MLPプレーオフ準々決勝では、圧勝や番狂わせ、ドリームブレーカーまでもつれる接戦が続出しました。
ベスト4に進出した各チームの戦い方や勝敗を分けたプレー、準決勝へ向けて残された課題を詳しく紹介します。
MLPプレーオフ準々決勝でベスト4決定
メジャーリーグ・ピックルボール、通称MLP(※男女のプロ選手が4人でチームを組み、ダブルスを中心に勝敗を競うプロリーグ)のプレーオフ準々決勝が行われました。
準々決勝は最大3試合を戦い、先に2勝したチームがシリーズを突破するベスト・オブ・スリー形式です。
第1試合を落としても、残り2試合を連勝すれば逆転できるため、選手の体力だけでなく、ペアの組み合わせや試合ごとの修正力も問われます。
各チーム戦では、基本的に次の4ゲームを行います。
- 女子ダブルス
- 男子ダブルス
- 混合ダブルス第1試合
- 混合ダブルス第2試合
4ゲーム終了時点で2勝2敗になった場合は、ドリームブレーカーで決着をつけます。
ドリームブレーカーとは、両チームの4選手が一定のポイントごとに交代しながらシングルスを戦う、MLP独自のタイブレークです。
準決勝へ進出したのは、次の4チームです。
- ニュージャージー・ファイブズ
- セントルイス・ショック
- ダラス・フラッシュ
- ブルックリン・ピックルボール・チーム
セントルイスは6ゲームを連取し、シリーズ成績2勝0敗で圧勝しました。
ニュージャージーも2勝0敗で突破しましたが、第1試合はドリームブレーカーまでもつれています。
ダラスは第1試合を落とした後に2連勝し、ロサンゼルスを逆転。
ブルックリンは前回王者コロンバスとの第3試合を制しました。
勝ち上がり方の違いから、各チームの強みと課題が見えた準々決勝です。
セントルイスがテキサスを圧倒
セントルイス・ショックは、テキサス・ランチャーズをシリーズ成績2勝0敗で破りました。
準々決勝を突破した4チームの中でも、最も危なげのない勝ち上がりです。
2試合を合わせた総得点は、セントルイスが66点、テキサスが20点。
46ポイントもの大差がつきました。
第1試合では、セントルイスが3ゲームを連取しています。
- 第1ゲーム:11対3
- 第2ゲーム:11対2
- 第3ゲーム:11対4
第1試合だけで、セントルイスは33ポイントを獲得しました。
テキサスは3ゲーム合計で9ポイントにとどまり、一度も5点以上を取れませんでした。
続く第2試合でも、試合の流れは変わりませんでした。
- 第1ゲーム:11対2
- 第2ゲーム:11対4
- 第3ゲーム:11対5
テキサスはゲームを重ねるごとに得点を増やしましたが、どのゲームでもセントルイスを追い込むまでには至りませんでした。
テキサスはプレーオフ1回戦で、アトランタとの2試合をどちらもドリームブレーカーで制しています。
シングルス形式になれば4選手全員が力を発揮できるチームでしたが、セントルイスは通常のダブルスだけで3勝し、ドリームブレーカーへ進む可能性を完全に消しました。
セントルイスの強さは、次の点に表れています。
- 6ゲームすべてでテキサスを一桁得点に抑えた
- 男女別ダブルスと混合ダブルスの両方で勝利
- 2試合とも3ゲームで決着
- プレッシャーのかかる終盤を迎える前にリードを拡大
- ドリームブレーカーを戦わず体力を温存
セントルイスは過去2シーズンも上位争いを続けながら、タイトル獲得には届きませんでした。
今回は初優勝を狙うチームらしく、準々決勝から完成度の高い戦いを見せています。
ほかのチームが第3試合やドリームブレーカーを戦ったことを考えると、疲労を抑えて準決勝へ進めた点も大きなアドバンテージです。
ニュージャージーは接戦を切り抜ける
第1シードのニュージャージー・ファイブズは、パームビーチ・ロイヤルズをシリーズ成績2勝0敗で破りました。
ただし、同じストレート突破でも、セントルイスとは内容が大きく異なります。
第1試合は両チームが2ゲームずつ取り合い、勝負はドリームブレーカーへ突入しました。
終盤では、パームビーチのティナ・ピスニクが好プレーを披露。
ニュージャージーは追い込まれながらも、最後はわずかな差でドリームブレーカーを制しました。
第2試合では、ニュージャージーが3ゲームを獲得して3対1で勝利。
第3試合を行うことなく準決勝進出を決めました。
しかし、ニュージャージーにとって心配なのが、ノエ・クリフ/アナ・リー・ウォーターズ組の混合ダブルスです。
