MLPプレーオフは8チームによる準々決勝へ突入します。
上位シードが自ら対戦相手を選ぶ独自ルールにも注目です。
今季の直接対決や選手のコンディション、ダブルスの相性をもとに、4カードの見どころを詳しく紹介します。
MLP準々決勝は対戦相手を選べる
MLP(※男女のプロ選手が4人でチームを組み、ダブルスを中心に勝敗を競うプロリーグ)のプレーオフは、8チームによる準々決勝へ進みました。
準々決勝は、最大3試合を戦い、先に2勝したチームがシリーズを突破するベスト・オブ・スリー形式です。
第1試合を落としても、残りの2試合を連勝すれば逆転できるため、選手の起用や試合ごとの修正力も重要になります。
各チーム戦では、基本的に次の4ゲームを行います。
- 女子ダブルス
- 男子ダブルス
- 混合ダブルス第1試合
- 混合ダブルス第2試合
4ゲームを終えて2勝2敗になった場合は、ドリームブレーカー(※両チームの選手が一定のポイントごとに交代しながら戦うシングルス形式のタイブレーク)で決着をつけます。
MLPプレーオフの大きな特徴は、第1~第4シードが第5~第8シードの中から対戦相手を選べることです。
選択順は次のようになっています。
- 第1シードのニュージャージー
- 第2シードのセントルイス
- 第3シードのロサンゼルス
- 第4シードのコロンバス
第1シードは4チームから選べますが、後になるほど選択肢が少なくなります。
最後に残ったチームは、自動的に第4シードの相手になります。
対戦成績、男女ダブルスの相性、選手のけが、直近の調子まで考えて選ぶ必要があるため、相手選びも重要な戦略です。
自分たちで選んだチームに敗れれば、その判断にも注目が集まるだけに、上位シードにとっては難しい決断となります。
ニュージャージー対パームビーチ
第1シードのニュージャージー・ファイブズは、第7シードのパームビーチ・ロイヤルズを準々決勝の相手に選びました。
パームビーチの最大の武器は、ティナ・ピスニク/ソフィア・ソーイング組による女子ダブルスです。
このペアより高い勝率を記録している女子ダブルスは、リーグ全体でも3組しかありません。
ところが、その3組のひとつが、ニュージャージーのアナ・リー・ウォーターズ/ジョージャ・ジョンソン組です。
ニュージャージーは、相手が最も得意とする女子ダブルスに、自分たちの強力なペアを正面からぶつけられます。
ここでパームビーチの得点源を封じれば、男子ダブルスと2試合の混合ダブルスでも試合を有利に進められるという判断です。
ニュージャージーの狙いは、次のように整理できます。
- 女子ダブルスでパームビーチの最大の強みを消す
- 男子ダブルスで優位に立つ
- 混合ダブルスで選手層の厚さを生かす
- ドリームブレーカーへ入る前に勝負を決める
ニュージャージーは、フェデリコ・スタクスルードを獲得してから6戦全勝です。
スタクスルードの加入によって、男子ダブルスだけでなく、混合ダブルスのペア編成にも選択肢が増えました。
両チームは今季1度だけ対戦しており、その試合ではニュージャージーが3対1で勝利しています。
女子ダブルスの強さを打ち消せることや、直接対決で勝っていることを考えると、ニュージャージーにとっては理にかなった相手選びです。
パームビーチが番狂わせを起こすためには、女子ダブルスでウォーターズ/ジョンソン組を破り、早い段階でチームに勢いをつける必要があります。
セントルイス対テキサス
第2シードのセントルイス・ショックは、第8シードのテキサス・ランチャーズを選びました。
今季の直接対決を見る限り、セントルイスにとって最も戦いやすい相手だったと考えられます。
両チームはレギュラーシーズン中に3回対戦し、セントルイスがすべて勝利しています。
- 5月23日:セントルイスが4対0で勝利
