ピックルボール界で今話題なのが、アナ・ブライトとレイチェル・ローバッカーのペア。彼女たちは、強豪キャサリン・パレントーとアナ・リー・ウォーターズというペアに2回も勝利しています!今回は、その試合の詳細を通して、彼女たちの勝利を支えた戦術に迫ります!
1. 勝利を分けた「第3打目」の選手配置
ピックルボールの勝利のカギとも言えるのが「第3打目」。この第3打目は、サーブやレシーブの後に最初に打つショットのことで、ラリーを自分たちのペースに持ち込むために非常に重要です。
オースティンでの試合では、パレントーがチームの65%の第3打目を担当していましたが、アトランタではウォーターズが85%の第3打目を担当。相手チームでは、ローバッカーが62%を打っていましたが、アトランタではブライトが51%を担当しました。試合ごとに選手の役割分担が変わるのも、戦術を読み解くポイントです。ピックルボールでは、誰が第3打目を打つかが勝利に直結します。
2. ショット選択の妙!風が戦略を左右する
ピックルボールでは、環境要因がショット選択に大きく影響します。例えば、オースティンの試合では風が強く、ドライブショット(※速く低いショット)が多く使われました。具体的には、ブライトとローバッカーのペアは55%がドライブショット、一方でパレントーとウォーターズのペアは68%がドライブショットという選択でした。
しかし、アトランタでは、風が穏やかで、より慎重な「ドロップショット(※ネット近くに落とすショット)」が主流に。AB/RRのペアは88%がドロップショットを選び、相手のCP/ALWのペアは50%がドロップショットを選択。このように、試合のコンディションによってショットの選び方が変わり、それが試合の展開に大きな影響を与えます。
3. ラリーの長さが物語る戦略的攻防
試合のラリーが短いか長いかは、その試合の戦略や選手の体力、そして集中力に影響を与えます。オースティンでは67%のラリーが9ショット以下で終わり、平均8.7ショットと比較的短いラリーが多かったです。これに対し、アトランタではラリーの46%が9ショット以下で、平均11.6ショットとラリーが長引く展開に。
ラリーが長いほど、選手の体力やミスを誘う戦略が重要になります。また、短いラリーはスピード感があり、一気にポイントが動くので、攻撃的なプレイが求められます。どちらの戦略を選ぶかで、試合の流れが大きく変わりますね。
4. 試合を決める「クリーンウィナー」とは?
ピックルボールの試合で目立つのが「クリーンウィナー」。これは、相手のパドルやネットに当たらず、直接ポイントになるショットのことです。オースティンの試合では、ブライトとローバッカーが19対8でこの部門をリード。アトランタでも28対14で圧倒的な成績を残しました。
特にローバッカーは、オースティンで14本、アトランタでは18本のクリーンウィナーを記録し、他の選手よりも7本以上多く決めています。クリーンウィナーを多く決められる選手がいると、試合を有利に進めることができるので、彼女たちの強みといえるでしょう。
5. スピードアップ戦術で相手を崩す!
ピックルボールの特徴の一つに「スピードアップ戦術」があります。通常のディンクショット(※ゆっくりしたショット)を続けている中で、急にペースを上げて相手を崩す戦術です。オースティンでは、ブライトとローバッカーのペアが68%のスピードアップに成功し、パレントーとウォーターズのペアの59%を上回りました。
アトランタでは、さらにその差が大きくなり、AB/RRのペアが52%、CP/ALWのペアが35%という結果に。スピードアップが成功すると、試合の流れを一気に引き寄せることができるので、この戦術を効果的に使うことが試合の勝敗を左右します。
6. ウォーターズのバックハンドを突く賢い攻め
試合の戦術で大事なのは、相手の弱点を突くことです。アトランタの試合では、ウォーターズが左側で139回ラリーを行い、そのうち10回もバックハンド側を狙われてウィナーを許してしまいました。オースティンではわずか1回だったので、アトランタでの戦略的なバックハンド攻めがいかに効果的だったかがわかります。
バックハンドは多くの選手にとって弱点になりやすいエリアですが、そこを徹底的に狙うことで、相手を崩し、勝利に繋がる大事なポイントとなります。賢い戦術と相手の研究が功を奏した瞬間です。
まとめ
アナ・ブライトとレイチェル・ローバッカーの勝利の裏には、緻密な戦術と柔軟なショット選びがありました。試合のコンディションに合わせた戦略、第3打目の重要性、そしてスピードアップと弱点を突く戦術が勝利を導いた要因です。彼女たちが今後どのように戦術を進化させるのか、これからの試合も見逃せません!