パームビーチのデケル・バー/ティナ・ピスニク組に2試合とも敗れました。
対戦結果は次のとおりです。
- 第1試合:クリフ/ウォーターズ組が4対11で敗戦
- 第2試合:クリフ/ウォーターズ組が9対11で敗戦
第1試合は7ポイント差をつけられ、第2試合は接戦を落としています。
異なる展開の2ゲームで連敗したことは、準決勝へ向けた課題です。
クリフ/ウォーターズ組は、レギュラーシーズンで29勝3敗。
勝率ではMLP全体の混合ダブルス1位でした。
一方、バー/ピスニク組は15勝9敗で、20ゲーム以上を一緒に戦ったペアの中ではトップ10の少し外に位置していました。
レギュラーシーズンの成績ではニュージャージーのペアが明確に上でしたが、準々決勝では結果が逆転しています。
ニュージャージーが検討するポイントは、次のとおりです。
- クリフ/ウォーターズ組をそのまま起用するか
- 混合ダブルスの立ち位置や攻撃パターンを修正するか
- フェデリコ・スタクスルードを別のペアで起用するか
- ウィル・ハウエルズの役割を変更するか
- ドリームブレーカーを想定した選手順をどうするか
現在は、男子ダブルスでスタクスルード/ハウエルズ組、混合ダブルスでクリフ/ウォーターズ組とスタクスルード/ジョージャ・ジョンソン組を起用しています。
準決勝では、バー/ピスニク組と同等か、それ以上の実力を持つ混合ペアと対戦する可能性があります。
29勝3敗の実績を信じて現在の形を続けるのか、それとも勝負どころで変更するのか。
第1シードにとって難しい判断です。
ダラスがロサンゼルスとの激戦に勝利
ダラス・フラッシュは、ロサンゼルス・マッドドロップスとのシリーズを2勝1敗で制しました。
ダラスは、アリックス・トゥルーンとダニーエル・タウンゼントを獲得してから好調を維持しています。
今回の勝利によって、直近16試合の成績は15勝1敗となりました。
シリーズは3試合すべてで最低4ゲームが行われ、第2試合はドリームブレーカーまでもつれました。
第1試合は、ロサンゼルスが3対1で勝利しています。
- 第1ゲーム:ロサンゼルスが11対8で勝利
- 第2ゲーム:ダラスが11対9で勝利
- 第3ゲーム:ロサンゼルスが11対6で勝利
- 第4ゲーム:ロサンゼルスが11対6で勝利
第1試合を落とし、後がなくなったダラスは、第2試合で2勝2敗に持ち込みました。
- 第1ゲーム:ダラスが11対7で勝利
- 第2ゲーム:ロサンゼルスが11対9で勝利
- 第3ゲーム:ロサンゼルスが12対10で勝利
- 第4ゲーム:ダラスが11対5で勝利
- ドリームブレーカー:ダラスが21対11で勝利
第3ゲームを10対12で落とした後、第4ゲームを11対5で取り返した点が大きな分岐点です。
ダラスはドリームブレーカーでも10ポイント差をつけ、シリーズを1勝1敗に戻しました。
決着の第3試合では、ロサンゼルスが第1ゲームを取りましたが、ダラスが3ゲームを連取しました。
- 第1ゲーム:ロサンゼルスが11対6で勝利
- 第2ゲーム:ダラスが11対2で勝利
- 第3ゲーム:ダラスが11対6で勝利
- 第4ゲーム:ダラスが11対8で勝利
勝負を分けたのが、ダラスのJW・ジョンソンです。ロサンゼルスの中心選手であるベン・ジョンズと、男子ダブルスと混合ダブルスの両方で対戦しました。
男子ダブルスでは、JW・ジョンソン/オーギー・ゲー組が11対2で勝利。
わずか2点しか与えず、試合の流れをダラスへ引き寄せました。
続く混合ダブルスでは、JW・ジョンソン/ブルック・バックナー組が、ベン・ジョンズ/ジェイド・カワモト組を相手に6対0とスタートダッシュ。
ロサンゼルスも追い上げましたが、序盤の差を埋められませんでした。
最後はオーギー・ゲー/ダニーエル・タウンゼント組が11対8で勝利し、シリーズを決めました。
このペアは結成後19勝4敗で、ダラスの終盤を任せられる安定したコンビになっています。
ブルックリンが前回王者を撃破
ブルックリン・ピックルボール・チームは、前回王者のコロンバス・スライダーズをシリーズ成績2勝1敗で破りました。
ブルックリンは今季、レイチェル・ローラバッカーとライリー・ニューマンが長期間欠場するなど、けがや体調不良に苦しんできました。
選手の実力は高いものの、予定していた組み合わせで戦えない時期が続いていました。
準々決勝を迎えた時点でも、ローラバッカーの脚が完全に回復しているかは不透明でした。
プレーオフ直前には女子ダブルスへの出場を控え、主に混合ダブルスでプレーしていたためです。
