PPAアリゾナ大会決勝を総まとめ|船水雄太が男子複準優勝、ウォーターズは2冠達成

コラム

PPAアリゾナ大会の決勝では、男子ダブルスからシングルスまで大接戦が続きました。

日本の船水雄太も男子ダブルスで決勝へ進出し、優勝まであと一歩に迫る活躍。

さらにアナ・リー・ウォーターズが2冠を達成するなど、世界トップレベルの勝負強さが詰まった一日となりました。

決勝は3ゲーム制へ変更!短期決戦ならではの緊張感

今回の決勝で大きなポイントとなったのが、試合形式の変更です。

これまでの決勝では5ゲーム制・3ゲーム先取が採用されていましたが、今回は3ゲーム制・2ゲーム先取となりました。

ゲーム数が少なくなったことで、一度流れを失ったときに立て直せる時間も短くなります。

第1ゲームを落とすと、次のゲームを落とした時点で試合終了。そのため、序盤から集中力を高めてプレーする必要がありました。

特にピックルボールでは、ネット付近での細かなラリーや一瞬の判断がポイントを左右します。

短期決戦では「様子を見る」時間が少なく、早い段階で相手の特徴を見抜いて戦術を変える対応力も重要です。

実際に、この日の5つの決勝戦のうち3試合が最終ゲームまでもつれました。

  • 決勝は3ゲーム制
  • 2ゲーム先取で勝利
  • 5試合中3試合が最終ゲームへ
  • 序盤から1ポイントの重要性が高い試合形式

※ゲーム:ピックルボールで一定の得点まで競う1セット分のことです。

試合時間そのものは短くなりやすい形式ですが、プレーする選手にとっては一つひとつのミスがより重くなるため、これまで以上に緊張感のある決勝となりました。

男子ダブルスは91分の死闘!船水雄太ペアが準優勝

男子ダブルスで大きな注目を集めたのが、日本の船水雄太です。

ニコ・アセベドとのペアで第15シードから勝ち上がり、決勝まで進出しました。

船水/アセベド組は大会途中で第1シード、第3シードといった上位ペアを破り、勢いに乗って決勝へ。

対するのは、第2シードのクリスチャン・アルション/アンドレイ・ダエスク組でした。

決勝は開始から接戦となります。第1ゲームはアルション/ダエスク組が11-7で先取。

しかし第2ゲームでは、船水/アセベド組が7-11で取り返し、勝負は最終ゲームへ突入しました。

最終ゲームは通常より長い15点制となり、両ペアが譲らない展開に。

船水/アセベド組には、なんと7回も「あと1ポイント取れば優勝」というチャンスがありました。

それでもアルション/ダエスク組が粘り強くラリーをつなぎ、優勝ポイントを何度も阻止。

最後は15-13で逆転勝利を収めました。

試合時間は91分。ダブルスとしては非常に長い試合となり、体力だけでなく集中力も問われる内容でした。

  • 優勝:クリスチャン・アルション/アンドレイ・ダエスク
  • 準優勝:ニコ・アセベド/船水雄太
  • スコア:11-7、7-11、15-13
  • 試合時間:91分
  • 船水/アセベド組は7度の優勝ポイントを迎える

※シード:大会前のランキングや実績などをもとに決められる組み合わせ上の順位です。

惜しくも優勝には届きませんでしたが、第15シードからトップシードを次々と倒して決勝まで進んだこと自体が大きな結果です。

日本のファンにとっても、船水が世界トップレベルの選手と互角以上に戦ったことが伝わる一戦となりました。

女子ダブルスは大逆転寸前!トッド&ロアバッカーが優勝

女子ダブルス決勝では、第1シードのパリス・トッド/レイチェル・ロアバッカー組と、第2シードのハリケーン・タイラ・ブラック/メーガン・ディゾン組が対戦しました。

序盤はトッド/ロアバッカー組が完全に主導権を握ります。

第1ゲームを11-4で奪うと、第2ゲームでも10-2までリード。

あと1ポイントを取れば、その時点で優勝という状況まで進みました。

普通ならそのまま試合が終わってもおかしくありません。

しかし、ここからブラック/ディゾン組が驚異的な追い上げを見せます。

ポイントを少しずつ積み重ね、トッド/ロアバッカー組の優勝ポイントを阻止。

ついには第2ゲームを逆転で奪い、試合を最終ゲームまで持ち込みました。

10-2からゲームを落としたトッド/ロアバッカー組にとっては、精神的にもかなり難しい状況です。

しかし最終ゲームでは再び落ち着きを取り戻し、11-6で勝利しました。

  • 第1ゲーム:トッド/ロアバッカーが11-4
  • 第2ゲーム:10-2からブラック/ディゾンが逆転
  • 第3ゲーム:トッド/ロアバッカーが11-6
  • トッド/ロアバッカーはペアとして2回目の優勝

