MLP Dallasで見えた5つの収穫|Ben Johns復活と波乱の開幕戦

コラム

Major League Pickleballの開幕戦となったMLP Dallasは、番狂わせ、接戦、スター選手の復活ムードが詰まった濃い大会になりました。

Los Angeles Mad Dropsの優勝、Columbus Slidersの躍進、そしてBen Johnsの本気モードなど、今シーズンのMLPを占う注目ポイントが一気に見えてきました。

MLP Dallasは波乱だらけの開幕戦に

今シーズン最初のMajor League Pickleball、通称MLPは、いきなり波乱含みのスタートになりました。

MLPはチームで戦うプロリーグで、男子ダブルス、女子ダブルス、ミックスダブルスを組み合わせながら勝敗を決めていきます。

個人の強さだけでなく、誰と誰を組ませるのか、どの試合で流れを取りにいくのかというチーム戦略がかなり重要です。

今回のDallas大会では、強豪と見られていたチームが思うように勝ち切れない場面がありました。

一方で、勢いに乗ったチームが接戦をものにして順位を上げる展開も多く、開幕戦から「今年は読めないぞ」と感じさせる内容でした。

特に印象的だったのは、僅差の試合が多かったことです。

あと1本、あと1ポイントで勝敗がひっくり返るような展開が続き、MLPならではの緊張感がしっかり出ていました。

ピックルボールはラリーのテンポが速く、流れが一気に変わる競技なので、チーム全体の空気やベンチの盛り上がりも勝敗に影響します。

今回の大会は、まさにその面白さが詰まった開幕戦でした。

スター選手の力、若手や新加入選手の勢い、そしてチームとしてのまとまり。

その全部が結果に絡んでくるのが、MLPの一番アツいところです。

※ミックスダブルス:男女1人ずつでペアを組んで戦うダブルスの試合形式です。

Los Angeles Mad Dropsが大会トップに

MLP Dallasで最も大きな結果を残したのは、Los Angeles Mad Dropsです。

最終日にColumbus Slidersを破り、今大会全体の1位を獲得しました。

これにより、Los Angelesはイベントスタンディングポイント25点を獲得。

シーズン序盤の順位争いで、かなり大きなアドバンテージを手にしました。

Los Angelesは開幕前から実力のあるチームと見られていましたが、実際に大会トップまで勝ち切ったことには大きな意味があります。

MLPでは、メンバーの名前だけ強くても簡単には勝てません。

ダブルスの相性、試合ごとの起用法、そして接戦で崩れないメンタルが必要になります。

その中でLos Angelesは、勝負どころでしっかり結果を出しました。

特にBen Johnsを中心にチーム全体がまとまり、重要な試合で流れを渡さなかった点が印象的です。

Benがただ強いだけでなく、チームの中心として熱量を持ってプレーしていたことが、Los Angelesの優勝にかなり効いていたように見えます。

一方で、決勝の相手となったColumbus Slidersも大きな存在感を示しました。

Parris Todd不在という状況がありながら、チームとして上位まで勝ち上がったのはかなり評価できます。

Los Angelesが優勝、Columbusが準優勝という結果は、開幕前の予想をいい意味で裏切るものでした。

また、New Jersey 5sやSt. Louis Shockといった強豪がそれぞれのグループを勝ち切れなかったことも、今大会の大きなポイントです。

シーズン序盤から「名前のあるチームがそのまま勝つわけではない」という空気が出たことで、今年のMLPはかなり面白くなりそうです。

※イベントスタンディングポイント:大会ごとの順位に応じてチームに与えられるポイントです。
シーズン終盤のプレーオフ進出争いに大きく関わります。

Danni-Elle Townsendが一気に存在感を発揮

今大会で一気に評価を上げた選手のひとりが、Columbus SlidersのDanni-Elle Townsendです。

