2026年のPPAツアー・ファイナルズは、ベン・ジョンズとアナ・リー・ウォーターズの強さが際立つ大会になりました。
ダブルス3部門の圧倒的な成績から、春シーズンの勢力図と次シーズンの注目ポイントを具体的に振り返ります。
ジョンズとウォーターズが圧倒的な春シーズン
2026年のPPAツアー・ファイナルズは、ベン・ジョンズとアナ・リー・ウォーターズの強さを改めて見せつける大会になりました。
PPAツアーとは、世界トップクラスのプロ選手が出場するピックルボールの主要大会シリーズです。
今回のファイナルズは、春シーズンを締めくくる大一番という位置づけでした。
ジョンズは男子ダブルスでゲイブ・タルディオと組み、ウォーターズは女子ダブルスでアナ・ブライトと組みました。
そしてミックスダブルスでは、ジョンズとウォーターズがペアを組んでいます。
つまり、今のPPAツアーのダブルス部門は、この2人を中心に回っていると言ってもいい状況です。
2026年の9大会で、3部門を合わせた成績はなんと136勝1敗。
唯一の敗戦は、メサカップのミックスダブルスでアンナ・ブライト/ヘイデン・パトリキン組に敗れた試合だけです。
しかも、ただ勝っているだけではありません。
負けたあとに修正し、そこからさらに強くなるのがトップ選手らしいところです。
ファイナルズでも、重要な試合でしっかり勝ち切り、春シーズンの支配力を最後まで証明しました。
男子ダブルスはジョンズ/タルディオが無敗締め
男子ダブルスでは、ベン・ジョンズ/ゲイブ・タルディオ組が2026年の無敗記録を最後まで守りました。
成績は45勝0敗、金メダル9個。PPAツアー・アジア・ハノイカップまで含めると、金メダルは10個になります。
ここまでくると、強いを通り越して“どう倒すのか問題”です。
ファイナルズでは、まずプール戦を3勝0敗で突破しました。
プール戦とは、決勝トーナメントに入る前に行われるグループ内の対戦形式です。
ここで安定して勝ち切ることで、良い位置から準決勝に進めます。
準決勝では、ヘイデン・パトリキン/クリスチャン・アルション組と対戦しました。
このペアは、2026年に入ってから男子ダブルスの2番手候補と見られている強力なチームです。
試合はかなりハードで、長いディンクラリーが続く展開になりました。
ディンクとは、ネット前で短くやわらかく返すショットのことです。
特にアルションとタルディオの間で、我慢比べのようなラリーが何度も続きました。
派手なスマッシュ合戦というより、どちらが先に甘いボールを出すかを探る、かなり高度な駆け引きです。
試合時間は1時間を超えましたが、最後はジョンズ/タルディオ組が11-8、11-9で勝利しました。
決勝では、アンドレイ・ダエスク/フェデリコ・スタクスルード組を相手に、11-8、11-3、11-0で快勝。
第1ゲームこそ競りましたが、そこから一気にギアを上げ、最後は相手を寄せつけませんでした。
無敗で春シーズンを締めたことで、男子ダブルスの本命はしばらくこのペアになりそうです。
女子ダブルスはウォーターズ/ブライトが完勝
女子ダブルスでも、アナ・リー・ウォーターズ/アナ・ブライト組が圧倒的な強さを見せました。
2026年の成績は45勝0敗、金メダル9個。
ハノイカップを含めると金メダル10個という、男子ダブルスと同じく完璧に近い数字です。
ファイナルズのプール戦では3勝0敗。
しかも得失点差はプラス44点でした。
これはかなりすごい数字です。
ファイナルズには、各部門のトップクラスの選手しか出場していません。
その相手にこれだけ点差をつけるということは、単に調子が良かっただけではなく、地力の差を見せたということです。
準決勝では、ティナ・ピスニック/レイシー・シュニーマン組に11-2、11-5で勝利しました。
ピスニックもシュニーマンも実力者ですが、ウォーターズ/ブライト組は序盤から主導権を握り、相手に流れを渡しませんでした。
決勝の相手は、パリス・トッド/レイチェル・ローラバッカー組でした。
このペアは今後の注目株です。
秋から始まる2026-27シーズンでも一緒にプレーする予定で、すでにサクラメント・オープンでは金メダルも獲得しています。
それでも決勝では、ウォーターズ/ブライト組が11-7、11-6、11-2で勝利しました。
第1、第2ゲームはある程度競ったものの、第3ゲームでは一気に突き放しました。
トッド/ローラバッカー組が良いペアであることは間違いありませんが、現時点ではトップとの差がまだあることも見えた試合でした。
女子ダブルスは、次シーズンに誰がこの2人へ迫れるのかが大きなテーマになります。
守備力、決定力、ネット前の反応、すべてで高いレベルが求められそうです。
ミックスダブルスでも王者ペアが強さを証明
