答えを教える前に質問しよう!選手を伸ばすピックルボール指導術

コラム

ピックルボールの指導では、コーチがすぐに答えを教えるよりも、選手に質問して考えさせることが上達につながります。

練習中に使える声かけや具体例を交えながら、選手の理解を深めるコーチング術を紹介します。

質問から始めるコーチングが大切な理由

ピックルボールの練習では、選手がミスをした瞬間に「もっと前で打って」「パドル面を上げて」と、コーチがすぐ答えを伝えたくなる場面があります。

もちろんアドバイスは必要ですが、それだけだと選手は言われたことをこなすだけになりがちです。

そこで大切なのが、まず質問することです。

たとえばミスのあとに「今、ボールを打つ前に何を見ていた?」と聞くと、選手は自分の準備や狙いを振り返れます。

・今のプレーで何に気づいた?
・どこを狙って打とうとした?
・次は何を変えたら入りそう?

こうした質問を入れるだけで、練習は「ただ打つ時間」から「考えながら上達する時間」に変わります。

選手の理解を深める質問の力

質問のよさは、選手が自分で答えを探せるところにあります。

たとえばディンク(※ネット近くにやわらかく落とすショット)の練習で、ボールが浮いてしまったとします。

そのときに「もっと低く」と言うだけではなく、「今のボールは相手が攻撃しやすい高さだった?」と聞くと、選手は状況を考えやすくなります。

ピックルボールでは、ただ強く打てばいいわけではありません。

相手を動かす、攻撃されにくい場所に落とす、次のボールに備えるなど、判断の積み重ねが大切です。

※ディンク:ネット際にふわっと落とす、守備と組み立てに使うショット
※判断力:相手やボールの状況を見て、次のプレーを選ぶ力

質問によって選手は「なぜそのショットがよかったのか」「なぜミスにつながったのか」を自分で理解できるようになります。

練習への集中力を高める聞き方

質問は、選手の集中力を上げるスイッチにもなります。

たとえば同じドリルを何本も続けていると、どうしても流れ作業のようになってしまうことがあります。

そんなときに「今の1本、足の位置はどうだった?」と聞くと、選手の意識が一気にプレーへ戻ります。

特にピックルボールは、立ち位置や準備の早さがとても大事です。

ラリー中にボールだけを見ていると、次の動きが遅れてしまいます。

そこでコーチは、プレーのあとに短く質問を入れると効果的です。

  1. まず1本プレーする
  2. コーチが短く質問する
  3. 選手が自分の感覚を答える
  4. 次の1本で試してみる

たとえば「今のショットは、打つ前に止まれていた?」と聞けば、選手は足の動きに意識を向けられます。質問は長くなくてOKです。短く、わかりやすく、次のプレーにつながる聞き方がポイントです。

主体性を育てるコーチの関わり方

よいコーチングは、選手を「指示待ち」にすることではありません。

自分で考えて、試合中に判断できる選手に育てることです。

試合では、コーチが毎回横から答えを教えることはできません。

だからこそ、練習中から自分で考えるクセをつけることが大切です。

たとえばサーブ練習でミスが続いたとき、「フォームが悪い」と決めつける前に、「今のサーブは深く打とうとしていた?

それとも確実に入れようとしていた?」と聞いてみます。

すると選手は、自分の狙いと結果を整理できます。

※サーブ:ラリーを始める最初のショット
※主体性:自分で考え、自分から行動する力

「次はどんなボールを打ちたい?」と聞くことで、選手は自分のプレーに責任を持ちやすくなります。

これは技術だけでなく、試合中のメンタル面にもつながります。

ミスを成長につなげる前向きな質問

ミスをしたあとの声かけは、選手の成長に大きく影響します。

「なんでミスしたの?」という聞き方だと、選手は責められているように感じることがあります。

すると、次のプレーで思い切りがなくなってしまいます。

おすすめなのは、ミスを次のチャレンジにつなげる質問です。

たとえば、リターン(※相手のサーブを返すショット)がネットにかかった場合は、「次は少し高めに通す?

それとも足をもう一歩前に出してみる?」と聞くと、具体的に修正しやすくなります。

・次は何を変えてみる?
・今のミスは、準備と打点のどちらが原因に近そう?
・もう一度打つなら、どこを狙いたい?

※リターン:相手のサーブを打ち返すショット
※打点:ボールを打つ位置のこと

ミスは悪いことではありません。

次に何を試すかが見えていれば、ミスは上達の材料になります。

まとめ

ピックルボールの指導では、コーチがすぐに答えを教えるよりも、選手に質問して考えてもらうことが大切です。

よい質問は、選手の理解力、集中力、判断力、主体性を育ててくれます。

練習中は「何が悪かった?」ではなく、「次は何を変えてみたい?」と聞くのがおすすめです。

選手が自分で気づき、自分で試せるようになると、試合でも落ち着いて判断できるようになります。

コーチの質問ひとつで、練習の質は大きく変わります。

答えを教える前に、まずは一度、選手に考えるチャンスを渡してみましょう。

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