MLP2026第7週は、15連勝中のセントルイス・ショックがミッドシーズン・トーナメントを制し、優勝候補の筆頭に浮上しました。
上位争いからプレーオフ圏内の攻防、日本人選手が所属するチームの現在地まで詳しく紹介します。
セントルイスが15連勝でランキング首位に浮上
第7週のパワーランキングで1位に立ったのは、24勝2敗のセントルイス・ショックです。
パワーランキングとは、公式の勝点順位だけでなく、直近の成績、対戦相手の強さ、試合内容などをもとに、現在のチーム力を評価した順位です。
セントルイスは5月31日以降、一度も負けていません。
現在は15連勝中で、ニュージャージー、ロサンゼル、コロンバス、パームビーチ、オーランド、テキサスなど、プレーオフ進出を狙う有力チームを次々と破っています。
特に大きかったのが、ミッドシーズン・トーナメント決勝でのニュージャージー戦です。
決勝では、次の3試合をすべて制しました。
- 女子ダブルス:アナ・ブライト/ケイト・フェイヒー組が11対6で勝利
- 男子ダブルス:ヘイデン・パトリキン/ゲイブ・タルディオ組が11対3で勝利
- 混合ダブルス:ブライト/パトリキン組が11対8で勝利
女子ダブルスでは、アナ・リー・ウォーターズ/ジョージャ・ジョンソン組に今シーズン初黒星をつけました。
ここで試合の流れをつかみ、男子ダブルスでは8点差をつけて圧勝。
最後の混合ダブルスも競り勝り、3対0のストレート勝ちで優勝を決めています。
この優勝によって勝点10を獲得し、レギュラーシーズンの累計勝点は93となりました。
ニュージャージーと並んで首位に立ち、3位には28ポイントもの差をつけています。
ロースターは、次の6選手です。
- ヘイデン・パトリキン
- ゲイブ・タルディオ
- ハンター・ジョンソン
- アナ・ブライト
- ケイト・フェイヒー
- アンジー・ウォーカー
女子、男子、混合ダブルスのすべてに強いペアを組めることが、セントルイス最大の武器です。
特定のペアだけに頼らず、どの試合からでも勝利を狙えるため、対戦相手は作戦を立てにくくなります。
ニュージャージーとの直接対決が優勝争いのカギ
ランキング2位は、22勝4敗のニュージャージー・ファイブズです。
ニュージャージーの中心は、アナ・リー・ウォーターズとジョージャ・ジョンソンによる女子ダブルスです。
今シーズンは決勝まで無敗を維持しており、多くの試合でチームに最初の1勝をもたらしてきました。
しかし、セントルイスとの決勝では11対6で敗れました。
セントルイスは、ウォーターズを避けるようにジョンソン側へボールを集めました。
相手チームの強い選手に打たせる回数を減らし、もう一方の選手へプレッシャーをかけ続ける戦術です。
ピックルボールのダブルスでは、単純に空いている場所を狙うだけではありません。
相手ペアのうち、どちらに多くボールを打つかも重要な作戦になります。
ニュージャージーのロースターは次の通りです。
- ウィル・ハウエルズ
- ノエ・クリフ
- マーティン・エメリッヒ
- アナ・リー・ウォーターズ
- ジョージャ・ジョンソン
- リナ・パデギマイテ
男子ダブルスでは、ハウエルズ/クリフ組がセントルイスに3対11で敗れました。
女子ダブルスを落としたあと、男子でも点差をつけられたことで、ニュージャージーは混合ダブルスを2試合とも勝たなければならない状況に追い込まれています。
セントルイスとニュージャージーの今季直接対決は、セントルイスが2勝1敗です。
- 5月25日:セントルイスがドリームブレーカーで21対15の勝利
- 5月31日:ニュージャージーが3対0で勝利
- 7月12日:セントルイスが3対0で勝利
ドリームブレーカーとは、両チームが2勝2敗で並んだ場合に行われるシングルス形式の決着戦です。
選手が一定ポイントごとに交代しながら戦い、先に規定点へ到達したチームが勝利します。
ニュージャージーは今回2位へ下がりましたが、優勝候補から外れたわけではありません。
女子ダブルスが立て直し、男子ペアが上位チーム相手に勝てれば、プレーオフでセントルイスを倒す可能性は十分あります。
コロンバス、ロサンゼル、ブルックリンが上位を追う
ランキング3位は20勝7敗のコロンバス・スライダーズです。
コロンバスは、先発4選手全員がPPAツアーの男女別ダブルスでトップ10に入る、非常に豪華なロースターをそろえています。
PPAツアーとは、プロ選手がシングルスやダブルスで年間を通して競う大会シリーズです。
MLPがチーム対抗戦なのに対し、PPAツアーでは個人やペアの成績が中心になります。
