キッチン(※1)まわりの反則は「着地」じゃなく「打った瞬間の足」が勝負どころです。
再確立(※2)とプッシュオフ反則を、試合中に迷わないレベルまで具体例で整理します。
キッチンの基本ルールを10秒で押さえる
キッチン(※1)は「ボレー(※3)禁止エリア」…だけじゃなく、ラインもキッチン扱いなのが落とし穴です。
つま先だけ、かかとだけでも線に触れたら“接触”判定。
特にネット前で焦ると、足が勝手に前へ出ます。
まずは試合中にこれだけ覚えてください。
- キッチン内&ライン接触中のボレーはNG
- “ちょい踏み”でもアウトになり得ます
- 迷ったら一拍おいて足を整えるのが正解です
最大のカギ「再確立(リ・エスタブリッシュ)」とは
再確立(※2)は、次のボレーを打つ前に「両足が完全にキッチン外&ライン非接触」になっている状態です。
片足だけ外に出てもダメ、“ほぼ外”もダメ。
ネット前で安全に攻めるコツは、戻る距離より戻り方。
小さく下がるより、両足を外へ“揃えて置く”意識が効きます。
- 片足OK → ×
- ラインをかすってる → ×
- 両足クリア → ○(ここで初めてボレー可)
みんなが勘違いするポイントは「着地」じゃない
反則の判定は「ボレーのあと、どこに着地したか」ではなく、基本は“打った瞬間に足がどこにあったか”です。
審判目線だと、ショットの派手さより足元の“線”を見ています。
だから「倒れなかったからセーフ」「入ってないつもり」は通りません。
打つ瞬間にライン接触=即アウト、これが最短理解です。
- 見られるのは“打った瞬間”
- 着地は主役じゃない(ただし勢いは別項で注意)
- 足元は自己申告じゃなく“接触判定”です
よくある反則パターンを“あるある場面”で確認
一番多いのはネット前の連続ラリーです。ディンク(※4)を拾うためにキッチンへ一歩→「戻ったつもり」で下がる→片足がラインに残ったまま→次球を反射でボレー…これ、アウト。
本人は気づきにくいので、危険サインを知っておくと事故が減ります。
あるあるNG例(試合で超出る)
- ディンク処理で前に入る
- 後ろへ下がるが、つま先が線に“ちょん”
- 次球をボレー → 反則
回避のコツ
- 下がるときは“片足だけ”で戻らない
- 両足を外へ置き直してから打つ(再確立)
プッシュオフ反則の判定ラインを超シンプルに
プッシュオフ反則は難しく聞こえますが、言い換えるとこうです。
ライン(またはキッチン)に触れた足で蹴ってボレーしたらアウト。
つまり「蹴った後に入ったか」じゃなく、蹴った時点で接触してたらダメ。
前に倒れなくても、キッチンに着地しなくても関係なし。
線を“踏み台”にした瞬間に反則です。
- ライン接触のままボレー → ×
- ラインを蹴って加速してボレー(プッシュオフ) → ×
- “着地してないからOK”は通用しません
勢い(モメンタム)でも反則になるので注意
再確立できていても、油断すると勢い(モメンタム)(※5)でアウトになります。
例えば、キッチン外でボレー→打った勢いで前へ流れて→その後にキッチンやラインへ触れる…このパターン。
ネット前の強打や、相手の速い球に体が引っ張られる時に起きがちです。
対策は簡単で、“止まれる姿勢で打つ”こと。
- 速いボレーほど前に流れやすい
- 打った後に触れても反則になり得ます
- 「打つ→止まる」までが1セットだと思うと安定します
まとめ
キッチンの反則は「着地」よりも、打った瞬間の足と再確立(※2)が本丸です。
両足が完全に外へ出るまでボレーしない、これだけでミスはかなり減ります。
さらに勢い(モメンタム)(※5)で触れてもアウトになり得るので、ネット前は“止まれるフォーム”が最強。
足元が整うと、攻めの精度も一段上がります。
用語の補足(※)
(※1)キッチン/NVZ:ノンボレーゾーン。
ネット前のボレー禁止エリアで、ラインもNVZ扱いです。
(※2)再確立:ボレー前に、両足がNVZの外&ライン非接触になっている状態。
(※3)ボレー:バウンドさせずに空中で打つショット。
(※4)ディンク:ネット際へ落とす短いコントロールショット。
(※5)モメンタム:打った勢いで体が前へ流れること。





