キャット・スチュワートが英国遠征で実感した勝負の厳しさと仲間と戦うピックルボールの魅力

コラム

アメリカのプロ選手キャット・スチュワートが、2026年8月にイングランド・バーミンガムで開催された「イングリッシュ・オープン」に出場しました。

女子ダブルスや混合ダブルスでの熱戦、シングルス欠場の決断、ウィンブルドン訪問など、海外遠征ならではのリアルな一週間を振り返ります。

バーミンガムで始まった海外大会への挑戦

キャット・スチュワートは、2026年8月にイングランド・バーミンガムで行われたイングリッシュ・オープンに出場しました。

大会にはアメリカ選手だけでなく、ヨーロッパをはじめ世界各国のプレーヤーが集まり、普段の国内大会とは違う顔ぶれとの対戦が続きました。

大会前には数日前からイギリス入りし、時差への対応を進めながらコンディションを調整。

バーミンガム到着後は屋内会場で実際にポイント練習を行い、ボールの跳ね方やコートの感覚を確認しました。

海外大会では、会場や気候、移動時間など普段と違う条件への対応力も重要になります。

キャットにとって今回の遠征は、単に試合へ出場するだけでなく、環境そのものに合わせながらベストなプレーを引き出す挑戦でもありました。

特に印象的だったポイントは次の通りです。

  • 世界各国の選手と直接対戦できたこと
  • アメリカとは異なる環境でプレーしたこと
  • 海外のファンからも声援を受けたこと
  • 仲間と同じ大会に出場し、遠征生活を共有できたこと

アメリカでの活躍を海外のファンにも知ってもらえていたことは、本人にとってかなり新鮮だったようです。

女子ダブルスで見えたボビーとの成長ポイント

女子ダブルスでは、キャットはボビーとペアを組んで戦いました。

ダブルス(※2人1組でペアを組み、相手の2人組と対戦する種目)は、単純に強いショットを打てば勝てる競技ではありません。

どちらが中央のボールを取るのか、相手の返球に対して前へ出るのか下がるのかなど、パートナーとの連係が大きく勝敗を左右します。

キャットとボビーは、ルース&シェルビー組と接戦を展開しましたが、惜しくも敗れました。

ただ、キャットは試合後、結果だけをネガティブには捉えていません。

2人でプレーする中で、良いパターンや今後伸ばせる部分が多く見つかったことを前向きに評価しています。

特にダブルスは、ペアとして試合数を重ねるほど、お互いの動きや得意なショットへの理解が深まります。

今回の試合は負けではありましたが、シーズン後半に向けてコンビネーションを高める材料が見えた一戦でした。

女子ダブルスで重要になるポイントは次の通りです。

  • パートナーとの声かけ
  • 中央のボールをどちらが処理するか
  • ネット付近でのポジション
  • 攻める場面と守る場面の判断
  • 相手ペアの特徴に合わせた戦術変更

ボビーとのペアは、まだ完成形ではありません。

それだけに、今後どこまで連係が高まるのかも注目ポイントになりそうです。

シングルス欠場を決めた理由とプロのコンディション管理

今回の大会でキャットは、当初予定していたシングルスへの出場を取りやめました。

その背景にあったのが、直前のシカゴで行われたAPPツアーでの連戦と、アメリカからイギリスまでの長距離移動です。

さらに今後も大会が続くことから、チームと相談し、体を回復させることを優先しました。

シングルス(※1人対1人でコートを広く使って戦う種目)は、ダブルス以上に自分がカバーする範囲が広く、走る距離も増えやすい競技です。

疲労がたまった状態で無理に出場すると、女子ダブルスや混合ダブルスのパフォーマンスにも影響が出る可能性があります。

そこでキャットは、目の前の1種目だけではなく、大会全体と今後のシーズンを考えて欠場を選びました。

この判断から見えるのは、トップ選手にとって「休むこと」も競技力の一部だということです。

  1. 直前の試合数を確認する
  2. 長距離移動による疲労を考える
  3. 今後の大会スケジュールを見る
  4. 出場する種目に優先順位を付ける
  5. ケガのリスクを避ける