- 6月17日:セントルイスが3対1で勝利
- 7月11日:セントルイスが3対0で勝利
- 3試合の合計ポイント:セントルイス120対テキサス45
セントルイスは3試合で10ゲームを獲得し、テキサスに許したゲームはわずか1つです。
合計ポイントでも75ポイント差をつけており、ダブルスで明確な優位性を示しています。
ただし、テキサスにはドリームブレーカーでの強さがあります。
プレーオフ1回戦のアトランタ戦では、2試合とも2勝2敗からドリームブレーカーに突入し、21対14、21対11で連勝しました。
テキサスが勝利するためのポイントは、次のとおりです。
- 男女別ダブルスのどちらかで勝利する
- 混合ダブルスでも最低1勝を確保する
- 2勝2敗でドリームブレーカーへ持ち込む
- シングルスに強い4選手の総合力を生かす
セントルイスとしては、テキサスが得意とするシングルス勝負を避けたいところです。
過去3試合と同じように、男女別ダブルスと混合ダブルスで3勝以上を挙げ、通常の4ゲーム内で決着をつけることが理想です。
過去の成績ではセントルイスが圧倒していますが、短期決戦では1ゲームの流れがシリーズ全体を変えることもあります。
テキサスが最初のダブルスを取れるかが、大きなポイントになるでしょう。
ロサンゼルス対ダラス
第3シードのロサンゼルス・マッドドロップスは、第6シードのダラス・フラッシュを対戦相手に選びました。
今回の4カードで、最も大胆かつ意外な選択といえます。
ロサンゼルスは、今季3戦全勝しているブルックリンを選ぶこともできました。
さらに、ブルックリンのレイチェル・ローラバッカーは脚にけがを抱え、万全のコンディションではないとされています。
それでもロサンゼルスは、13連勝中と勢いに乗るダラスを選びました。
両チームの今季対戦成績は1勝1敗です。
直近の対戦ではダラスがドリームブレーカーで勝利しており、その試合ではロサンゼルスの中心選手であるベン・ジョンズが出場した2ゲームで大差がつきました。
- JW・ジョンソン/オーギー・ゲー組が、ベン・ジョンズ/マックス・フリーマン組に11対3で勝利
- JW・ジョンソン/ブルック・バックナー組が、ベン・ジョンズ/ジェイド・カワモト組に11対1で勝利
ベン・ジョンズは世界トップクラスの実力を持つ選手ですが、その試合では男子ダブルスと混合ダブルスの両方で苦戦しました。
特にJW・ジョンソンとの対戦で主導権を握れなかったことが、ロサンゼルスの敗戦につながっています。
ロサンゼルスがダラスを選んだ理由としては、次の可能性が考えられます。
- 直近の敗戦が本来の実力ではないと証明したい
- ダラスのペアに対する修正策を準備できている
- 前回とは異なるペア編成を試せる
- 優勝するには、いずれ好調なチームを倒す必要がある
一方のダラスは、プレーオフ1回戦でもラスベガスを2勝0敗で下し、連勝を13まで伸ばしました。
混合ダブルスでは11対4、11対1という大差をつけており、男女の連係が非常に安定しています。
安全な道を選ばず、あえて直近で敗れた相手との再戦を選んだロサンゼルス。
この決断が成功するのか、4カードで最も注目したいシリーズです。
コロンバス対ブルックリン
第4シードのコロンバス・スライダーズは、第5シードのブルックリン・ピックルボール・チームと対戦します。
コロンバスがブルックリンを積極的に選んだわけではありません。
ニュージャージーがパームビーチ、セントルイスがテキサス、ロサンゼルスがダラスを選んだため、最後に残ったブルックリンが自動的にコロンバスの相手となりました。
このカードで注目されるのが、ブルックリンのレイチェル・ローラバッカーの状態です。
ローラバッカーは脚のけがに対応するため、女子ダブルスへの出場を控え、主に混合ダブルスでプレーしています。