ミックスダブルスでは、アナ・リー・ウォーターズ/ベン・ジョンズ組が優勝しました。
ミックスダブルスとは、男女1人ずつで組むダブルスのことです。
男子選手の攻撃力、女子選手のカウンター力、左右の役割分担が重要になる、かなり戦術的な種目です。
2人の2026年成績は46勝1敗、金メダル7個、銀メダル1個。
ハノイカップを含めると金メダルは8個になります。
唯一の敗戦は、メサカップでアナ・ブライト/ヘイデン・パトリキン組に敗れた試合でした。
今大会でも、そのブライト/パトリキン組と準決勝で再戦しました。
スコアは11-0、7-11、11-8。第1ゲームは圧倒しましたが、第2ゲームを落とし、第3ゲームまでもつれる接戦になりました。
それでも最後に勝ち切るのが、ウォーターズ/ジョンズ組の強さです。
決勝では、クリスチャン・アルション/レイチェル・ローラバッカー組に11-5、11-5、11-5で勝利しました。
準決勝のような接戦を乗り越えたあと、決勝ではしっかり支配する。
ここが王者ペアらしいところです。
試合後、ウォーターズは母でありコーチでもあるリー・ウォーターズ氏への感謝を語りました。
コート上でのアドバイスだけでなく、コート外での支えも大きいという言葉から、トップ選手の裏側にあるチームの存在も感じられます。
ミックスダブルスは、ジョンズとウォーターズという男女トップ選手が組んでいるため、他ペアにとってはかなり厳しい部門です。
ただ、ブライト/パトリキン組のように接戦へ持ち込めるペアもいるため、次シーズンの再戦にも期待したいところです。
シングルスはフェイヒーとホーワースが主役に
女子シングルスでは、アナ・リー・ウォーターズが欠場したことで、他の選手たちに大きなチャンスが生まれました。
ウォーターズは1週間前のアトランタ大会で両膝にブレースを着けてプレーしており、100%の状態ではないことも認めていました。
そのチャンスをつかんだのが、ケイト・フェイヒーです。
フェイヒーはプール戦を無敗で突破し、準決勝ではジュディット・カスティーヨを11-3、11-8で下しました。
決勝ではブルック・バックナーを11-0、11-9で破り、見事に優勝しました。
フェイヒーにとっては、浮き沈みのあるシーズンの中で大きなタイトルをつかんだ形です。
ウォーターズ不在という状況ではありましたが、チャンスをしっかり勝利に変えるのも実力です。
女子シングルスは、今後ウォーターズが万全で戻ってきたときに、フェイヒーがどこまで食い込めるかが注目です。
男子シングルスでは、クリス・ホーワースが大舞台での強さを見せました。
ホーワースは2026年のすべての大会を勝っているわけではありませんが、マスターズ、メサカップ、グレーター・ザイオンカップ、アトランタ大会といった重要大会ではしっかり結果を出しています。
今大会ではプール戦でコナー・ガーネットに敗れました。
ガーネットはここ最近かなり調子が良く、簡単な相手ではありません。
その敗戦によって、ホーワースは準決勝で第2シードのフェデリコ・スタクスルードと対戦することになりました。
このカードはかなりタフでしたが、ホーワースは11-5、4-11、11-0で勝利。第2ゲームを落としても、第3ゲームで一気に立て直すあたりがさすがです。
決勝ではジョン・ルシアン・ゴーインズを11-2、11-8で下し、タイトルを獲得しました。
ホーワースはグレーター・ザイオンカップでの勝利によって世界ランキング1位となり、今回のファイナルズ優勝でその立場をさらに固めました。
PPAツアーが8月下旬に再開する際も、第1シードとしてかなり強い存在感を持つことになりそうです。
まとめ:PPAは秋まで休止、夏はMLPへ
2026年のPPAツアー・ファイナルズは、ベン・ジョンズとアナ・リー・ウォーターズの春シーズンを象徴する大会になりました。
男子ダブルス、女子ダブルス、ミックスダブルスの3部門で、2人に関わるペアが圧倒的な結果を残しました。
男子のジョンズ/タルディオ組、女子のウォーターズ/ブライト組はどちらも45勝0敗。
ミックスのウォーターズ/ジョンズ組も46勝1敗で、ほぼ完璧な春シーズンでした。
現時点では、ダブルス各部門でトップペアとの差はまだ大きく見えます。
一方で、男子ではパトリキン/アルション組、女子ではトッド/ローラバッカー組、ミックスではブライト/パトリキン組など、次シーズンに挑戦者として期待したいペアも見えています。
トップを倒すには、ただ強いだけでなく、相手のリズムを崩す戦略が必要になりそうです。
PPAツアーはこのあと長めの休みに入り、8月下旬から2026-27シーズンとして再開します。
その間、夏はMLP、つまりメジャーリーグ・ピックルボールが中心になります。
春を支配した王者たちに、秋から誰が迫るのか。
次のPPAシーズンもかなり楽しみです。





