仲間と旅行に出かけて、好きな時間に何度でもピックルボールを楽しめたら最高ですよね。アメリカでは、本格的な屋内コートと宿泊設備を一体化した「Blue Ridge Pickle Barn」が登場し、ピックルボールそのものを旅の目的にする新しいスタイルとして注目されています。
プロレベルの屋内コートが施設の中心
Blue Ridge Pickle Barnのいちばん大きな特徴は、宿泊施設の中に本格的なプライベート屋内ピックルボールコートが設けられていることです。
一般的なリゾート施設では、ホテルの敷地内にテニスコートやプールがあり、その中のアクティビティのひとつとしてピックルボールを楽しむケースがあります。
しかしBlue Ridge Pickle Barnは、その考え方が逆です。
まず「ピックルボールを思いきり楽しめる場所」を中心に考え、その周囲にベッドルームやキッチン、サウナ、ホットタブなどを組み合わせています。
施設には主に以下の設備があります。
- 3つのベッドルーム
- 3つのバスルーム
- 本格的なキッチン
- サウナ
- ホットタブ
- プライベート屋内ピックルボールコート
屋内コートなので、雨や風など天候を気にせずプレーできるのも魅力です。
たとえば朝食前に30分だけラリーをしたり、昼間は観光に出かけ、夕食後にもう一度ダブルスを楽しんだりと、一般的な施設よりかなり自由度の高い過ごし方ができます。
つまり「旅行中にピックルボールをする」のではなく、ピックルボール中心に1日のスケジュールを作れる施設なのです。
6〜8人の仲間で楽しめるピックルボール旅行
Blue Ridge Pickle Barnは、一度に6〜8人ほどのグループが滞在できるよう設計されています。
この人数は、ピックルボールを楽しむうえでもちょうどいい規模です。
ダブルスなら4人で1試合ができるため、6〜8人いればメンバーを交代しながら何試合も楽しめます。
たとえば8人で滞在した場合なら、
- 4人がダブルスをプレー
- 残り4人は休憩や観戦
- 1ゲームごとにメンバーを交代
- ペアを変えながら対戦
といった楽しみ方ができます。
レベルが違うメンバーがいる場合は、経験者同士でゲームをしている間に、別のメンバーがフォーム確認やボールマシンを使った練習をすることもできます。
また、一般的なスポーツ合宿というと「朝から晩まで練習」という少しハードなイメージがありますが、この施設ではそうする必要はありません。
朝は軽くゲーム、昼はみんなで料理、午後は観光、夕方に再びコートへ戻り、夜はサウナやホットタブでリラックスする。そんな大人のスポーツ合宿のような楽しみ方ができます。
実際に元記事では、初期に宿泊した5組のうち4組が再度利用することを決めたと紹介されています。
単にコートの設備が良いだけではなく、「また仲間とここで遊びたい」と思わせる体験そのものが評価されているようです。
プライベートコートだから自由にプレーできる
ピックルボールには「オープンプレー」という一般的な楽しみ方があります。
オープンプレー(※施設に集まったプレーヤー同士で、その場で組み合わせを変えながら試合を楽しむ形式)は、さまざまな人とプレーできるのが大きな魅力です。
一方で、旅行となると「今日は仲間だけで気楽に遊びたい」という日もあります。
Blue Ridge Pickle Barnではコートがグループ専用なので、周囲のプレーヤーを気にする必要がありません。
たとえば初心者がいるグループなら、得点を気にせずサーブやリターンを何度も練習できます。試合中に一度止めて、「今のポジションはここが良かったかも」と仲間同士で確認することも可能です。
経験者中心なら、
- ペアを固定してダブルス練習
- ペアを毎試合入れ替えてゲーム
- 11点ゲームを繰り返す
- 特定のショットだけを練習
- ミニゲーム形式で戦術を確認
といった使い方もできます。
特に仲間同士の旅行では、「誰か知らない人が待っているから急がないと」といったプレッシャーがありません。
疲れたら休み、話したくなったらコート横で作戦会議をして、またプレーする。この自由なテンポこそ、プライベートコートの大きなメリットです。
元記事では、長年ピックルボール旅行を続けている利用者からも高く評価されたと紹介されています。その理由のひとつが、知らない人とのオープンプレーではなく、友人たちと自分たちの時間を楽しめたことでした。
日本語の「改善」を取り入れた施設づくり
Blue Ridge Pickle Barnを運営するブランドの名前は「Kaizen Pickleball」です。
この「Kaizen」は、日本語の「改善」から取られています。
ここでいう改善とは、大きく設備を作り替えるという意味だけではありません。
