2026年APP Vlasic Classic Cincinnatiでは、カテリーナ・スチュワートとジャック・マンローがそれぞれ2冠を達成しました。
シングルス、ダブルス、混合ダブルスで逆転劇や番狂わせが続き、プロツアーらしい見応えのある大会になりました。
スチュワートとマンローが大会の主役に
2026年APP Vlasic Classic Cincinnatiは、アメリカ・オハイオ州シンシナティのリバーフロントにあるSawyer Pointで開催されました。
会場には多くの観客が集まり、トッププロ、50歳以上・60歳以上のプロ部門、さらに幅広い年代のアマチュア選手まで参加する大規模な大会になりました。
今大会で一番目立ったのは、カテリーナ・スチュワートとジャック・マンローです。
スチュワートは女子シングルスと女子ダブルスで優勝。
マンローは男子ダブルスと混合ダブルスで金メダルを獲得し、2人そろって2冠を達成しました。
特に注目したいのは、どちらも違う種目で結果を出していることです。
シングルスは個人の走力と判断力、ダブルスはペアとの連携が大事になります。
つまり、2冠を取るには「ただ強い」だけではなく、試合形式に合わせて戦い方を変える器用さも必要です。
今大会の注目ポイントは以下です。
- スチュワートが女子シングルスで2大会連続優勝
- スチュワートが女子ダブルスでも今季初優勝
- マンローが男子ダブルスと混合ダブルスで2冠
- ボイヤーが男子シングルスでAPPツアー初優勝
- 女子ダブルスで第7シードが第1シードを撃破
女子シングルスはスチュワートが連覇
女子シングルス決勝では、前回王者のカテリーナ・スチュワートが、第4シードのドメニカ・ターコビッチと対戦しました。
試合の入りはターコビッチが好調で、いきなり3点を先取します。
序盤だけ見れば、王者スチュワートが少し押される展開でした。
しかし、ここからスチュワートがしっかり修正します。
相手の勢いに付き合わず、ラリーを落ち着かせながらポイントを重ね、第1ゲームを11-6で逆転。
第2ゲームでは完全に流れをつかみ、11-3で勝ち切りました。
この勝利で、スチュワートはAPPツアー女子シングルス2大会連続優勝。
2026年シーズンでは2つ目のシングルスタイトルとなりました。
暑さと湿度が厳しい中でも、最後まで集中力を切らさなかったのが強さの理由です。
※シングルス:1対1で戦う試合形式です。
コートを一人で広く守るため、フットワーク、体力、相手の逆を突くショット選択が重要になります。
男子シングルスはボイヤーが初優勝
男子シングルス決勝は、ロナン・キャムロンとダスティ・ボイヤーによる上位シード対決になりました。
どちらも今季初優勝を狙う中で、試合をうまくコントロールしたのはボイヤーです。
ボイヤーは、ただ強く打つだけではなく、相手の動きにくい場所へ丁寧にボールを配球しました。
第1ゲームでは、相手を左右に揺さぶりながら主導権を握り、11-5で先取。第2ゲームでも流れを渡さず、11-4で勝利しました。
この優勝は、ボイヤーにとってキャリア初のAPPツアー金メダルです。
これまで接戦を落としてきた経験もあっただけに、今回の勝利はかなり大きな意味を持ちます。
本人にとっても、「やっと勝ち切れた」と感じられる大会だったはずです。
※ショット配置:ボールをどこに打つかを考える技術です。
ピックルボールでは、パワーよりも相手の体勢を崩すコース選びが勝敗を左右する場面が多くあります。
女子ダブルスで第7シードが大金星
女子ダブルス決勝では、第1シードで前回王者のメーガン・ファッジ&ソフィア・シューイング組に、第7シードのライリー・ボーネルト&カテリーナ・スチュワート組が挑みました。
実績だけを見れば、ファッジ&シューイング組が有利と見られるカードです。
ところが、試合は序盤からボーネルト&スチュワート組のペースでした。
第1ゲームを11-3で圧倒し、いきなり王者ペアにプレッシャーをかけます。第2ゲームではファッジ&シューイング組が8-4とリードし、流れを取り返したように見えました。
