世界トップクラスのピックルボール選手、ベン・ジョンズから突然のペア結成オファー!
ゲイブ・タルディオのキャリアは一変しました。しかし、最初の大会では緊張から大苦戦。
それでも2人は壁を乗り越え、金メダル19個、勝率95%超の強力ペアに成長します。
その裏側にあったプレッシャーと成功への道のりを紹介します。
ベン・ジョンズからの突然のオファー!2025年の活動計画が一変
2024年末から2025年初頭、ゲイブ・タルディオはプロ選手として新しい活動の準備を進めていました。
当初の計画は、インドのプロリーグと契約し、海外の大会と米国のAPPツアーを組み合わせて参戦するというもの。
APPツアー(※米国で開催されるプロピックルボールの大会シリーズの一つ)を中心に、国際的な活動を広げようとしていたのです。
ところが、そんなタルディオのもとに思いがけない話が舞い込みました。
声をかけてきたのは、男子ピックルボール界を代表するスター選手、ベン・ジョンズでした。
ジョンズからの提案は、男子ダブルスで一緒にプレーしないかというもの。
タルディオはこのチャンスを受け入れ、PPAツアー(※世界トップクラスの選手が数多く参加する米国の主要プロ大会シリーズ)との契約をまとめました。
こうして2025年2月、アリゾナ州で開催されたメサカップで新ペアがデビューします。
海外を中心に戦う予定だったタルディオにとって、この決断はキャリアの方向性を大きく変える出来事になりました。
デビュー戦はフルゲームの激闘!メサカップ決勝で惜敗
2025年2月23日、注目の新ペアはメサカップ男子ダブルス決勝に進出しました。
対戦相手は、クリスチャン・アルション/アンドレイ・ダエスク組。
両選手とも高い実力を持ち、同大会でも勢いに乗っていた強敵です。
試合は、最初の2ゲームをアルション/ダエスク組が奪う展開となりました。
しかし、ジョンズ/タルディオ組も簡単には終わりません。
第3ゲームを12-10、第4ゲームを11-5で取り返し、勝負を最終第5ゲームへ持ち込みます。
2025年メサカップ 男子ダブルス決勝
ジョンズ/タルディオ組から見たスコア
| ゲーム | スコア | 結果 |
| 第1ゲーム | 5-11 | 敗戦 |
| 第2ゲーム | 1-11 | 敗戦 |
| 第3ゲーム | 12-10 | 勝利 |
| 第4ゲーム | 11-5 | 勝利 |
| 第5ゲーム | 7-11 | 敗戦 |
最終結果:ゲームカウント2-3で準優勝
※ゲームとは、テニスでいうセットに近い試合の区切りです。
この決勝は3ゲーム先取方式で行われました。
2ゲームを先に落としながら追いついたものの、最後は7-11で敗戦。
惜しくも金メダルには届きませんでした。
デビュー戦での準優勝は立派な成績ですが、タルディオ自身はこの試合のパフォーマンスに強い悔しさを感じていたようです。
「人生最悪のプレー」世界トップ選手と組むプレッシャー
世界的スターと組めるのは、プロ選手にとって大きなチャンスです。
しかし、タルディオにとっては、同時に大きなプレッシャーでもありました。
2026年10月に公開されたポッドキャスト番組「Pickleballers」のインタビューで、タルディオは当時の心境を率直に語っています。
「ものすごく緊張していました。人生であれほどひどいプレーをしたことはないと思います」
さらに、ジョンズと組んで出場したその後の3大会でも、自分のプレーはひどかったと振り返っています。
タルディオが感じていたのは、ただ試合に勝ちたいという気持ちだけではありません。
世界最高峰のパートナーの期待に応えなければならない。
その意識が強くなりすぎて、普段なら思い切って打てるボールでも慎重になってしまったのです。
加えて、2人はペアを組む前、それほどお互いを知らなかったといいます。
技術の高い選手同士であっても、相手の性格やプレーの特徴を理解していなければ、遠慮が生まれることもあります。
タルディオも、本来の積極的なプレースタイルを発揮できずに苦しんでいました。