コロンバスの主なメンバーは次の通りです。
- アンドレイ・ダエスク
- CJ・クリンガー
- アレクサンダー・クラム
- パリス・トッド
- タイラ・ブラック
- ジュディット・カスティージョ
ミッドシーズン・トーナメントでは、準決勝でニュージャージーに1対3で敗れました。
ただし、各ゲームは比較的接戦で、完全に力負けした内容ではありません。
3位決定戦ではロサンゼルに3対1で勝利し、勝点4を獲得しました。
強力な選手をそろえながら、これまでは実力を結果へつなげきれていませんでしたが、少しずつチームとしてまとまり始めています。
4位は18勝4敗のロサンゼルス・マッドドロップスです。
ベン・ジョンズ、キャサリン・パレントー、ジェイド・カワモトなど、世界トップクラスの実績を持つ選手が所属しています。
しかし、ここ1か月ではセントルイスに2度ストレート負けを喫し、準決勝でも1対3で敗れました。
さらに3位決定戦でもコロンバスに敗れ、直近の大会では連敗で終えています。
ベン・ジョンズを中心とする男子ダブルスや混合ダブルスは依然として強力ですが、上位チームとの対戦では、相手の勢いを止められない試合が増えています。
5位は15勝5敗のブルックリン・ピックルボール・チームです。
今回の大会では、クリスチャン・アルション、ライリー・ニューマン、レイチェル・ローラバッハーの主力3人が欠場しました。その状態で1勝2敗だったため、今回の結果だけでチーム力を評価するのは難しいでしょう。
ブルックリンの主な強みは、次の3点です。
- ライリー・ニューマンの安定したダブルス力
- アルションの攻撃的なプレー
- ローラバッハーとジャッキー・カワモトによる女子ダブルス
全員が健康な状態でそろえば、セントルイスやニュージャージーを倒せる可能性があります。トップ5の中で、セントルイスがまだ対戦していない唯一のチームでもあります。
6位から10位はプレーオフで勝ち上がる力が問われる
6位から10位には、プレーオフ進出の可能性は高いものの、優勝候補を倒すにはもう一段階の成長が必要なチームが並びました。
第6位は16勝12敗のテキサス・ランチャーズです。
テキサスは、ソーカル、フェニックス、パームビーチなど、勝つべき相手にはしっかり勝利しています。
一方、セントルイスとコロンバスには敗れており、トップチームとの力の差を埋められていません。
リー・ジャンセンやケイトリン・クリスチャンなど、シングルスでも戦える選手がいるため、ドリームブレーカーへ持ち込めれば勝機があります。
ただし、通常の女子・男子・混合ダブルスで2勝以上を挙げる安定感が課題です。
第7位は11勝10敗のダラス・フラッシュです。
ダラスはグランドラピッズで3勝2敗。
アトランタ、ソーカル、ラスベガスに勝ちましたが、ニュージャージーとロサンゼルには敗れました。
複数のトレードを経て、JW・ジョンソンやオーギー・ゲを中心とした選手構成が固まり始めています。
プレーオフ進出チームには勝てているものの、優勝候補相手の結果が不足しています。
第8位は14勝12敗のパームビーチ・ロイヤルズです。
女子ダブルスのティナ・ピスニック/ソフィア・スーイング組は22勝4敗で、リーグ最高クラスの成績を残しています。
一方、男子ダブルスのデケル・バー/タイソン・マクガフィン組は通算7勝9敗です。
今大会でも1勝3敗と苦戦しました。
女子で1勝できても、男子を落とすと混合ダブルスに大きな負担がかかります。
プレーオフでは第6または第7シードに入る可能性がありますが、男子ダブルスの改善が上位進出の条件です。
第9位は9勝9敗のオーランド・スクイーズです。
今大会ではジャック・ソックを欠き、1勝2敗でした。
レギュラーシーズンの約60%を消化し、勝点は19。総合順位は11位です。
フェデリコ・スタクスルードやレイシー・シュニーマンなど実力者はいますが、最近は結果が安定していません。
プレーオフ進出は可能でも、残り試合で負けが続くと圏外へ落ちる危険があります。
第10位は10勝10敗のソーカル・ハードエイツです。
大会では3勝2敗でしたが、勝利した相手はチーム・カナダ、カロライナ、フロリダでした。
プレーオフ争いをしているテキサスとダラスには通常の試合で敗れています。
数字上は勝率5割ですが、強豪相手の勝利が少ないため、プレーオフで上位へ進めるかは未知数です。
アトランタとフェニックスがプレーオフ争いを動かす
11位のアトランタ・バウンサーズは、9勝13敗です。