しかし、ここからボーネルト&スチュワート組が一気に7連続ポイントを奪います。
最終的に11-8で逆転し、ストレート勝ちで金メダルを獲得しました。
第7シードが第1シードを倒す、まさに大会屈指の番狂わせです。
※シード:大会前のランキングや実績をもとに決められる出場順位です。
第1シードは優勝候補の筆頭、第7シードはそれより下の評価という意味になります。
男子ダブルスは第1シードが圧勝
男子ダブルス決勝では、第1シードのリチャード・リヴォルネーゼJr.&ジャック・マンロー組が、ロナン・キャムロン&ドレイク・パーム組と対戦しました。
キャムロン&パーム組は初の決勝進出で勢いがありましたが、第1シードペアの完成度が一枚上でした。
リヴォルネーゼJr.&マンロー組は、序盤から安定したラリー運びで試合を支配しました。
相手に簡単な攻撃チャンスを与えず、自分たちの得意な形に持ち込む展開が目立ちます。
第1ゲームを11-4で取ると、第2ゲームも11-3で快勝しました。
この勝利で、リヴォルネーゼJr.&マンロー組はAPPツアー男子ダブルスで2大会連続の金メダルを獲得。
特にマンローは、混合ダブルスでも優勝しており、今大会のダブルス部門で抜群の存在感を見せました。
※ダブルス:2人1組で戦う試合形式です。
ペアの距離感、前衛と後衛の役割、相手の攻撃をどちらがカバーするかなど、連携力がかなり大切になります。
混合ダブルスは大逆転の激戦に
混合ダブルス決勝は、今大会の中でも特にドラマのある試合でした。
第1シードのソフィア・シューイング&ケイシー・ダイヤモンド組と、第3シードのジル・ブラバーマン&ジャック・マンロー組が対戦しました。
第1ゲームは、ブラバーマン&マンロー組が11-2で圧倒します。
このまま一気に決まるかと思われましたが、第2ゲームではシューイング&ダイヤモンド組が粘りを見せ、11-8で取り返しました。
勝負の第3ゲームでは、シューイング&ダイヤモンド組が7-2と大きくリード。
普通ならこのまま押し切られてもおかしくない展開です。
しかし、ブラバーマン&マンロー組はここから猛反撃。9-9まで追いつくと、最後の大事なポイントを取り切り、11-9で勝利しました。
※混合ダブルス:男女ペアで戦うダブルス種目です。
パワーだけでなく、どちらが前に出るか、どこを守るか、相手の弱点をどう突くかが重要になります。
シニア部門もハイレベルな戦い
今大会では、トッププロ部門だけでなく、50歳以上のチャンピオンズ部門、60歳以上のマスターズ部門も開催されました。
ピックルボールは幅広い年代が楽しめる競技ですが、プロ部門となるとレベルはかなり高くなります。
若い選手の試合はスピードやパワーが目立ちますが、シニア部門では経験を生かしたプレーが見どころです。
無理に強打するのではなく、相手の立ち位置を見て空いたスペースを狙ったり、ミスを誘うボールを打ったりと、頭脳戦の要素が強くなります。
特にダブルスでは、ペア同士の声かけやポジション取りが重要です。
派手な一発だけではなく、じわじわ相手を崩していく試合運びは、初心者が見ても学びやすいポイントが多くあります。
シニア部門の見どころは以下です。
- パワーよりもコース選びがうまい
- 無理な攻撃をせず、ミスを減らす
- ペア同士の連携が安定している
- 経験を生かした読み合いが面白い
まとめ
2026 APP Vlasic Classic Cincinnatiは、スチュワートとマンローの2冠が大きな話題になった大会でした。
スチュワートは女子シングルスの連覇に加えて、女子ダブルスでも第1シードを破る大金星を挙げました。
マンローは男子ダブルスと混合ダブルスで優勝し、ダブルスプレーヤーとしての安定感を強く印象づけました。
さらに、ボイヤーのAPPツアー初優勝も、今後の男子シングルス戦線を面白くするニュースです。
今回の大会は、逆転劇、番狂わせ、初優勝、2冠達成と見どころが盛りだくさんでした。
ピックルボールの魅力である「戦略」「連携」「流れを変える力」が、ぎゅっと詰まった大会だったと言えます。




