PPA Tour 2026 ラスベガス・オープンでは、ベン・ジョンズが男子シングルス、男子ダブルス、混合ダブルスの3種目すべてで決勝へ進出しました。
しかし、チャンピオンシップ・サンデーでは3試合すべて敗戦。
期待されたトリプルクラウンには届かず、まさかの「3種目すべて準優勝」という結末になりました。
ベン・ジョンズが男子シングルスで決勝進出
ラスベガス・オープンでまず大きな注目を集めたのが、ベン・ジョンズの男子シングルスでの勝ち上がりです。
ジョンズはラウンド16でディラン・フレイジャーを破ると、準々決勝ではクリスチャン・アルション、準決勝ではジョン・ルシアン・ゴインズを撃破。
実力者との対戦を次々と突破し、決勝まで勝ち上がりました。
ジョンズはPPA Tourの男子シングルスで1年以上タイトルから遠ざかっています。
かつてシングルスでも圧倒的な存在感を見せていた選手だけに、「そろそろ優勝が見たい」と感じていたファンにとっては期待が高まる展開でした。
2026年は2月のMesa Cupでも決勝へ進んで準優勝。
今回のラスベガスでも再びファイナルに到達したことで、シングルスのタイトルこそ獲得できていないものの、トップ選手を相手に勝ち上がれる力はまだ十分に残っていることを示しています。
特に男子シングルスは、PPA Tourでも競争が激しいカテゴリーのひとつです。
スピード、コートカバー、ショットの精度など、選手個人の総合力がそのまま結果に出やすい種目。
その中で決勝まで残ったジョンズのパフォーマンスは、結果以上に意味のあるものでした。
※PPA Tour:世界トップクラスのプロ選手が参戦するピックルボールの主要プロツアーです。
ハンター・ジョンソンが圧倒して男子シングルス優勝
男子シングルス決勝では、ベン・ジョンズとハンター・ジョンソンが対戦しました。
久しぶりのシングルスタイトルを狙うジョンズに対し、試合を完全に支配したのはジョンソンです。
スコアは11-1、11-3。2ゲームともジョンズにほとんど反撃の余地を与えない内容で、ストレート勝利を収めました。
特に第1ゲームを11-1で奪ったことで、試合の流れは序盤からジョンソン側へ大きく傾きました。
ジョンズとしてはここまで強豪を倒して決勝まで進んできただけに、最後の一戦でこれほど点差をつけられたのは予想外の結果だったと言えます。
この優勝でジョンソンは、2026年シーズン4個目となる金メダルを獲得。
男子シングルスのタイトル争いで、存在感をさらに高める結果になりました。
一方のジョンズは、2月のMesa Cupに続いて今季2度目のシングルス準優勝。
タイトル復帰はまたしてもお預けとなりましたが、決勝まで進めるだけの実力があることは証明しています。
「ジョンズがいつシングルスで再び優勝するのか」は、今後のPPA Tourを見るうえでも大きな注目ポイントになりそうです。
※シングルス:1人対1人で戦う試合形式です。
ダブルスに比べて守る範囲が広く、フットワークや体力もより求められます。
男子ダブルスではジョンズ&タルディオが2026年初黒星
シングルス決勝で敗れたあと、ジョンズは男子ダブルス決勝にも登場しました。
ペアを組んだのはゲイブ・タルディオ。
2026年シーズンに高い安定感を見せていたコンビで、この大会でも順当に決勝まで勝ち上がってきました。
しかし決勝では、クリスチャン・アルション/アンドレイ・ダエスク組が立ちはだかります。
結果は6-11、8-11。ジョンズ/タルディオ組はストレートで敗れ、タイトルを逃しました。
この敗戦が特に注目された理由は、ジョンズ/タルディオ組にとって2026年の男子ダブルスで初めての黒星だったからです。
それまで負けなしだったペアが決勝で敗れたことで、男子ダブルスの勢力図にも少し変化が見えてきました。
アルション/ダエスク組にとっては、絶好調だったジョンズ/タルディオ組を倒したという意味でも大きな勝利です。
またジョンズは、その日の男子シングルス決勝も戦っています。
複数種目に出場するトップ選手は、短時間のうちにシングルスとダブルスを切り替えなければなりません。
シングルスでは自分ひとりでコートをカバーし、ダブルスではパートナーとの連携やポジショニングが重要になります。
単純に体力だけではなく、プレースタイルや判断を切り替える難しさもあります。
※ダブルス:2人1組のペア同士で戦う試合形式です。
個人技だけでなく、パートナーとの役割分担や連携も重要になります。
混合ダブルスでもジョンズ&ウォーターズが敗れる
この日のジョンズにとって、最後のチャンスとなったのが混合ダブルス決勝です。
ジョンズがペアを組んだのはアナ・リー・ウォーターズ。
