帝京大学・佐藤真治教授を中心に、学生たちの大交流が実現!
近年、世界の医療分野で注目を集めているのが「Exercise is Medicine®(EIM)」——“運動はお薬“という新しい健康の考え方です。
このプロジェクトは、アメリカスポーツ医学会(ACSM)が主導する国際的な取り組みで、運動を病気の予防や治療、そして健康維持の“処方箋“として再評価することを目的としています。
医療、スポーツ科学、公衆衛生の専門家が連携し、世界40カ国以上の大学や地域で導入が進んでいます。
そして今回、そのEIMの日本における活動の一つとして、学生同士の交流や新たな運動体験の機会としてピックルボールが導入されました。
舞台は、東京都八王子市にキャンパスを構える帝京大学。
NHK出演歴もあり、「歩く健康」などの普及にも取り組んできたスポーツ医療学科 健康スポーツコース主任・佐藤真治教授を中心に、EIMの教育プログラム「Exercise is Medicine on Campus」の一環として、ピックルボールの体験会が開催されました。

初心者でも夢中になれる、やさしくて奥深い「ピックルボール」
体験会で採用されたのは、アメリカ発祥のラケットスポーツ「ピックルボール」。
テニス・卓球・バドミントンを融合したルールで、初心者でも始めやすく、年齢や体力に関係なく楽しめるのが特長です。
当日は、ピックルボールが初めてという学生たちも、すぐにラリーを楽しめるようになり、自然と笑顔が生まれました。互いに声をかけ合いながらプレーする姿からは、運動がもたらす“人とのつながり“の力が感じられました。
「初めてだったけど、すぐに慣れて、初対面の人とも仲良くなれた」(Sさん)
「ラケットの角度で球の飛び方が変わって、地味に面白い!」(Nくん)
「自然と声を掛け合えて、話すきっかけになったのが良かった」(Aさん)
「みんなで楽しく運動できて、すごく良い時間だった」(Iさん)
教育の場にも、新たなつながりが生まれるきっかけに
体験会を終えた佐藤真治教授は、次のように振り返ります。
「学生同士の親睦を深めるきっかけになればと思って導入しましたが、予想以上に距離が縮まりました。
初心者と上級者が一緒に楽しめるのが魅力です。おかげさまで、手触り感のやさしいクラブになりそうです。」
この取り組みは、単なる運動体験にとどまらず、教育現場でのコミュニティ形成や関係性づくりにもポジティブな影響を与えました。
ピックルボールは、未来の“処方箋“になるかもしれない
医療・教育・そしてコミュニティ——
それぞれをゆるやかに結び、誰もが無理なく楽しめて、人と人とが自然につながれる運動があるとしたら、それはすでに“お薬“と言えるのかもしれません。
ピックルボールというスポーツは、新しい健康のスタンダードとして、いま日本でも静かに注目を集め始めています。