アメリカで勢いが止まらないピックルボール。DUPRが過去12カ月の新規ユーザー増加を調べたところ、上位都市では前年比70%を超える伸びも記録しました。
今回は、成長率トップ10の都市を見ながら、どの地域でプレーヤーが増えているのかをチェックします。
全米で広がるピックルボール、トップ10はすべて50%超
今回のランキングは、ピックルボールのレーティングサービス「DUPR」が、過去12カ月間に増えた新規ユーザーのデータを都市別に分析したものです。
2025年のアメリカ全体では、ピックルボールの参加者数が前年比14.7%増加しました。
一方、今回トップ10に入った都市では、最も低い10位でも56%増。
全国平均と比べても、かなり速いペースで競技人口が伸びています。
注目したいのは、ランキング入りした都市が特定の地域に集中していないことです。
西海岸のシアトルやフリーモント、東部のフィラデルフィアやアッシュバーン、南部のハンツビルやフォートローダーデール、中西部のクリーブランドまで、アメリカ各地からランクインしました。
- トップ10はすべて前年比56%以上
- 上位3都市はいずれも70%以上
- 西海岸、東海岸、南部、中西部から幅広くランクイン
- 2025年の全米平均14.7%を大きく上回る
つまり、ピックルボールは「一部の地域だけで流行しているスポーツ」ではなく、全米規模でプレーヤー層が広がっていると考えられます。
※DUPR(Dynamic Universal Pickleball Rating):ピックルボールの試合結果などをもとに、プレーヤーの実力を数値で表すレーティングシステムです。
10位カミング・9位ラスベガス
10位はジョージア州カミングで前年比56%増、9位はネバダ州ラスベガスで57%増となりました。
カミングはジョージア州北部にある都市で、アメリカを代表する巨大都市ではありません。
それでもDUPRユーザーが1年間で50%以上増えていることから、ピックルボールが大都市だけではなく、地域のコミュニティにも広がっている様子が見えてきます。
一方、ラスベガスは観光やエンターテインメントの街として世界的に有名です。
そんなラスベガスでも、DUPRに登録するプレーヤーが前年比57%増加しました。
- 10位:カミング(ジョージア州)56%増
- 9位:ラスベガス(ネバダ州)57%増
ランキングの下位とはいえ、どちらも1年間でユーザー数が約1.5倍。
日本の感覚で見ると「かなり急激に増えている」と感じる数字です。
特にカミングのような地域都市がトップ10に入っている点は、ピックルボール人気が人口規模だけでは決まらないことを示す興味深いポイントです。
8位フォートローダーデール・7位レキシントン
8位のフォートローダーデールは前年比60%増、7位のレキシントンは60.1%増でした。ここから成長率は60%台に入ります。
フォートローダーデールがあるフロリダ州は、年間を通して比較的温暖な気候が続く地域です。
屋外スポーツを楽しみやすい環境もあり、アメリカ国内でもピックルボールが盛んな地域のひとつとして知られています。
一方、レキシントンはケンタッキー州にある都市です。
フロリダのようなリゾートイメージとは少し違うエリアですが、DUPRユーザーは前年比60.1%増。
地域によって環境が違っても、ピックルボール人口が伸びていることが分かります。
- 8位:フォートローダーデール(フロリダ州)60%増
- 7位:レキシントン(ケンタッキー州)60.1%増
この2都市を見ると、「暖かい地域だから人気」という単純な理由だけでは説明できません。
温暖な南部だけでなく、アメリカ内陸部でもプレーヤーが増えていることから、競技そのものの認知度が全国的に高まっている様子が見えてきます。
6位アッシュバーン・5位フリーモント
6位はバージニア州アッシュバーンで前年比61%増、5位はカリフォルニア州フリーモントで62%増となりました。
アッシュバーンはアメリカ東部、フリーモントは西海岸に位置しており、地理的にはかなり離れています。
それでも両都市で60%を超える成長率を記録しているのがポイントです。
- 6位:アッシュバーン(バージニア州)61%増
- 5位:フリーモント(カリフォルニア州)62%増
フリーモントはサンフランシスコ・ベイエリアに位置する都市です。
一方、アッシュバーンはバージニア州北部にあり、ワシントンD.C.周辺の都市圏に含まれるエリアです。
こうした都市圏でもピックルボール人口が増えていることから、競技が郊外の公園だけで楽しまれるものではなくなりつつあることが分かります。
また、DUPRのように地域を問わず共通のレーティングを使える仕組みがあることで、自分のレベルを確認したり、近い実力の相手と対戦したりしやすくなっています。
プレーヤーが増えるだけでなく、競技コミュニティを作りやすい環境も、ピックルボール人気を支える要素のひとつです。
4位フィラデルフィア・3位シアトル
4位はペンシルベニア州フィラデルフィアで前年比64%増。
そして3位のワシントン州シアトルは、前年比70%増という大きな伸びを記録しました。
フィラデルフィアはアメリカ東海岸を代表する都市のひとつ。
人口規模の大きい都市圏でもピックルボールのDUPRユーザーが急増していることが分かります。
さらに注目したいのがシアトルです。
- 4位:フィラデルフィア(ペンシルベニア州)64%増
- 3位:シアトル(ワシントン州)70%増
前年比70%増ということは、単純計算では1年前の100人が170人になるペースです。
もちろん今回の数字はDUPRユーザーの伸びを示すもので、都市全体のプレーヤー人口そのものではありません。
それでも、競技への関心がかなり高まっていることは分かります。
シアトルのような大都市がトップ3に入ったことで、「ピックルボール=郊外やシニア層中心」という従来のイメージだけでは捉えにくくなってきました。
都市部で暮らす人にも競技が広がり、幅広い層がラケットではなくパドル※を手にするスポーツになりつつあります。
※パドル:ピックルボールで使用するラケット状の道具。テニスラケットより小さく、ガットは張られていません。
2位ハンツビル・1位クリーブランド
2位はアラバマ州ハンツビルで前年比70.6%増。
そして1位はオハイオ州クリーブランドで、前年比71%増となりました。
どちらも1年間でDUPRユーザー数が約1.7倍になる計算です。
- 2位:ハンツビル(アラバマ州)70.6%増
- 1位:クリーブランド(オハイオ州)71%増
今回のランキングで面白いのは、ニューヨークやロサンゼルスのような超巨大都市が1位ではないことです。
トップのクリーブランドはオハイオ州北部にある都市で、ハンツビルはアラバマ州北部に位置します。
アメリカの異なる地域にある2都市が、ほぼ同じ70%超の成長率を記録しました。
この結果から見えてくるのは、ピックルボールの成長が「有名都市だから」「人口が多いから」だけで起きているわけではないということです。
地域にプレーできる場所が増えたり、仲間同士で競技を始めたり、DUPRを使って試合を楽しむコミュニティが形成されたりすることで、短期間にプレーヤーが増える可能性があります。
今回1位となったクリーブランドの71%増という数字は、ピックルボールがアメリカ各地で新しいスポーツ文化として定着し始めていることを象徴する結果といえそうです。
まとめ
DUPRのデータを見ると、アメリカのピックルボール人気は西海岸、東海岸、南部、中西部まで幅広い地域に広がっています。
トップ10すべてが前年比56%以上、上位3都市は70%以上という数字からも、その勢いが伝わってきます。
さらに、大都市だけでなくカミングやハンツビルのような地域都市が上位に入っているのも注目ポイントです。
今後はアメリカだけでなく、世界のどの都市でピックルボールコミュニティが急成長していくのかにも注目していきたいところです。


