APP Asia Tourの第2戦「Leapmotor APP Asia Penang Open 2026」が、マレーシア・ペナンで5日間にわたって開催されました。
クアン・ズオンの2冠、ルース・ファン・リークの3冠、さらに16歳フェニックス・ハーの準優勝など、アジアのピックルボール界が一気に盛り上がるような結果が続出しました。
22の国と地域から1,386人が参加した大型大会
Leapmotor APP Asia Penang Open 2026は、マレーシア・ペナンのガーニー・ドライブ沿いにある「Pickle By The Sea」を会場に、5日間開催されました。
大会には22の国と地域から延べ1,386人が参加。
そのうち100人以上がプロ選手で、賞金総額は3万5,000米ドルという、APP Asia Tourの中でもかなり規模の大きい大会となりました。
特徴的なのは、世界トップクラスのプロだけでなく、アジア各地の若手やアマチュアまで同じ大会に集まったことです。
試合では上位シードが敗れる番狂わせや、若手が実績のあるプロを追い詰める場面もあり、単純に「有名選手が順当に勝つ大会」ではありませんでした。
特に男子プロシングルスでは、中国やマレーシアの若手選手が上位へ進出。
アジアの選手層が急速に厚くなっていることを感じさせる結果になりました。
- 22の国と地域から延べ1,386人が参加
- 100人以上のプロ選手が出場
- 賞金総額は3万5,000米ドル
- 世界トッププロとアジアの若手が直接対決
- 上位シードが敗れる番狂わせも発生
※番狂わせ:優勝候補やランキング上位の選手が、事前予想では格下と見られていた選手に敗れることです。
クアン・ズオンが男子シングルスとダブルスの2冠
ベトナムのクアン・ズオンは、今大会でもトップ選手らしい安定した強さを見せました。
まず男子プロシングルスでは決勝まで勝ち進み、中国の16歳フェニックス・ハーと対戦。
勢いに乗る若手を退け、金メダルを獲得しました。
さらに男子プロダブルスでは、インドのハーシュ・メータとペアを結成し、こちらでも優勝を果たしています。
シングルスでは1人ですべてのボールをカバーする必要があり、ダブルスではパートナーとの連係が欠かせません。
その両方で勝ち切ったことからも、ズオンの対応力の高さがわかります。
また、左利きのズオンは、右利きの選手とは異なる角度からショットを打てるのも特徴です。
相手にとっては普段とは違うボールの入り方になるため、リターンやネット際の対応が難しくなる場面もあります。
5日間の大会で複数種目を戦いながら2つの金メダルを獲得したズオンは、今回もアジアを代表するトッププレーヤーとして存在感を見せました。
- 男子プロシングルス優勝
- 男子プロダブルス優勝
- ハーシュ・メータとのペアで金メダル
- シングルスとダブルスの両方で高い対応力
- 左利きを生かした攻撃も武器
※2冠:同じ大会の異なる2種目で優勝することです。
※左利き:左手でパドルを持つ選手のことです。
ボールの角度や回転が右利きとは変わるため、対戦相手にとって対応しづらい場合があります。
ルース・ファン・リークが歴史的な3冠を達成
今大会で最も目立った選手のひとりが、オランダのルース・ファン・リークです。
ファン・リークは女子プロシングルス、女子プロダブルス、ミックスプロダブルスの3種目すべてで優勝。
1大会で3つの金メダルを獲得する「トリプルクラウン」を達成しました。
まず女子プロシングルスを制したあと、女子プロダブルスではアメリカのビビアン・グロズマンとペアを組んで優勝。
さらにミックスプロダブルスでは、オーストラリアのジャック・マンローと組み、3つ目のタイトルを手にしました。
3種目に出場すると試合数も増え、疲労はかなり大きくなります。シングルスでは広い範囲を1人で動き、ダブルスではパートナーとの連係や役割分担が必要です。
それでも5日間を通してパフォーマンスを落とさず勝ち続けた点は、かなり驚きです。
技術だけでなく、体力、集中力、試合ごとの切り替えまで含めて高いレベルを維持したことが、今回の3冠につながりました。
- 女子プロシングルス優勝
- 女子プロダブルス優勝
- ミックスプロダブルス優勝
- 今大会で唯一3個の金メダルを獲得
- 5日間を通して安定したプレーを継続
※トリプルクラウン:1大会でシングルス、同性ダブルス、ミックスダブルスの3種目すべてを優勝することです。
※ミックスダブルス:男性1人、女性1人の2人組で戦うダブルス形式です。
16歳フェニックス・ハーが男子シングルス準優勝
今大会で一気に注目を集めた若手が、中国のフェニックス・ハーです。
年齢はわずか16歳ながら、男子プロシングルスで決勝まで勝ち上がりました。
