PPAツアーでは、ジョンズ組やウォーターズ組が圧倒的な強さを見せています。
そんなトップシードに次シーズン挑める可能性がある注目ペアを、男子・女子・ミックス別に解説します。
トップシードはなぜここまで強いのか
2025年終盤から2026年初めにかけて、PPAツアーのダブルス部門では「トップシードに近づいてきたペアがいるのでは?」という空気がありました。
女子ではタイラ・ブラック/ジョージャ・ジョンソン組や、カワモト姉妹がアナ・リー・ウォーターズ/アナ・ブライト組を破りました。
男子でも、ヘイデン・パトリキン/フェデリコ・スタクスルード組がベン・ジョンズ/ゲイブ・タルディオ組に勝利。
ミックスダブルスでも、パトリキン/ブライト組がジョンズ/ウォーターズ組を倒しています。
ただ、その後がすごかったです。ジョンズとウォーターズは、トップ選手らしく戦い方を修正し、さらにギアを上げました。
男子ダブルスのジョンズ/タルディオ組、女子ダブルスのウォーターズ/ブライト組は、ともに2026年イベントで45勝0敗。
ミックスのジョンズ/ウォーターズ組も46勝1敗という圧倒的な成績です。
つまり、今のトップシードはただ強いだけでなく、負けたあとに修正できるチームです。
ここを崩すには、単なる勢いでは足りません。
明確な戦略と、相性の良いペア作りが必要になります。
男子ダブルスはリズムを崩せるペアがカギ
男子ダブルスでベン・ジョンズ/ゲイブ・タルディオ組に挑むには、2つの方向性があります。
ひとつは、彼ら以上に粘って勝つこと。ただし、これはかなり難しいです。
もうひとつは、相手の安定したリズムを崩すことです。
こちらのほうが現実的な作戦になります。
注目候補は、ヘイデン・パトリキン、フェデリコ・スタクスルード、JW・ジョンソン、アンドレイ・ダエスク、クリスチャン・アルション、エリック・オンシンズ、CJ・クリンガーあたりです。
特に面白いのは、パトリキンを左サイド、JW・ジョンソンを右サイドに置く形です。
左サイドとは、主にコート左側を担当するポジションで、攻撃の起点になりやすい場所です。
右サイドは守備やカウンターの安定感が求められることが多いです。
JWはピックルボール界でもトップ級のハンドスピード(※手元の反応速度)を持っています。
そのバックハンドを右サイドで活かせれば、タルディオのように速い展開で相手を乱せる可能性があります。
また、スタクスルード左、JW右の組み合わせも強力です。
スタクスルードはベン・ジョンズに近い安定型のプレースタイルで、JWは速い手元勝負が武器です。
この形は、ジョンズ/タルディオ組にかなり近い構造を作れるかもしれません。
女子ダブルスは守備力と決定力の両立が必要
女子ダブルスでアナ・リー・ウォーターズ/アナ・ブライト組を倒すのは、かなり大変です。
特に5ゲームマッチ(※最大5ゲームで勝敗を決める長い試合形式)では、実力差が出やすくなります。
このトップペアに挑むには、守備力だけでは足りません。
カワモト姉妹のような粘り強い守備、レイチェル・ローラバッカーのような重いトップスピンディンク(※回転をかけて低く沈めるネット前のショット)、パリス・トッドのような決定力が必要です。
最有力候補は、ジャッキー・カワモト/ジェイド・カワモト組です。
カワモト姉妹は、ウォーターズ/ブライト組に最も安定して挑めるチームとして見られています。
とにかく守備が堅く、長いラリーに持ち込む力があります。
ただし、課題は決定力です。
トップペアは、浮いたボールを高い確率でポイントに変えます。
カワモト姉妹がさらに上へ行くには、守るだけでなく、チャンスを決め切るパワーが必要です。
もうひとつ面白いのが、パリス・トッド/レイチェル・ローラバッカー組です。
トッドは総合力の高い左サイド選手で、ローラバッカーは女子ダブルス屈指の右サイド選手です。
役割がはっきりすれば、毎大会トップに挑めるペアになりそうです。
ミックスダブルスは最難関の挑戦になる
男子ダブルス、女子ダブルスも難しいですが、ミックスダブルスはさらに厳しいです。
なぜなら、ベン・ジョンズとアナ・リー・ウォーターズという、男女それぞれのトップ選手が長く組んでいるからです。
ミックスダブルスとは、男女1人ずつで組むダブルスのことです。
この種目では、男子選手の攻撃力、女子選手のカウンター力、左右の役割分担、相手への圧のかけ方が重要になります。
最有力の対抗馬は、ヘイデン・パトリキン/アナ・ブライト組です。
このペアは最近やや苦戦もありますが、それでもトップシードに最も近い存在です。
カギは、パトリキンが大きくプレーしすぎないことです。
ブライトも攻撃力のある選手なので、彼女にチャンスを作らせる形が必要になります。
ジョンソン兄妹、つまりJW・ジョンソン/ジョージャ・ジョンソン組も注目です。
本来このペアは、速い展開やハンドバトルに強いチームです。
ただ、最近は我慢型のラリーを選びすぎている印象があります。
それだと、ジョンズ/ウォーターズ組の得意な土俵で戦うことになります。
クリスチャン・アルション/レイチェル・ローラバッカー組も面白い存在です。
アルションのリーチと攻撃力、ローラバッカーの右サイドでの安定感が噛み合えば、ダークホースになれます。
トップに勝つには戦略と相性が重要
トップシードに勝つためには、強い選手をただ2人並べるだけでは足りません。
大切なのは、相手の強みを消し、自分たちの勝率を少しでも上げる戦略です。
たとえば男子ダブルスなら、ジョンズ/タルディオ組の安定したディンク戦(※ネット前で短くやわらかく打ち合うラリー)にそのまま付き合うだけでは厳しくなります。
どこかでテンポを変えたり、速いハンドバトルに持ち込んだりして、相手のリズムを乱す必要があります。
女子ダブルスなら、ウォーターズ/ブライト組の攻撃力に対して、ただ守るだけでは押し切られます。
守備で粘りながらも、浮いたボールはしっかり決める。
ここが勝負です。
ミックスダブルスでは、さらに配置の工夫が重要になります。
たとえば、タイラ・ブラック/CJ・クリンガーのように、左利き男子と左サイドを好む女子を組ませる“逆配置”も面白い考え方です。
通常のパターンと違う形を作ることで、トップシードの慣れた流れを崩せる可能性があります。
完璧な必勝法はありません。
でも、勝率35%の状況を45%、50%、55%へ近づけることはできます。
その積み重ねが、番狂わせへの第一歩です。
まとめ:対抗馬はまだ挑戦者、でも可能性はある
現時点では、PPAツアーの各ダブルス部門でトップシードがかなり抜けています。
男子のジョンズ/タルディオ組、女子のウォーターズ/ブライト組、ミックスのジョンズ/ウォーターズ組は、どの大会でも優勝候補の筆頭です。
ただし、対抗できる可能性を持つ選手や組み合わせはあります。
男子ではパトリキン、スタクスルード、JWの配置、女子ではカワモト姉妹やトッド/ローラバッカー組、ミックスではパトリキン/ブライト組やジョンソン兄妹が注目です。
大切なのは、トップと同じ土俵で真正面から戦うだけではなく、相手のリズムを崩す工夫を持つことです。
次のPPAツアーシーズンでは、こうした挑戦者たちがどこまで差を縮めるのか、かなり楽しみです。





