ピックルボールで競技する選手にとって、パドルの性能は勝敗を左右する大事な要素です。
アメリカのピックルボール協会(UPA-A)は2025年から「破壊試験」を導入し、パドルの品質管理をさらに厳しくする新しいテスト制度をスタートさせます。
これで試合でのパドル性能が安定し、選手全員がよりフェアな条件で競技に臨めるようになります。
破壊試験って?パドルの性能変化を徹底チェック!
UPA-Aが新しく導入する「破壊試験」とは、パドルが時間とともにどう変化するかを評価するテストです。
ピックルボールのパドルには「ならし期間(※使い込むことで性能が変化する期間)」があり、特にプロの試合ではこの変化が問題となります。
破壊試験では、試合環境と同じようにパドルを繰り返し使用することで、その品質がどう変わるかを評価します。
例えば、試合中にパドルが突然性能を上げてしまうと、他の選手との間に大きな差が生じることがあります。
そこでUPA-Aは、選手が試合で使うパドルが基準を超えないように管理することで、誰もが公平な環境で戦えるようにすることを目指しています。
新しいパドル認証制度で、メーカーの品質管理を徹底!
プロの試合に出場するためには、パドルがUPA-Aの認証を取得しなければならず、その認証料は年間で$20,000(約220万円)。
さらに、モデルごとに追加料金が必要となります。この厳格な認証制度の背景には、ピックルボールブームに乗じて市場に溢れる低品質なパドルを排除する目的があります。
これにより、UPA-Aの認証を受けたパドルだけがプロ選手の試合で使われることになり、パドルメーカーはより高い品質管理が求められることになります。
選手たちは、安心して品質の揃ったパドルを使うことができ、よりフェアな試合が実現します。
「ホットネス」ってなに?パドル性能の一貫性を守る新基準
パドルの「ホットネス(※ボールが反発するスピード)」は、使い続けるうちに変わることがあり、なかにはたった1日で劇的に変化するパドルもあるんです。
これまでこの基準が明確に管理されていなかったため、選手は毎試合で異なるパドル性能に対応する必要がありました。
UPA-Aの新しいテスト基準では、このホットネスの変化を抑え、プロ試合ではパドル性能が一定に保たれるようにします。
つまり、選手は自分の実力に集中でき、道具に左右されない公平な競技環境が提供されるようになります。
2025年から導入されるパドルチャレンジ制度!選手自身がパドルの品質管理に関与
2025年からは、プロのピックルボール選手が試合で使うパドルの特性に対する責任を持つ「パドルチャレンジ制度」が導入されます。
選手は、試合中にパドルに違和感を感じた場合、そのパドルが基準に達しているかテストを申請できます。
もし基準を満たしていないパドルが発見されれば、ペナルティが科される可能性があります。
この制度によって、選手たちは自分のパドルの品質に敏感になり、UPA-Aによる品質管理もより強化される見込みです。
チャレンジ制度の導入で、競技の公正性がさらに向上することでしょう。
新基準「PBCoR」って?パドルのパワーとスピンを管理
新しいテスト基準「PBCoR(※パドル・ボール反発係数)」が導入されることで、パドルのパワーやスピンの特性が統一されます。
PBCoRは、パドルとボールの反発力を測定する指標で、これによりパドルが使い込まれても性能が一定に保たれ、試合ごとにパワーの差が出ないようにします。
UPA-Aはこの基準を設けることで、プロレベルの試合では一定の品質と性能を確保し、プレイヤーが道具の違いに左右されずに実力を発揮できる環境を作ることを目指しています。
まとめ
2025年から、ピックルボールの競技環境が大きく進化します。
UPA-Aによる厳格なパドル認証制度、破壊試験、パドルチャレンジ制度の導入で、選手たちは一貫した品質のパドルで競技に集中できるようになります。
パドルの品質が厳しく管理されることで、ピックルボールの未来はさらに明るいものになるでしょう。