男女それぞれのトップ選手が組む強力なペアとして、優勝候補に挙げられる存在です。
対するのは、ヘイデン・パトリキン/アナ・ブライト組。
試合は接戦のスタートとなり、第1ゲームは11-9でパトリキン/ブライト組が獲得しました。
わずか2点差だっただけに、ジョンズ/ウォーターズ組にも十分にチャンスがある展開です。
しかし第2ゲームもパトリキン/ブライト組が11-7で勝利。
ジョンズ/ウォーターズ組はストレート負けとなり、混合ダブルスでも準優勝に終わりました。
これによってジョンズは、この日の3つの決勝すべてで敗戦。
大会開始時には、男子シングルス、男子ダブルス、混合ダブルスの3種目をすべて制する「トリプルクラウン」への期待も高まっていました。
しかし結果は正反対で、3種目すべてで銀メダルという珍しい結果になりました。
ただし見方を変えれば、3種目すべてで決勝まで残ったということでもあります。
シングルスでは1人で戦い、男子ダブルスではタルディオ、混合ダブルスではウォーターズとペアを組み、それぞれで決勝進出。
タイトルこそ逃しましたが、ジョンズの総合力の高さが改めて浮き彫りになった大会でもあります。
※混合ダブルス:男性1人、女性1人でペアを組んで戦うダブルスです。
※トリプルクラウン:1つの大会でシングルス、男女別ダブルス、混合ダブルスの3種目すべてを優勝することです。
女子ダブルスはウォーターズ&ブライトが優勝
女子ダブルス決勝では、アナ・リー・ウォーターズ/アナ・ブライト組と、タイラ・ブラック/キャサリン・パレンテオ組が対戦しました。
第1ゲームはウォーターズ/ブライト組が11-8で先取。
まずは優勝候補のペアが一歩リードします。
ところが第2ゲームは一転して接戦に。
ブラック/パレンテオ組が粘りを見せ、12-10でゲームを奪い返しました。
ピックルボールでは通常、11点を先取しても2点差がついていなければゲーム終了になりません。
そのため10-10からさらにポイントを重ねる必要があり、この第2ゲームは最後まで勝敗が分からない展開となりました。
勝負を決める第3ゲームでは、ウォーターズ/ブライト組が再び主導権を握ります。
11-5で最終ゲームを制し、ゲームカウント2-1で優勝。第2ゲームを接戦の末に落としながら、最終ゲームではしっかり立て直しました。
混合ダブルスではジョンズを破ったブライトですが、女子ダブルスでも金メダルを獲得。
チャンピオンシップ・サンデーで存在感を見せる結果となりました。
※ゲームカウント:何ゲームを獲得したかを表す数字です。
この試合ではウォーターズ/ブライト組が2ゲームを取り、2-1で勝利しました。
女子シングルスはケイトリン・クリスチャンが制覇
女子シングルス決勝では、ケイトリン・クリスチャンとキオラ・クニモトが対戦しました。
第1ゲームはクリスチャンが11-8で先取します。
3点差という比較的競ったスコアでしたが、先に1ゲームを取ったことでクリスチャンが優勝へ一歩近づきました。
ところが第2ゲームでは流れが大きく変わります。
クニモトが11-2という大差で勝利。
第1ゲームを落としたあととは思えないほど一気に巻き返し、試合を最終ゲームへ持ち込みました。
ここで注目したいのがクリスチャンの切り替えです。
第2ゲームを2-11で落とすと、そのまま相手に勢いを持っていかれてもおかしくありません。
しかし最終ゲームではしっかりと立て直し、11-4で勝利しました。
最終的には11-8、2-11、11-4のゲームカウント2-1でクリスチャンが優勝。
一度大きく崩れながらも、最終ゲームで修正して勝ち切った点が印象的な決勝でした。
シングルスはパートナーがいないため、試合中の修正も基本的には自分で行わなければなりません。
相手の戦い方を見ながらプレーを変えられる対応力や、悪い流れを引きずらないメンタルの強さも重要です。
今回のクリスチャンの勝利は、まさにそうしたシングルスの難しさと面白さが表れた試合だったと言えます。
まとめ
PPA Tour 2026 ラスベガス・オープンでは、ベン・ジョンズが男子シングルス、男子ダブルス、混合ダブルスの3種目すべてで決勝へ進出しながら、すべて準優勝という珍しい結果になりました。
男子シングルスではハンター・ジョンソンが2026年4個目の金メダルを獲得し、男子ダブルスではジョンズ/タルディオ組が今季初黒星。女子ではウォーターズ/ブライト組、ケイトリン・クリスチャンがそれぞれタイトルを獲得しています。
ジョンズが再びシングルスタイトルを手にするのか、それとも新たな選手が勢力を広げていくのか。
ラスベガスで見えた変化が、今後のPPA Tourにどうつながっていくのか注目です。