それでもブルックリンは、前回王者を相手にシリーズ第3試合まで戦い抜きました。
第1試合は2勝2敗となり、ドリームブレーカーへ突入しました。
- 第1ゲーム:ブルックリンが11対4で勝利
- 第2ゲーム:コロンバスが13対11で勝利
- 第3ゲーム:ブルックリンが11対8で勝利
- 第4ゲーム:コロンバスが11対5で勝利
- ドリームブレーカー:ブルックリンが21対10で勝利
第2試合も2勝2敗となり、2試合連続でドリームブレーカーに入りました。
- 第1ゲーム:コロンバスが11対4で勝利
- 第2ゲーム:ブルックリンが11対4で勝利
- 第3ゲーム:ブルックリンが12対10で勝利
- 第4ゲーム:コロンバスが11対8で勝利
- ドリームブレーカー:コロンバスが21対18で勝利
第2試合のドリームブレーカーは3ポイント差の接戦でした。
コロンバスがシリーズを1勝1敗に戻し、勝敗は第3試合へ持ち越されます。
第3試合では、ブルックリンが序盤から主導権を握りました。
- 第1ゲーム:ブルックリンが11対5で勝利
- 第2ゲーム:ブルックリンが11対5で勝利
- 第3ゲーム:コロンバスが11対6で勝利
- 第4ゲーム:ブルックリンが11対8で勝利
ブルックリンは最初の2ゲームを連取し、コロンバスにプレッシャーをかけました。
第3ゲームを落としても崩れず、第4ゲームを3ポイント差で取り切っています。
コロンバスには、次の強力な4選手がそろっていました。
- アンドレイ・ダエスク
- CJ・クリンガー
- パリス・トッド
- タイラ・ブラック
4人全員がPPAツアーの男女別ダブルスランキングでトップ10に入っていた実力者です。
個人ランキングだけを見れば、リーグでも最強クラスのロースター(※チームに登録されている選手構成)でした。
しかし、豪華なメンバーが必ずしもチーム戦で勝てるとは限りません。
ブルックリンはけが人を抱えながらも、重要なポイントで役割を分担し、前回王者を上回りました。
準決勝のシード順位と対戦相手選び
準々決勝終了後、レギュラーシーズンの獲得ポイントをもとに、ベスト4のシード順位が組み直されました。
準決勝へ進む4チームの順位は、次のとおりです。
- ニュージャージー・ファイブズ
- セントルイス・ショック
- ブルックリン・ピックルボール・チーム
- ダラス・フラッシュ
MLPプレーオフでは、上位シードが対戦相手を選べます。
第1シードのニュージャージーは、第3シードのブルックリンと第4シードのダラスから準決勝の相手を選択できます。
ニュージャージーの今季対戦成績は、次のとおりです。
- 対ブルックリン:1勝0敗
- 対ダラス:3勝0敗
対戦成績だけを見れば、3戦全勝しているダラスを選ぶのが自然です。
しかし、ダラスは直近16試合で15勝しており、現在の調子では4チームの中でも特に勢いがあります。
一方のブルックリンは、前回王者コロンバスを破りましたが、ローラバッカーの脚の状態に不安が残ります。
ニュージャージーにとっては、現在の勢いを重視してブルックリンを選ぶのか、過去の相性を信じてダラスを選ぶのか、難しい判断になります。
対戦相手を選ぶ際に重要となるポイントは、次のとおりです。
- レギュラーシーズンの直接対決
- 準々決勝でのチーム状態
- 選手のけがや疲労
- 男女別ダブルスの相性
- 混合ダブルスの組み合わせ
- ドリームブレーカーでのシングルス力
ニュージャージーが選ばなかったチームは、第2シードのセントルイスと対戦します。
セントルイスは準々決勝を6ゲーム連続で勝利しており、体力面でも有利です。
ニュージャージーから選ばれれば第1シードとの対戦になりますが、選ばれなければ絶好調のセントルイスが待っています。
ブルックリンとダラスのどちらにとっても、簡単な準決勝にはならないでしょう。
まとめ
MLPプレーオフ準々決勝では、セントルイスが6ゲームを連取し、ニュージャージーはドリームブレーカーを切り抜けて準決勝へ進みました。
ダラスは第1試合を落とした後に逆転し、ブルックリンは2度のドリームブレーカーを含む激戦で前回王者を破っています。
準決勝ではニュージャージーがブルックリンとダラスのどちらを選ぶのか、混合ダブルスのペア編成を変更するのかが注目ポイントです。
個人のランキングだけでなく、ペアの相性や試合中の修正力にも注目すると、MLPのチーム戦をさらに深く楽しめるでしょう。