遠慮から積極性へ!ペアの信頼関係が変えたプレースタイル
苦しいスタートを経験したタルディオとジョンズですが、一緒に試合を重ねることで少しずつ関係が変化していきました。
タルディオによると、2人でプレーする時間が増えるにつれ、気持ちに余裕が生まれ、自分らしいプレーができるようになったそうです。
ここで重要なのが、ダブルスならではの連携です。
例えば、相手からコート中央へボールが飛んできたとき、2人とも打とうとすれば動きが重なってしまいます。
逆に、お互いに遠慮すると、どちらもボールを取れないことがあります。
また、ネット付近で行われるボレー(※ボールをバウンドさせずに直接打ち返すショット)の応酬では、一瞬の判断がポイントを左右します。
そのため、相手の得意なショットや動き方を理解することが欠かせません。
タルディオは、ジョンズとの関係に慣れることで、過度に慎重になる状態から抜け出せたと説明しています。
つまり、大きな変化を生んだのは技術面だけではなく、パートナーを信頼して自分のプレーに集中できるようになったことだったのです。
金メダル19個・勝率95%超!強力ペアへと成長
デビュー当初は思うようなプレーができなかった2人ですが、その後は男子ダブルスで目覚ましい成績を残していきます。
その転機を示す大会の一つが、2025年3月16日のテキサスオープンです。
この大会でジョンズ/タルディオ組は男子ダブルスを制覇。
決勝ではクリスチャン・アルション/フェデリコ・スタクスルード組を破り、金メダルを獲得しました。
さらに、同年4月のノースカロライナオープンでも優勝。その後もタイトルを重ねていきました。
2026年10月19日公開の元記事では、2人の実績について次のように紹介されています。
| 項目 | 記録 |
| ペアで獲得した金メダル | 19個 |
| ペアでの試合勝率 | 95%超 |
勝率95%超という数字は、仮に100試合を戦った場合、95試合以上に勝つペースです。
もちろん、世界トップレベルの大会でこれほど高い勝率を維持するのは簡単ではありません。
最初はプレッシャーで力を発揮できなかったタルディオが、ジョンズとともにここまで結果を残したことは、大きな成長を感じさせます。
トップ選手でも悩む!タルディオが教えてくれたダブルスの奥深さ
今回のエピソードで興味深いのは、世界トップレベルで活躍するプロ選手でも、パートナーとの関係や緊張に悩むという点です。
タルディオは決して実力のない選手ではありません。
それでも、ベン・ジョンズという大きな存在を意識したことで、自分らしいプレーが難しくなりました。
これは、普段ピックルボールを楽しんでいる人にも通じる話ではないでしょうか。
例えば、初めて組む人や自分より経験豊富な人がパートナーだと、ミスを恐れて消極的になってしまうことがあります。
そんなときに意識したいのが、次のポイントです。
- 声をかけ合う:ボールを取る位置や狙いを共有する
- 役割を理解する:お互いの得意なショットを生かす
- ミスを引きずらない:次のポイントに気持ちを切り替える
- 一緒に経験を積む:試合を重ねて連携を深める
タルディオの経験からわかるのは、ダブルスでは技術だけでなく、安心してプレーできる関係づくりも大切だということです。
強いペアは、最初から完璧なのではありません。
お互いを理解し、プレーを合わせながら成長していくものなのですね。
まとめ|最初は緊張で大苦戦!そこから始まった最強クラスのペアへの道
ゲイブ・タルディオは、ベン・ジョンズとのペア結成によって2025年の活動計画を大きく変更し、新たな挑戦をスタートさせました。
メサカップでは準優勝という結果を残したものの、本人は強いプレッシャーに苦しみ、その後もしばらく本来のプレーを発揮できませんでした。
しかし、ジョンズとの信頼関係を深めたことで自分らしさを取り戻し、金メダル19個、試合勝率95%超という驚異的な実績につなげています。
今後も2人がどんな試合を見せてくれるのか、その連携やプレースタイルに注目していきたいですね!