ミッドシーズン・トーナメントでは4勝2敗と好成績を残し、チームの状態が上向いていることを証明しました。
ジェイ・デビリアーズやハウメ・マルティネス・ビッチを中心に、男子側の得点力が改善しています。
しかし、大会順位が7位または8位だったため、レギュラーシーズンの勝点は獲得できませんでした。
アトランタが狙うのは、プレーオフ最後の出場枠となる第12シードです。
現在圏内にいるユタとは、残りシーズンで直接対決する可能性があります。
12位のフェニックス・フレームズは3勝10敗です。
勝敗だけを見ると下位チームですが、シーズン序盤はトップ10のチームとの対戦が多く、非常に厳しい日程でした。
今大会ではラスベガスとマイアミに勝利。
アトランタとテキサスには敗れたものの、どちらもドリームブレーカーまでもつれました。
つまり、通常の4試合では2勝2敗に持ち込めるだけの力を見せたということです。
フェニックスはレギュラーシーズンの大会をまだ2つしか戦っていません。
今後の結果次第では勝点を大きく伸ばせますが、3勝10敗からプレーオフ圏内へ入るには連勝が必要です。
13位は7勝12敗のラスベガス・ナイトオウルズです。
最近10試合は3勝7敗で、調子を落としています。
今回の唯一の勝利も招待チームのチーム・オーストラリアから挙げたもので、リーグ所属チームには勝てませんでした。
14位は9勝13敗のユタ・ブラックダイヤモンズです。
今大会では3勝2敗でしたが、勝利した相手はカレッジ・オールスターズ、ベイエリア、主力3人を欠いたブルックリンです。
勝敗数ほど内容が良かったとは言いにくいでしょう。
ユタは現在プレーオフ圏内ですが、アトランタとの直接対決を2試合残しています。
この2試合が、第12シードを決める大きなポイントになりそうです。
15位は7勝12敗のシカゴ・スライスです。
シカゴは18歳のジョン・ルシアン・ゴーインズと、13歳のエルシー・ヘンダーショットを獲得しました。
今シーズンのプレーオフよりも、将来を見据えたチームづくりを進めていると考えられます。
日本人選手所属チームと下位チームの現在地
16位は6勝13敗のマイアミ・ピックルボール・クラブです。
マイアミには、船水雄太と藤原理花が所属しています。
船水は日本のソフトテニス界で活躍してきた経験を持ち、ピックルボールでも素早いフットワークやコートを広く使うショットが持ち味です。
藤原もチームの女子ロースターとして、ダブルスや混合ダブルスでの起用が期待されます。
マイアミのロースターは次の通りです。
- ディラン・フレイジャー
- 船水雄太
- ルク・ファム
- イザベラ・ダンラップ
- エステ・ウィダースホーフェン
- 藤原理花
プレーオフ進出の可能性は低くなっていますが、完全に消えたわけではありません。
残りの大会で連勝し、上位チームから勝点を奪う必要があります。
17位は3勝7敗のカリフォルニア・ブラックベアーズです。
トレードでパブロ・テジェスを獲得し、ロースターは強化されました。
しかし、グランドラピッズでテジェスが出場したのは、マイアミに0対3で敗れた1試合だけでした。
参加大会数が少ないため順位を上げる余地はありますが、残り3大会で安定して勝つ必要があります。
18位は8勝17敗のフロリダ・スマッシュです。
フロリダはプレーオフ圏外で、残り大会はあと1つです。
シーズン前の予想より接戦を演じましたが、勝点を十分に積み上げられませんでした。
19位は4勝18敗のベイエリア・ブレイカーズです。
今大会ではフロリダとユタに敗れ、0勝2敗でした。レギュラーシーズンの80%をすでに終えているため、プレーオフ進出は極めて難しい状況です。
20位は2勝18敗のカロライナ・ホッグスです。
カロライナには、吉冨愛子が所属しています。
計算上はプレーオフ進出の可能性が残っていますが、残り試合数と現在の戦績を考えると、実質的な進出は厳しいでしょう。
下位チームにとっては、今シーズンの順位だけでなく、若手選手の育成や次のシーズンへ向けたロースターづくりも重要になります。
まとめ
MLP2026第7週では、15連勝中のセントルイス・ショックがミッドシーズン・トーナメントを制し、優勝候補の筆頭に立ちました。
ニュージャージーは2位へ下がりましたが、女子ダブルスを立て直せれば、プレーオフでも十分に優勝を狙えます。
コロンバス、ロサンゼル、ブルックリンも上位2チームを追っており、プレーオフ進出の最後の枠をめぐってはユタとアトランタの争いが激しくなりそうです。
船水雄太や藤原理花、吉冨愛子など、日本に関係する選手の今後の活躍にも注目しましょう。