ローラバッカーが女子ダブルスを欠場した場合、予想される組み合わせは次のとおりです。
- コロンバス:タイラ・ブラック/パリス・トッド組
- ブルックリン:ジャッキー・カワモト/ハンナ・ブラット組
個人の実績やペアの攻撃力を考えると、女子ダブルスではコロンバスが優位と見られます。
ブルックリンは、カワモトの安定した守備とボールコントロールを生かし、相手の速い攻撃を受け止められるかがポイントです。
コロンバスは、タイラ・ブラックの加入後に13勝4敗を記録しています。
敗れた相手は、ダラス、ニュージャージー、セントルイス、パームビーチです。
上位チームには苦戦しているものの、それ以外の相手には安定して勝っています。
さらに、コロンバスの先発4選手は全員が世界ランキングのトップ10に入る実力者です。
ロースター(※チームに登録されている選手構成)だけを見れば、リーグでも最強クラスといえます。
しかし、これまでは個々の強さをチーム全体の勝利へ十分につなげられない試合もありました。準々決勝では、次の点が注目されます。
- 女子ダブルスで先に1勝できるか
- アンドレイ・ダエスクがプレーオフで勝負強さを発揮するか
- 混合ダブルスのペアリングが機能するか
- ブルックリンがローラバッカーをどのゲームで起用するか
ブルックリンにとっては、けがを抱える選手の負担を抑えながら、どの2ゲームを取りにいくかという戦略が重要になります。
準々決勝4カードの注目ポイント
MLPプレーオフ準々決勝の組み合わせは、次の4カードです。
- 第1シード・ニュージャージー対第7シード・パームビーチ
- 第2シード・セントルイス対第8シード・テキサス
- 第3シード・ロサンゼルス対第6シード・ダラス
- 第4シード・コロンバス対第5シード・ブルックリン
ニュージャージーは、パームビーチの最大の武器である女子ダブルスを、自分たちの強力なペアで抑えようとしています。
直接対決でも3対1で勝利しているため、第1シードらしい堅実な選択です。
セントルイスは、今季3戦全勝のテキサスを選びました。
通常のダブルスではセントルイスが有利ですが、テキサスが2勝2敗に持ち込めば、ドリームブレーカーで状況が変わる可能性があります。
ロサンゼルス対ダラスは、最も予想が難しいカードです。
ダラスは13連勝中で、直近の直接対決でも勝利しています。
ロサンゼルスがどのような修正を用意しているかが注目されます。
コロンバス対ブルックリンでは、ローラバッカーのけがと女子ダブルスの組み合わせが大きなポイントです。
コロンバスは世界ランキング上位の選手をそろえていますが、その実力をチーム戦の結果へつなげる必要があります。
観戦時に注目したいポイントは次のとおりです。
- 最初の女子ダブルスをどちらが取るか
- 男子ダブルスで中心選手が力を発揮できるか
- 混合ダブルスのペア編成が機能するか
- 2勝2敗からドリームブレーカーへ進むか
- ベスト・オブ・スリーの中で戦術を修正できるか
1ゲーム目の結果によって、その後の混合ダブルスにかかるプレッシャーも変わります。
選手個人の技術だけでなく、試合順やペア同士の相性を見ることで、チーム戦ならではの面白さを楽しめるでしょう。
まとめ
MLPプレーオフ準々決勝では、上位シードが今季の対戦成績やダブルスの相性、選手のコンディションを考えながら対戦相手を選びました。
ニュージャージーとセントルイスが比較的堅実な選択をした一方、ロサンゼルスは13連勝中のダラスを選ぶ大胆な勝負に出ています。
テキサスが得意のドリームブレーカーへ持ち込めるか、コロンバスが豪華なロースターを勝利につなげられるかも注目です。
対戦相手を選ぶところから始まった戦略勝負が、コート上でどのような結果を生むのか期待が高まります。