すべての種目に出場することより、重要な試合で最高の状態を作る。

プロらしい現実的な判断だったと言えます。

ローナンとの混合ダブルスで準々決勝へ進出

大会最終日の混合ダブルスでは、キャットはローナン・キャムロンとペアを組みました。

混合ダブルス(※男女1人ずつでペアを組み、2対2で戦う種目)は、それぞれの得意なプレーをどう組み合わせるかが重要です。

2人は直前のシカゴ大会でも一緒にプレーしており、すでにある程度の連係を作った状態でイングランド大会に入りました。

序盤から安定したプレーを見せ、5試合を勝ち進んで準々決勝へ進出。

ベスト4入りをかけた試合では、強い相手ペアを前に15-12で惜しくも敗れました。

準々決勝(※ベスト8に残った選手やペアが、準決勝進出を争う試合)としてはかなり競ったスコアです。

キャット自身も「できればもう一度やりたい」と思うほど悔しさの残る試合だった一方、終盤については相手のほうが良いプレーをしていたと冷静に分析しています。

ここがプロらしいポイントです。単純に「惜しかった」で終わらせるのではなく、

  • どこで流れが変わったのか
  • 終盤のポイントをどう取られたのか
  • 自分たちの形をどこまで作れたのか

といった部分を振り返り、次の大会につなげています。

結果はベスト8でしたが、海外の実力者を相手に5試合を勝ち抜いたこと自体、内容のある大会だったと言えます。

ウィンブルドン再訪とテニス選手時代の記憶

試合だけでなく、今回の遠征ではキャットの競技人生を感じさせる出来事もありました。

イングリッシュ・オープン前にロンドンへ入ったキャットは、ウィンブルドンとウィンブルドン博物館を訪問。

テニスの世界最高峰の舞台の一つとして知られるセンターコートにも足を運びました。

実はキャットは、ピックルボールへ転向する前はプロテニス選手として活動しており、自身もウィンブルドンに出場した経験があります。

かつて選手として立った場所を、今度はピックルボール選手として訪れる。

本人にとっては、かなり感慨深い時間になったようです。

テニスからピックルボールへ転向した選手は少なくありません。ピックルボールでは、テニス経験で培った

  • ボールへの反応速度
  • ラケットスポーツ特有の距離感
  • ストロークの安定感
  • 試合中の駆け引き

などを生かすことができます。

ただし、ピックルボールではパドル(※ボールを打つために使用する板状の用具)を使い、ネット付近での素早いやり取りも多いため、テニスとは違う技術も必要です。

昔はテニスラケットを持ってウィンブルドンに立ち、現在はピックルボールのパドルを手に世界を回る。

キャットのキャリアの変化を象徴する場面になりました。

勝敗以上に心に残った仲間との遠征とピックルボールへの感謝

大会を終えたキャットが最も強く口にしたのは、勝敗そのものではなく「感謝」でした。

本人によれば、わずか1年前には、ピックルボールを通して世界各地へ遠征し、大会に出場しながら新しい人々と出会う生活を想像していなかったそうです。

プロ選手になると、ランキング、試合結果、練習、大会スケジュールなど数字や結果に意識が向きがちです。

しかし今回のような海外遠征では、一度そこから離れて「この競技のおかげでどんな経験ができているか」を考えるきっかけになると振り返っています。

さらに今回の遠征では、一緒に行動していた仲間たちもそれぞれメダルを獲得しました。

自分だけが勝つのではなく、練習や移動、食事などを一緒に過ごしてきた仲間が結果を残す。

キャットは、その喜びも今回の遠征を特別なものにした理由として挙げています。

大会期間中には、仲間の試合をサイドラインからサポートする場面もありました。

特にドミが決勝でルースを破って金メダルを獲得した際には、コーチ役として試合を見守っていたキャットも大喜びでした。

選手としてコートに立つだけではなく、

  • 仲間を応援する
  • コーチとして支える
  • 一緒に食事をする
  • 移動や観光を楽しむ
  • 勝利を全員で喜ぶ

こうした時間まで含めて、海外遠征の魅力なのかもしれません。

まとめ

キャット・スチュワートのイングランド遠征は、混合ダブルスでのベスト8進出や女子ダブルスでの接戦だけでなく、シングルス欠場というコンディション面での判断も含め、プロ選手のリアルな姿が見える大会になりました。

ウィンブルドンへの再訪や仲間の金メダル獲得など、コート外でも印象的な出来事が続いた一週間です。

勝敗だけではなく、世界を回り、人と出会い、仲間と経験を共有できることもピックルボールの大きな魅力です。

キャットとパートナーたちが今後の大会で今回の経験をどう生かしていくのか、引き続き注目したいところです。

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