アナ・ブライト&ウォーターズの鉄壁守備|女子ダブルス最強ペアの強さを分析

コラム

アナ・ブライトとアナ・リー・ウォーターズの強さは、派手な攻撃力だけではありません。

相手の決定打を消し続ける“休まない守備”こそ、女子ダブルスで圧倒的な強さを見せる最大の理由です。

ブライト&ウォーターズが倒しにくい理由

アナ・ブライトとアナ・リー・ウォーターズのペアが倒しにくい理由は、ただショットが強いからではありません。

相手が攻めてきた場面でも、簡単にポイントを終わらせない守備力があります。

ピックルボールでは、速いボールを打つ力も大事ですが、それ以上に「相手のいい攻撃をどうしのぐか」が勝敗を分けます。

ブライトとウォーターズは、相手が角度をつけたショットや足元への厳しいボールを打ってきても、体勢を崩しながら返球できます。

この守備があることで、相手は1本で決め切れません。

「決まった」と思ったボールが返ってくると、次のショットでさらに強く打とうとしてミスが増えます。

2人は守っているように見えて、実は相手にプレッシャーをかけ続けているのです。

特に女子ダブルスでは、ネット際での反応、横のカバー、ペア同士の距離感が重要です。

ブライトとウォーターズは、その連携がかなり高いレベルで完成されています。

スコアに表れた圧倒的な守備力

2人の守備力は、試合のスコアにもはっきり出ています。

直近5回の金メダル決定戦では、すべてストレート勝ちを達成しました。

しかも、各ゲームの平均スコアは11-3.33です。

これは、決勝というレベルの高い試合で、相手を平均3点台に抑えているということです。

普通なら決勝は実力者同士の対戦になるため、11-8や11-9のような接戦になりやすいです。

それなのに、ブライトとウォーターズは相手に流れを作らせず、かなり低い得点で封じ込めています。

スコアがここまで開く理由は、攻撃で一気にポイントを取っているだけではありません。

相手の攻撃を拾い続け、ラリーを長くし、最後に相手のミスや甘い返球を引き出しているからです。

つまり、守備がそのまま攻撃の入口になっています。

相手の強打を受け止め、次の一球で逆にチャンスを作る。

これができるから、2人は決勝でも圧倒的なスコアを出せるのです。

クリーンウィナーを許さないすごさ

2人の守備を語るうえで重要なのが「クリーンウィナー」という数字です。

※クリーンウィナー:ラリーを終わらせる決定打のことです。

コート内に入り、ネットコードや相手のパドルに触れず、そのまま決まったショットを指します。

クリーンウィナーが多い選手やペアは、相手に触らせずにポイントを取れているということです。

逆に言えば、クリーンウィナーをほとんど許さないペアは、相手の決定打をかなり高い確率で消していることになります。

ブライトとウォーターズは、まさにこの部分が抜群です。

相手が強烈なスマッシュや鋭い角度のショットを打っても、どちらかが反応して拾います。

完全に返せない場面でも、パドルに当てることで「きれいに決まった1本」にはさせません。

これは相手にとってかなり嫌です。

気持ちよく決まるはずのショットが返ってくると、次はさらに厳しいコースを狙いたくなります。

その結果、ネットミスやアウトが増えます。

2人の守備は、相手のショット選択まで狂わせる力があるのです。

攻撃よりも相手を苦しめる守備

Toys “R” Us PPAファイナルズの女子ダブルス決勝では、実況のデイブ・フレミング氏も2人の守備に注目していました。

彼は、ブライトとウォーターズの特別さは攻撃力だけではなく、追い込まれた場面での守備にあると話しています。

相手が強打で押し込んでも、2人は簡単にラリーを終わらせません。

ボールを返し続け、相手に「もう1本」「さらにもう1本」と打たせます。

この積み重ねが、相手にとって大きなストレスになります。

スポーツでは、攻撃される側が苦しいように見えます。

しかしピックルボールでは、決めにいったボールを何度も返される側もかなり苦しいです。

「これでも決まらないのか」と感じると、ショットが雑になったり、無理に厳しいコースを狙ったりします。

ブライトとウォーターズの守備は、ただ耐える守備ではありません。

相手に打たせ続けて、焦らせて、ミスを引き出す守備です。

見た目は地味でも、試合の流れを変える力があります。

数字で見るシーズン後半の進化

今シーズン、ブライトとウォーターズは決勝1試合あたり平均15.3本のクリーンウィナーを記録しました。

一方で、相手に許したクリーンウィナーは平均7.7本だけでした。

この数字を見ると、2人は自分たちの決定打でしっかりポイントを取りながら、相手には簡単に決めさせていないことがわかります。

攻撃と守備のバランスがかなり高いレベルで整っていたということです。

さらに注目したいのが、直近5回の決勝です。

この5試合では、2人のクリーンウィナーが平均18.6本に増えた一方、相手に許したクリーンウィナーは平均6本まで減っています。

つまり、シーズンが進むにつれて、自分たちの攻撃力は上がり、相手の決定打はさらに封じるようになったということです。

強いペアが終盤に向けてもっと完成度を上げてきたわけで、これは相手からするとかなり厄介です。

大会を重ねながら連携が深まり、どちらが前に出るか、どちらがカバーするかの判断も速くなっていたと考えられます。

数字は、その進化をかなりわかりやすく示しています。

鉄壁守備が女子ダブルスにもたらす価値

2023年以降、男子ダブルス、女子ダブルス、混合ダブルスでは合計285回の決勝が行われています。

その中で、相手に2ゲーム連続でクリーンウィナーを1本も許さなかったケースは、わずか2回しかありません。

そのうちの1回が、今回のPPAファイナルズ女子ダブルス決勝でした。

ブライトとウォーターズは、サン・クレメンテで相手の決定打を2ゲーム連続で完全に封じるという、かなり珍しい守備を見せたのです。

これは、単に「守備がうまい」というレベルではありません。

決勝の舞台で、相手のウィナーを消し続けたということは、相手の攻撃パターンを読み、コートの位置取りを徹底し、反応の速さでも上回っていたということです。

女子ダブルスでは、強打だけでなく、リセットショットやブロック、足元への返球がとても重要になります。

※リセットショット:相手の強い攻撃をやわらかく返し、ラリーを落ち着かせるショットのことです。


※ブロック:相手の速いボールに対して、大きく振らずに面を作って返す守備的なショットのことです。

ブライトとウォーターズは、こうした守備技術を高い精度で使いながら、相手に気持ちよく攻めさせません。

だからこそ、攻撃力が目立つペアでありながら、本当の強さは守備にあると言えるのです。

まとめ

アナ・ブライトとアナ・リー・ウォーターズの強さは、豪快なショットだけでは語れません。

相手の決定打を拾い続け、クリーンウィナーを許さない守備力が、2人を女子ダブルス最強クラスのペアにしています。

特に直近5回の決勝で見せた平均11-3.33というスコアと、相手に許したクリーンウィナーの少なさは、まさに鉄壁と呼べる内容です。

攻撃で決めるだけでなく、相手に決めさせないことで試合を支配していました。

次に2人の試合を見るときは、派手なウィナーだけでなく、相手の強打をどう拾っているかにも注目です。

ブライトとウォーターズの“休まない守備”を知ると、ピックルボール観戦がもっと面白くなります。

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