※チャンピオンシップポイント:そのポイントを取れば大会優勝が決まる場面のことです。

この試合では、技術だけでなくメンタル面の強さも大きなポイントとなりました。

一度は目の前まで来ていた優勝を逃しながら、最終ゲームで立て直したトッド/ロアバッカー組の対応力が光っています。

ミックスダブルスはウォーターズ&ジョンズがストレート勝利

ミックスダブルス決勝では、アナ・リー・ウォーターズ/ベン・ジョンズ組が、レイチェル・ロアバッカー/クリスチャン・アルション組と対戦しました。

この試合で注目したいのがロアバッカーです。

女子ダブルス決勝で優勝を決めたわずか18分後に、今度はミックスダブルスの決勝へ出場しました。

トップレベルの大会では複数カテゴリーに出場する選手も多く、短時間で気持ちと身体を切り替える力も必要になります。

しかし、ウォーターズ/ジョンズ組は序盤から安定したプレーを見せました。

第1ゲームを11-3で先取すると、第2ゲームも大きく崩れることなく11-6で勝利。

ストレートでタイトルを獲得しました。

ウォーターズ/ジョンズ組は以前からトップクラスのペアとして知られていますが、メサでは2024年以来ミックスダブルスの優勝から遠ざかっていました。

今回の勝利で再びこの大会の頂点に立った形です。

  • 優勝:アンナ・リー・ウォーターズ/ベン・ジョンズ
  • スコア:11-3、11-6
  • ベン・ジョンズはPPAミックスダブルス通算80タイトル
  • ジョンズは58大会連続で少なくとも1つの金メダルを獲得

※ミックスダブルス:男女1人ずつの2人組で戦うダブルス種目です。

ジョンズにとっては、PPAツアーのミックスダブルスで通算80回目となるタイトル。

長期間にわたってトップレベルを維持していることが分かる記録です。

男子シングルスはハワースが逆転!8連続ポイントで連覇

男子シングルス決勝では、クリス・ハワースと第2シードのフェデリコ・スタクスルードが対戦しました。

試合は最初からハイレベルな展開となり、第1ゲームはスタクスルードが12-10で先取します。

第2ゲームも接戦となりましたが、今度はハワースが11-9で勝利。

これでゲームカウントは1-1となり、優勝の行方は最終ゲームへ持ち越されました。

最終ゲームではスタクスルードが先に流れをつかみ、ハワースは3-6とリードされます。

3点差は決して逆転不可能な点差ではありませんが、優勝がかかった最終ゲームではプレッシャーが大きくなる場面です。

ところが、ここからハワースが一気にギアを上げます。

相手に1ポイントも与えないまま8ポイントを連続で獲得。

3-6から11-6まで一気にスコアを伸ばし、そのまま優勝を決めました。

  • 第1ゲーム:10-12
  • 第2ゲーム:11-9
  • 第3ゲーム:11-6
  • 最終ゲームは3-6から8連続得点
  • ハワースはメサ大会を連覇
  • PPAツアー通算9タイトル目

※シングルス:1対1で戦う種目です。
ダブルスとは違い、コートの広い範囲を1人で守るため、スピードやスタミナも重要になります。

最後の8連続ポイントは、この試合最大の見どころ。

流れを一度つかむと、そのまま一気に試合をひっくり返せるピックルボールの面白さがよく表れた試合でした。

女子シングルスはウォーターズが制覇!大会2冠を達成

大会最後の決勝となった女子シングルスでは、アナ・リー・ウォーターズと第2シードのケイト・フェイヒーが対戦しました。

第1ゲームはフェイヒーが積極的に攻撃を仕掛けます。

特にフォアハンドを使った展開でウォーターズにプレッシャーをかけ、スコアは終盤まで接戦となりました。

それでも、重要な場面でウォーターズが勝負強さを発揮します。

ゲームポイントではロブサーブを選択。

高い軌道のサーブで相手のタイミングをずらし、フェイヒーのリターンミスを誘いました。

これで第1ゲームを11-9で獲得します。

第2ゲームに入ると、ウォーターズがさらに安定感を高めました。

第1ゲームほどの接戦にはならず、11-4で勝利。

ストレートで女子シングルスの優勝を決めました。

  • 第1ゲーム:11-9
  • 第2ゲーム:11-4
  • ウォーターズがストレート勝利
  • ミックスダブルスと合わせて2冠

※フォアハンド:利き手側で打つショットです。身体を使って強いボールを打ちやすく、攻撃の中心になりやすいショットです。

※ロブサーブ:通常より高い軌道で打つサーブ。
相手の打点やタイミングを変化させる狙いがあります。

ウォーターズはすでにミックスダブルスでも優勝していたため、この勝利で大会2冠を達成しました。

ダブルスとシングルスでは求められる動きや戦術が異なりますが、両カテゴリーで結果を残した点でも存在感の大きさが分かります。

まとめ

今回の決勝日は、5試合中3試合が最終ゲームまでもつれるなど、短期決戦とは思えないほど濃い試合が続きました。

特に男子ダブルスでは、日本の船水雄太がニコ・アセベドとのペアで第15シードから決勝まで進出し、7度の優勝ポイントを迎えるところまで迫っています。

男子シングルスではハワースが3-6から8連続得点で逆転し、ウォーターズはミックスダブルスと女子シングルスの2冠を達成しました。

スコアだけでなく、追い込まれた場面でどう流れを取り戻すのかにも注目すると、ピックルボール観戦がさらに面白くなりそうです。

タイトルとURLをコピーしました