オーストラリア出身のMLP新人でありながら、女子ダブルスで4勝1敗、ミックスダブルスで3勝2敗という好成績を残しました。

初参戦でこの数字は、かなりインパクトがあります。

Columbusは本来、Parris Toddという強力な女子選手を起用できるはずでした。

しかしToddが出場停止で不在だったため、TownsendとAlix Truongが女子メンバーとして大きな役割を担うことになりました。

普通なら「主力不在で厳しい」と見られてもおかしくない状況です。

ところが、TownsendとTruongはその不安をかなり吹き飛ばしました。

女子ダブルスでは4勝1敗と安定した成績を残し、Columbusの上位進出に大きく貢献しています。

単にミスが少なかっただけでなく、試合の中で落ち着いてポイントを重ねられるところが光りました。

Townsendの良さは、初出場とは思えない対応力です。

MLPはチーム戦なので、自分のプレーだけに集中していればいいわけではありません。

ペアとの連携、相手チームの狙い、ベンチの流れなど、いろいろな要素を見ながら戦う必要があります。

その中で結果を出したことは、かなり価値があります。

今後のColumbusにとって悩ましいのは、Parris Toddが復帰したあとの起用法です。

Toddは女子トップクラスの実力者なので、先発に戻る可能性は高いです。そうなると、Townsendを使うのか、Truongを使うのかという判断が必要になります。

これはチームにとって「嬉しい悩み」です。

主力が戻ってくる一方で、代役として出た選手も結果を出してしまったからです。

Townsendが今回の活躍を続けられれば、Columbusの女子ラインは一気に層が厚くなります。

今後のMLPで、彼女がどこまで存在感を伸ばすのかは注目です。

Ben Johnsの本気モードがMLPを変える

今回のMLP Dallasで、多くのファンが一番テンションを上げたポイントがBen Johnsの復調ムードです。

Ben Johnsは長年ピックルボール界を引っ張ってきたスター選手で、技術、実績、知名度のどれを取ってもトップクラスの存在です。

ただ、ここ数シーズンのMLPでは、Benがチーム戦にどこまで本気で入り込んでいるのか、少し物足りなく見える場面もありました。

もちろん実力は圧倒的ですが、表情やリアクション、試合への熱量という面では、以前ほど燃えているように見えない時期もありました。

しかし、今回のDallas大会ではその印象が大きく変わりました。

プレー中の集中力、ポイント後のリアクション、チームメイトとの関わり方に、明らかに熱がありました。

まさに「MLP仕様のBen Johnsが帰ってきた」と言いたくなるような雰囲気です。

Benが本気モードに入ると、試合そのものの見え方が変わります。

彼のショット精度や戦術眼はもちろんですが、それ以上にチーム全体の空気を引き上げる力があります。

エースが熱く戦っていると、周りの選手も自然と乗ってきます。

これは個人戦ではなくチーム戦であるMLPにおいて、かなり大きな武器です。

今回、Benがここまで前向きに見えた理由ははっきりしません。

新しいLos Angelesのロスターが合っているのかもしれませんし、今季こそタイトルを取りたいというモチベーションが強いのかもしれません。

どちらにしても、Benが本気でMLPに向き合っていることは、リーグ全体にとってかなりプラスです。

ここ数年のピックルボール界は、Ben JohnsとAnna Leigh Watersという2大スターの存在感がとても大きいです。

だからこそ、Benが熱量を持ってMLPに参加しているだけで、リーグの注目度や試合の迫力がグッと上がります。

今回のDallas大会は、そのことを改めて感じさせる大会でした。

今年のMLPはどこが勝ってもおかしくない

MLP Dallasを見てはっきりしたのは、今年のMLPはかなり混戦になりそうだということです。

開幕前からLos AngelesやColumbusが上位に来る可能性はあると見られていましたが、この2チームが大会のトップ争いをする展開を強く予想していた人は多くなかったはずです。

