2026年にイングランドで開催されたProflex English Openには、56か国から3,500人を超える選手が参加しました。
約8,000試合が行われた世界最大規模の屋内大会を、種目別の優勝者や大会の特徴、国際的な広がりとともに詳しく紹介します。
3,500人超が集まった世界最大規模の屋内大会
2026年8月11日から16日まで、イングランド・バーミンガムで「Proflex English Open Powered by the APP」が開催されました。
会場となったのは、大規模展示施設として知られるNational Exhibition Centre(NEC)です。
今回の大会には、3,500人を超える選手が参加しました。
これは屋内で開催されたピックルボールイベントとして世界最大規模とされており、競技の成長を象徴する数字です。
さらに6日間の大会期間中には約1万人が会場を訪れました。
ポイントは、3,500人すべてがトッププロというわけではないことです。
大会には、
- 世界トップクラスのプロ選手
- 国際大会に出場するエリート選手
- 年代別カテゴリーの競技者
- アマチュアプレーヤー
まで、さまざまなレベルの選手が参加しました。
プロの試合を見るだけでなく、自分自身も同じイベントの中でプレーできる。
この「観る側とプレーする側の距離が近い」大会スタイルは、ピックルボールの大きな特徴です。
3,500人超という参加者数は、競技人口が増えているだけでなく、大会そのものが巨大なスポーツイベントへ成長していることを感じさせます。
56か国から選手が集まり7,987試合を実施
今回のEnglish Openは、「参加者が多かった」で終わらない規模の大会でした。
選手は世界56か国から参加し、6日間で合計7,987試合が行われました。
大会の数字を整理すると、
- 参加選手:3,500人以上
- 参加国:56か国
- 総試合数:7,987試合
- ブラケット:120以上
- 授与メダル:596個
- 使用コート:62面
となっています。
ブラケットとは、年齢、レベル、種目などで分けられた大会の対戦グループのことです。
120を超えるブラケットが用意されたということは、単純に男子・女子のプロ部門だけではなく、かなり細かくカテゴリー分けされていたことが分かります。
さらに使用コートは62面。
仮に1面や2面だけで7,987試合を消化しようとすれば、とても6日間では終わりません。
大量の試合を同時進行できる62面のコートが用意されたことで、プロからアマチュアまで幅広い選手が一度に参加できる大会になりました。
授与されたメダルも596個。
「優勝者だけが注目される大会」ではなく、さまざまなレベルや年代の選手に結果を残すチャンスが用意されていたことも、今大会の大きな特徴です。
マンローとファン・リークがプロ部門で2冠
オープン・プロカテゴリーで特に目立ったのが、ジャック・マンローとルース・ファン・リークです。
2人はともに2個の金メダルを獲得しました。
そして、そのうちひとつが2人で組んだミックスダブルスです。
ミックスダブルスは、男性1人・女性1人でペアを組む種目です。
男子と女子でショットの特徴や得意な展開が違うため、単純な個人能力だけでなく「どの選手と組むか」がかなり重要になります。
マンローは、
- 男子ダブルス:金メダル
- ミックスダブルス:金メダル
を獲得。
男子ダブルスではリチャード・リボーネス・ジュニアとペアを組みました。
ファン・リークは、
- 女子ダブルス:金メダル
- ミックスダブルス:金メダル
- 女子シングルス:銀メダル
という成績です。
女子シングルスでも決勝まで進んでおり、もしここでも勝っていればトリプルクラウンでした。
トリプルクラウンとは、シングルス、男女別ダブルス、ミックスダブルスの3種目すべてで優勝することです。
1大会で3種目を戦うには、技術だけでなく体力や試合ごとの切り替えも必要になります。
ファン・リークの「金・金・銀」という結果は、あと一歩で大会完全制覇というかなり高いレベルの成績でした。
シングルス・ダブルスで国際色豊かな優勝者が誕生
プロカテゴリーでは、種目ごとに異なる国や地域の選手がタイトルを獲得しました。
主な優勝者は、
- 男子シングルス:イグナシ・デ・ルエダ
- 女子シングルス:ドメニカ・トゥルコビッチ
- 男子ダブルス:ジャック・マンロー/リチャード・リボーネス・ジュニア