ハーはもともと卓球で高い実績を持つ選手で、中国国内の卓球大会でも結果を残してきました。
ピックルボールでも、卓球で身につけた素早い反応や手首の使い方、相手の打球を読む能力が生かされています。
今大会では、経験豊富な海外選手を次々と破り、男子プロシングルス決勝へ進出。
最後はクアン・ズオンに敗れましたが、銀メダルを獲得しました。
特に印象的なのは、16歳という若さにもかかわらず、プレッシャーのかかる場面でも大きく崩れなかったことです。
プロカテゴリーでは、技術だけでなく試合中の判断力やメンタルも重要になります。
その中で決勝まで進んだことは、今後への期待を大きく高める結果となりました。
- 16歳で男子プロシングルス決勝進出
- 銀メダルを獲得
- 卓球で培った反応速度を活用
- 海外の経験豊富な選手を次々と撃破
- アジアの次世代スター候補として注目
※ボールコントロール:ボールの速さ、高さ、方向などを調整し、狙った場所へ打ち分ける技術です。
※メンタル:試合中の緊張やプレッシャーに対応しながら、冷静にプレーを続ける精神面の強さを指します。
マレーシア勢も地元で存在感を発揮
開催国マレーシアの選手たちも、世界の強豪を相手にしっかり結果を残しました。
最も大きな結果を残したのが、アイマン・ハムダンです。
男子プロシングルスで銅メダルを獲得し、マレーシア勢として今大会唯一となるプロカテゴリーの表彰台に立ちました。
さらに、クー・アー・ヤンは男子シングルスで大会第1シードのジャック・フォスターを破る大番狂わせを演じています。
大会前の評価ではフォスターが有力と見られていたため、この勝利は今大会でも特にインパクトのある結果となりました。
ディラン・ウーイもオーストラリアの第3シード、ブライアン・トランと対戦。
第1ゲームを落としながらもそこから立て直し、逆転勝利を収めました。クーとウーイはいずれも準々決勝まで進出しています。
表彰台だけでなく、複数のマレーシア選手が上位シードを倒した点を見ると、地元勢の競技レベルが着実に上がっていることがわかります。
- アイマン・ハムダンが男子シングルス銅メダル
- クー・アー・ヤンが第1シードを撃破
- ディラン・ウーイが第3シードに逆転勝利
- 複数のマレーシア選手が準々決勝進出
- 地元勢の選手層の厚さが目立った大会
※シード:大会前のランキングや過去の成績をもとに決められる順位です。
数字が小さいほど上位と評価されます。
※準々決勝:ベスト8の選手やペアが戦うラウンドです。ここで勝つと準決勝へ進みます。
アジアのピックルボールが一気にレベルアップ
今大会の結果から見えてきたのは、アジアのピックルボール選手が世界トップクラスとの差を確実に縮めていることです。
クアン・ズオンはすでに世界レベルで結果を残す選手ですが、それに続く若手も次々と登場しています。
16歳のフェニックス・ハーがプロシングルスで準優勝し、マレーシア勢もアメリカやオーストラリアの上位シードを破りました。
こうした成長の背景には、世界の強豪と直接対戦できる大会が増えていることがあります。
練習だけでは経験できないスピード、ショットの精度、試合中の駆け引きを実戦で学ぶことで、若手選手の成長スピードも上がります。
また、フェニックス・ハーのように卓球など別のラケット競技からピックルボールへ移る選手が増えることで、新しいスタイルが生まれる可能性もあります。
反応速度やボールタッチなど、他競技で培った技術をどう生かすかも今後の見どころです。
今回のペナン大会は、単に優勝者を決めるだけではなく、「アジアから世界トップを狙う選手が続々と育っている」と感じさせる大会になりました。
- アジア勢が世界トップ選手を撃破
- 10代の若手がプロカテゴリーで活躍
- 卓球など他競技出身の選手も台頭
- 海外トップ選手との実戦経験が成長につながる
- アジア全体の選手層がさらに厚くなる可能性
※競技レベル:選手の技術、戦術、体力、判断力、試合経験などを含めた総合的な実力を指します。
※ラケット競技:卓球、テニス、バドミントンなど、ラケットやパドルを使ってボールやシャトルを打つスポーツの総称です。
まとめ
Leapmotor APP Asia Penang Open 2026では、クアン・ズオンの2冠とルース・ファン・リークの3冠という大きな結果が生まれました。
さらに16歳フェニックス・ハーの準優勝や、マレーシア勢による上位シード撃破など、アジアの若手選手の成長も強く印象に残りました。
世界トップクラスとの直接対決が増えることで、アジアのピックルボールはさらにレベルアップしていきそうです。
次に世界を驚かせるスターがどの国から登場するのか、これからのアジア勢にも注目です。


