだけでなく、相手の位置を確認しながらショットのスピードを変えます。
一方、地元選手にとっては、その判断や試合運びを実戦の中で体験できる貴重な機会です。
クアン・ズオンにとっては、APPアジアツアーでの新しい挑戦が始まります。
世界のプロシーンで評価される若手選手が、アジアの環境や選手にどのように対応するかが注目されます。
ルース・ファン・リークにとっては、直近のトリプルクラウンが一度だけの好結果ではないことを示す大会です。
シングルス、女子ダブルス、混合ダブルスで再び上位へ進めば、ツアーを代表する選手として存在感がさらに高まります。
前回王者のジャック・マンローとメーガン・ファッジは、新しいパートナーと結果を残せるかが問われます。
個人の技術だけでなく、異なる選手と短期間で連係を築く対応力も見どころです。
マレーシアのアイマン・ハムダンをはじめとする地元選手にとっては、ホームの観客の前で世界レベルの選手に挑めるチャンスです。
上位進出を果たせば、国内のピックルボール人気や若い選手の目標にもつながります。
- 世界で活躍するプロとアジアの有力選手が対戦
- 地元選手が国際レベルの戦術を実戦で経験
- 新しいペアの対応力と連係を確認できる
- アジアツアーの年間ランキング争いが本格化
- マレーシアにおける競技の認知拡大にも期待
まとめ
2026年のAPPアジア・ペナンオープンには、世界で活躍するAPPプロとアジア各地の有力選手が集まります。
男子シングルスではクアン・ズオンのツアーデビュー、女子では直近の大会でトリプルクラウンを達成したルース・ファン・リークが大きな注目ポイントです。
男子・女子ダブルスと混合ダブルスでは、前回王者やメダリストが新しいパートナーと出場します。
個人のショット力だけでなく、中央のボールを処理する判断やキッチン周辺での連係が勝敗を左右しそうです。
ペナン大会がアジアの選手と国際的なプロをつなぎ、地域の競技レベルをさらに高める一戦となることが期待されます。