- 女子ダブルス:ルース・ファン・リーク/シェルビー・ベイツ
- ミックスダブルス:ジャック・マンロー/ルース・ファン・リーク
です。
男子シングルスでは、スペインのトッププロ、イグナシ・デ・ルエダが金メダルを獲得しました。
女子シングルスではドメニカ・トゥルコビッチが優勝し、ファン・リークのトリプルクラウンを阻止しています。
シングルスとダブルスでは、同じ競技でも求められる力が少し変わります。
シングルスでは、広い範囲を1人でカバーするため、
- フットワーク
- ボールへの反応
- 相手を左右に動かすショット
- 1対1でポイントを決め切る力
が重要です。
一方ダブルスでは、
- パートナーとの位置関係
- 相手への配球
- ネット前での連携
- 誰がどのボールを取るかの判断
が勝敗に大きく影響します。
マンローやファン・リークのように複数種目で優勝できる選手は、シングルス的な個人能力とダブルスでの連携力の両方を持っていることが分かります。
50歳以上ではジャルディムがトリプルクラウン
今大会でもうひとつ注目したいのが、50歳以上のプロカテゴリーです。
ここではマルセロ・ジャルディムが、
- 男子シングルス
- 男子ダブルス
- ミックスダブルス
の3種目すべてで優勝し、トリプルクラウンを達成しました。
男子ダブルスではリチャード・ラブ、ミックスダブルスではリー・ホイットウェルとペアを組んでいます。
この結果から分かるのは、ピックルボールの競技カテゴリーがかなり幅広いことです。
トッププロの大会というと、若い選手だけが中心になるイメージもあります。
しかしピックルボールでは、年代別カテゴリーが用意されている大会も多く、50歳以上でもプロとして高いレベルで競技を続けられます。
しかもジャルディムは、シングルスだけでなく2種類のダブルスでも優勝。
1日を通して複数種目を戦うことを考えると、体力やコンディション管理も重要です。
特にシングルスはコートを1人でカバーする必要があるため、ダブルス以上に運動量が多くなります。
そのうえで3種目を制したジャルディムのトリプルクラウンは、50歳以上カテゴリーの競技レベルの高さを象徴する結果となりました。
GPAの国際連携がピックルボールの成長を後押し
2026年English Openの背景には、国際的な大会連携の動きもあります。
2025年末、APPを含む複数のピックルボール団体が「Global Pickleball Alliance(GPA)」を立ち上げました。
GPAが目指しているのは、世界各地でバラバラに行われている大会や選手活動を少しずつつなげていくことです。
主な取り組みには、
- 世界各地の大会スケジュールの連携
- 国際ランキング制度の整備
- 大会運営ノウハウの共有
- 選手や競技団体同士の連携
- ピックルボールの国際的な普及
などがあります。
今回のEnglish Openでは、56か国から選手が参加しました。
これだけ国際色の強い大会を開催するには、選手募集だけでなく、大会ルール、カテゴリー、ランキング、競技運営など多くの部分で調整が必要になります。
また、62面のコートと120以上のブラケットを同時に管理するとなれば、運営面の規模もかなり大きくなります。
GPAのような国際連携が進めば、世界各国の選手が同じ大会へ参加しやすくなり、国際大会同士の位置づけも分かりやすくなっていく可能性があります。
56か国・3,500人以上が参加した今回の大会は、ピックルボールが「国ごとに楽しむ競技」から「世界の選手が同じ舞台で競うスポーツ」へ移りつつあることを感じさせるイベントになりました。
まとめ
2026年Proflex English Openは、3,500人を超える選手が56か国から集まり、7,987試合が行われる世界最大規模の屋内ピックルボール大会となりました。
ジャック・マンローとルース・ファン・リークが2冠を達成し、50歳以上ではマルセロ・ジャルディムがトリプルクラウンを獲得するなど、プロカテゴリーでも印象的な結果が生まれました。
さらに62面のコート、120以上のブラケット、596個のメダルという数字からも、プロだけでなく幅広い年代・レベルの選手が参加できる競技であることが分かります。
国際大会の連携も広がる中、今回のEnglish Openはピックルボールが世界規模のスポーツへ成長していることを数字と実績の両面で示す大会となりました。