一方で、New Jersey 5sやSt. Louis Shockのような強豪チームが、グループを勝ち切れなかったことも大きな驚きでした。

特にNew Jerseyは、実績ある選手を抱えるチームだけに、開幕週から順位争いで少し難しい立場になりました。

St. Louisも強さは見せましたが、圧倒的に支配するというほどではありませんでした。

今大会の上位チームは、Los Angeles、Columbus、St. Louis、New Jersey、Dallasです。

どのチームも強い時間帯がありましたが、同時に弱さや不安定さも見せました。

つまり、どこか1チームが圧倒的に抜けているというより、複数のチームがチャンスを持っているシーズンになりそうです。

MLPの面白さは、まさにここにあります。

チーム戦では、1人のスター選手だけでは勝ち続けられません。

男子ダブルス、女子ダブルス、ミックスダブルスのどこで勝ち星を取るのか。

相手チームに合わせてペアをどう組むのか。

接戦になったときに、誰が最後の1点を取り切るのか。

こうした細かい要素が順位を大きく左右します。

さらに、MLPにはDreambreakerという独特の決着方式もあります。

チーム同士が同点になった場合、シングルス形式で選手が交代しながらポイントを取り合うため、個人の勝負強さが一気に試されます。

St. Louis ShockがNew Jersey 5sをDreambreakerで破ったことも、今大会を象徴する場面でした。

※Dreambreaker:MLP特有のタイブレーク方式です。
チーム戦が同点になったときに行われる決着戦で、選手が交代しながらシングルス形式でポイントを取り合います。

MLPにはもっと熱量と個性が必要

Jared Paulが強く主張しているのは、MLPはPPAとは違う魅力をもっと前面に出すべきだということです。

PPAは、華やかで洗練された個人戦中心の大会というイメージがあります。

一方でMLPは、チーム戦ならではの荒々しさ、感情のぶつかり合い、ベンチも含めた熱量が魅力になります。

だからこそ、MLPはあまりにもきれいに整えすぎる必要はない、という見方です。

選手が感情を出す。

コーチが声を張る。GMやオーナーもチームの勝敗に本気で反応する。

そうした人間味が見えることで、試合はただの勝ち負け以上に面白くなります。

もちろん、相手へのリスペクトを欠く行為や危険な振る舞いは避けるべきです。

ただ、少し感情を出しただけで細かくブルーカードを出してしまうと、MLPらしいライブ感が薄れてしまいます。

※ブルーカード:試合中の態度や行為に対して出される警告のようなものです。

特に、実力差がある試合や下位チーム同士の試合では、選手やベンチの個性が試合の見どころになることがあります。

スコアだけを見ると一方的でも、ライバル関係や言葉の応酬、ベンチの盛り上がりがあれば、観る側は引き込まれます。

MLPは、ピックルボールの技術だけでなく、チーム同士のドラマを楽しめるリーグです。

だからこそ、選手のキャラクターやチームの色がもっと見えるようになれば、ファンはさらに感情移入しやすくなります。

今後のMLPには、競技としての完成度だけでなく、スポーツエンタメとしての熱さにも期待したいところです。

まとめ

MLP Dallasは、今シーズンの開幕戦にふさわしい波乱と熱量にあふれた大会でした。

Los Angeles Mad Dropsの優勝、Columbus Slidersの躍進、Danni-Elle Townsendの活躍、そしてBen Johnsの本気モードは、今後のシーズンを語るうえで大きなポイントになります。

一方で、New Jersey 5sやSt. Louis Shockの結果を見ると、今年のMLPは簡単に予想できるシーズンではなさそうです。

強豪でも崩れる可能性があり、勢いのあるチームが一気に上位へ食い込むチャンスもあります。

MLPを楽しむなら、試合結果だけでなく、ペアの組み合わせ、チームの空気、選手たちの感情にも注目したいところです。

チーム戦ならではの駆け引きとドラマがあるからこそ、今年のMLPはかなり面白くなりそうです。

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