ピックルボールをもっと楽しむための「暗黙のルール」入門

コラム

ピックルボールには、公式ルールとは別に“わざわざ書いてないけど、みんなが大事にしているマナー”があります。

これを知っているかどうかで、同じプレーでも居心地がかなり変わります。

今回は、初めての人でもすぐマネできる暗黙のルールを、日本のプレー環境でも使いやすい形でまとめました。  

あいさつとマナーで楽しい空気をつくろう

コートに入ったら、まずは軽く会釈して「よろしくお願いします!」とひと言。

時間があれば「○○です、今日はお願いします」と名前を伝えると、場が一気に和みます。  

試合が終わったら、ネットのそばで「ありがとうございました」と声をかけつつ、パドル同士を軽くコツンと当てる「パドルタップ(※握手代わりの挨拶)」をすると、ピックルボールらしい締め方になります。

年配の方や初心者には、少しゆっくり話す・ボールを優しく返すなど、さりげない気づかいも好印象です。  

アドバイスは「聞かれてから」が鉄則です

ラリーを見ていると「こうしたら入るのにな…」と思うこと、ありますよね。

でも、暗黙のルールとしては、こちらから一方的にフォームや戦術を指摘するのはNG寄りです。  

具体的には、ポイント間に「もっと前出たほうがいいですよ」などと言うのではなく、相手から「今のどうしたらよかったですか?」と聞かれたときだけ、短くアドバイスするのがスマートです。

どうしても伝えたい時は「少しだけいいですか?」と前置きして、1点だけに絞ると、押しつけになりにくいです。  

スコアやジャッジはフェアにいこう

ピックルボールはラリーが速く、スコアを言い間違えることが日常茶飯事です。

ポイント途中で止めて議論を始めると、空気が重くなりがち。

いったんラリーを最後まで続けてから、「さっきのポイントからスコア確認してもいいですか?」と落ち着いて話すほうがスムーズです。  

ライン際のボールで、自分側からはよく見えなかったときは、「見えなかったのでインでいいです」などと相手有利にするのが暗黙のフェアプレーです。

迷ったときは自分の得点にせず、相手に渡す。この姿勢があると、逆の立場になったときも信頼してもらえます。  

サーブとリターンのときの気づかい

サーブを打つ前は、相手がしっかり構えたかを軽く確認してから始めるのがマナーです。

相手がボールを拾っていたり、ポジション移動中だったりするのに、急いでサーブするのは「準備できてないのに…」と不快に感じられます。  

また、明らかに初心者やレベル差がある相手に、いきなり全力のフラットサーブを連発するのも控えめに。

最初は少し抑えたスピードで入り、相手が慣れてきたら強さを上げていくと、みんなが楽しくプレーできます。

「この相手にはどのくらいがちょうどいいかな?」と探りながらサーブを選ぶのも、立派な技術です。  

パドル・順番待ちで揉めないコツ

複数グループでコートを共用するときは、順番待ち用にパドルラック(※パドルを立てて順番を管理するスタンド)を使うことがあります。

このとき、自分のパドルをこっそり前に差し込んだり、仲良い人のパドルを優先したりするのは、かなり嫌がられる行為です。  

基本は「来た順」「前のゲームの勝ち負け」など、その場所で共有されているルールに従うこと。

わからないときは「次どう回しますか?」と周りに聞いておけばトラブルを防げます。

勝ったペアを次のコートに優先的に入れる文化がある場所もあるので、その場のやり方を尊重しつつ、公平さを意識するのがポイントです。  

決まりすぎたポイントの振る舞い方

相手が簡単なボールをネットにかけたときや、サーブミスをしたときに、こちらが大きくガッツポーズをすると、相手は少ししょんぼりします。

自分が狙って打ったウィナーなら、控えめなガッツポーズやパートナーとのハイタッチはOKですが、相手の“ミスだけで取れたポイント”は、リアクションを小さめにするのがスマートです。  

また、強打が相手の身体に当たる「ボディバッグ(※身体を狙った強打)」や、ネットに当たってから入るラッキーボールは、どうしても起こります。

毎回大げさに謝る必要はありませんが、ニヤニヤしたり、相手を煽るような態度は避けましょう。

軽く会釈する、表情をフラットに保つだけでも、十分大人な振る舞いになります。  

まとめ

暗黙のルールは、どれも「勝つため」だけでなく「またこの人と一緒にやりたい」と思ってもらうための小さなコツです。  

あいさつ・フェアなジャッジ・順番待ちのマナー・喜び方のバランスを少し意識するだけで、コートの空気は驚くほど良くなります。  

最初から全部完璧である必要はないので、今日できそうなものを一つ選んで試してみてください。  

プレーの上達と同じくらい、「気持ちよく遊べる人」になれると、ピックルボールはもっと楽しくなります。

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