利用者の声を聞きながら、小さな問題をひとつずつ見つけて、少しずつ使いやすくしていく考え方です。
施設では宿泊したグループにアンケートを行い、その結果を次の改善につなげています。
実際に元記事では、オープンから数か月の間に、
- コート照明の調整
- 音響環境の改善
- コート周辺設備の見直し
- 宿泊スペースのアップデート
などが進められたと紹介されています。
屋内スポーツ施設では、照明や音の響き方は意外と重要です。
たとえば照明が暗かったり、ボールを見る角度によってまぶしかったりすると、プレーのしやすさに影響します。
また、硬い壁に囲まれた屋内コートでは、ボールを打つ音が反響して会話が聞き取りづらくなる場合もあります。
こうした細かな部分を利用者の声から見つけ、次のグループが利用するときにはより快適になっている。
それがKaizen Pickleballの考え方です。
一度完成して終わりではなく、使われるたびに少しずつ良くなっていくスポーツ施設という点も面白いですね。
ボールマシンやレッスンで上達も狙える
Blue Ridge Pickle Barnは、仲間と試合を楽しむだけの場所ではありません。
「せっかく数日間コートを自由に使えるなら、苦手なショットも練習したい」という人向けに、ボールマシンやトレーニング器具も用意されています。
ボールマシン(※自動的にボールを送り出し、同じショットを繰り返し練習できる機械)を使うメリットは、反復練習がしやすいことです。
普通の練習では、相手が毎回まったく同じ場所にボールを送ってくれるとは限りません。
しかしボールマシンなら、同じ方向や似た条件のボールを繰り返し打てます。
たとえば、
- サーブリターンを10本続ける
- ボレーを左右に打ち分ける
- ドロップショットを同じ場所へ落とす
- バックハンド側だけを重点的に練習する
- ネット前での反応を繰り返し確認する
といった練習ができます。
ドロップショット(※相手コートのネット付近へ柔らかく落とし、強く攻撃しにくくするショット)は、ピックルボールの戦術では重要な技術のひとつです。
ゲームだけを繰り返していると、苦手なショットを集中的に練習する時間は意外と取れません。
数日間同じ場所に滞在できる環境なら、「午前中はゲーム、午後は30分だけドロップ練習」というように、遊びとトレーニングを無理なく組み合わせられます。
さらに周辺の経験豊富なコーチから、個人またはグループレッスンを受ける選択肢も用意されています。
ただ遊んで帰るだけではなく、旅行前より少し上手くなって帰れる。
そんな楽しみ方もできる施設です。
ピックルボール旅行という新しい楽しみ方
Blue Ridge Pickle Barnが提案している最大のポイントは、単なる「コート付き宿泊施設」ではありません。
重要なのは、ピックルボールそのものを旅行の目的にしていることです。
たとえば従来の旅行なら、ホテルを決めて観光地を回り、「時間があればスポーツもやろう」という流れが一般的です。
しかしこの施設では、
- ピックルボールをする
- 仲間と食事をする
- 少し休憩する
- またコートへ行く
- 夜は音楽や会話を楽しむ
という過ごし方そのものが旅行になります。
施設にはレコードプレーヤーも置かれ、利用者が好きなアルバムを少しずつコレクションに加えていく取り組みも行われています。
元記事では、すでに52枚ほどのアルバムが集まり、その中には宿泊者自身が持ち込んで残したものもあると紹介されています。
つまり、コートの外でも利用者の思い出が少しずつ施設に積み重なっているわけです。
ピックルボールはダブルスでプレーする機会が多く、ゲームの前後に自然と会話が生まれやすいスポーツでもあります。
その特徴を旅行と組み合わせることで、試合の勝ち負けだけではなく、「誰と一緒に過ごしたか」まで含めて楽しむスポーツ文化が生まれています。
日本でも競技人口が増えていけば、
- 温泉旅館+ピックルボールコート
- リゾートホテル+屋内コート
- キャンプ施設+ピックルボール
- 仲間同士のピックルボール合宿
- 初心者向けレッスン付き宿泊プラン
といった施設が登場する可能性もありそうです。
まとめ
Blue Ridge Pickle Barnは、本格的な屋内コートと宿泊設備を組み合わせ、仲間と自由にピックルボールを楽しめる新しいタイプの施設です。
ゲームだけでなく、ボールマシンを使った練習、食事、休憩、仲間との交流まで含めてひとつの旅行として楽しめます。
特に面白いのは、「旅行先でピックルボールをする」のではなく、ピックルボールをするために旅行するという発想です。
競技がさらに広がれば、日本でも温泉やリゾート、合宿施設などとピックルボールを組み合わせた新しいスポーツ旅行が増えてくるかもしれません。


