MLPのレギュラーシーズン最終戦で、ニュージャージー5sがセントルイス・ショックとの首位決戦を3-1で制し、プレーオフ第1シードを獲得しました。
100球を超えるラリーや新加入選手の活躍、13歳プレーヤーの劇的な勝利など、チーム戦ならではの見どころを詳しく紹介します。
ニュージャージー5sが首位決戦を制して第1シード獲得
MLP(※Major League Pickleball。複数の男女選手がチームを組んで戦うプロリーグ)のレギュラーシーズン最終戦で、ニュージャージー5sとセントルイス・ショックが直接対決しました。
両チームは大会前の時点でレギュラーシーズン首位に並び、さらにグループ戦も無敗で突破。
つまり、この直接対決は「勝ったチームが第1シード」という、かなり分かりやすい大一番でした。
そんなプレッシャーのかかる試合で、ニュージャージーが3-1で勝利。
レギュラーシーズンを最高の形で締めくくり、4大会連続となるイベント優勝も達成しました。
第1シードは、単に順位が1位というだけではありません。
MLPのプレーオフでは1回戦を戦わずに済むなど、上位チームほど有利な条件が与えられます。
試合数が減れば疲労も抑えられるため、短期間で複数試合をこなすプレーオフでは大きなメリットです。
ニュージャージーは勢いだけでなく、プレーオフを戦ううえでもかなり有利なポジションを手に入れました。
- セントルイスとの首位決戦に3-1で勝利
- 4大会連続となるイベント優勝
- レギュラーシーズン第1シードを獲得
- プレーオフ1回戦を回避できる有利な立場に
ウォーターズ&クリフ組が15-13の大接戦を制す
ニュージャージーとセントルイスの首位決戦で、試合の流れを大きく変えたのが最初のミックスダブルスでした。
ニュージャージーはノエ・クリフ/アナ・リー・ウォーターズ、セントルイスはヘイデン・パトリキン/アナ・ブライトという強力なペアを投入します。
ミックスダブルス(※男女1人ずつでペアを組むダブルス)は、男子選手のパワーだけでも、女子選手のテクニックだけでも勝ち切れません。
2人の役割分担やポジショニング、相手の弱点をどちらが狙うかといった連係がかなり重要になります。
試合序盤はパトリキン/ブライト組が5-0と一気にリード。
「このままセントルイスが押し切るのでは」と感じる展開でしたが、ここからニュージャージーが反撃します。
クリフ/ウォーターズ組は徐々に点差を縮め、10-7、10-9とゲームポイントを何度も迎えました。
しかし、セントルイスも簡単には終わらせません。
そこからさらに長い攻防が続き、両ペアが勝利目前まで迫る展開となりました。
最終的にはクリフ/ウォーターズ組が15-13で勝利。
単に2点差というだけではなく、何度も勝負が決まりそうになりながらひっくり返る、メンタル面でもタフなゲームでした。
この勝利によってニュージャージーはチーム戦で2-1とリード。
首位決戦の流れを一気に自分たちへ引き寄せました。
新加入スタクスルードがニュージャージーの戦力を底上げ
今回のニュージャージーで特に注目されたのが、新加入のフェデリコ・スタクスルードです。
スタクスルードはシーズン途中のトレードでニュージャージーへ加入したばかり。
個人競技では実力のある選手でも、MLPではチームメートとの連係が求められるため、新しいチームですぐに結果を出すのは簡単ではありません。
本人も「ニュージャージー5sでは勝つことだけが求められる」というプレッシャーがあったことを振り返っています。
それでも、「楽しみながら、一瞬一瞬を大切にしたかった」という姿勢で大会に臨みました。
結果は見事でした。
ジョージャ・ジョンソンと組んだミックスダブルスでは5勝1敗。
ウィル・ハウエルズとの男子ダブルスでも3勝2敗を記録しています。
そしてセントルイスとの首位決戦では、ジョンソンとのペアでゲイブ・タルディオ/ケイト・フェイヒー組に11-2で快勝しました。
15-13という激戦を制した直後だったこともあり、ニュージャージーには完全に勢いがありました。
その流れを逃さず、一気に11-2まで押し切ったのは大きなポイントです。
新加入選手がいきなり勝負を決める――。
これによってニュージャージーは、既存メンバーだけに頼らない厚い戦力を持つチームになりました。
- ジョンソンとのミックスダブルス:5勝1敗
- ハウエルズとの男子ダブルス:3勝2敗
- 首位決戦では11-2で勝利
- 新加入直後から重要な場面で結果を残す
ウォーターズ対ベン・ジョンズで100球超えのラリー
今大会でもう一つ大きな注目を集めたのが、ニュージャージー5s対ロサンゼルス・マッドドロップスの一戦です。
ここではアナ・リー・ウォーターズとベン・ジョンズがネットを挟んで対戦しました。
ピックルボールをまだ詳しく知らない人にとっては「それがそんなに珍しいの?」と思うかもしれません。
しかし、この2人はPPAツアーでは長年ミックスダブルスのパートナーとして数々のタイトルを獲得してきたトップコンビです。
普段は同じコート側で戦う2人が、MLPでは別々のチームに所属しているため、今回は対戦相手として向き合いました。
そして10-10という緊迫した場面で、驚きのラリーが生まれます。
なんと100球を超えるラリーになりました。
ピックルボールでは、ネット近くのNVZ(※ノンボレーゾーン。通称キッチン)付近でディンク(※ネットの近くへ柔らかく落とすショット)を打ち合いながら、相手が少し浮かせた瞬間にスピードアップして攻撃する展開がよく見られます。
つまり100球以上続いたということは、それだけ両ペアが簡単なミスをせず、相手に攻撃のチャンスを与えなかったということです。
最終的にこのポイントを取ったのはクリフ/ウォーターズ組。
その勢いでゲームも制し、ニュージャージーが試合の主導権を握りました。
ただ速いボールを打ち合うだけではなく、「どこまで我慢できるか」という駆け引きもピックルボールの面白さです。
この100球超えのラリーは、その魅力が分かりやすく表れたプレーといえます。
13歳ヘンダーショットが決めた劇的ドリームブレーカー
ニュージャージー以外の試合でも、大きなドラマが生まれました。
シカゴ・スライスとカリフォルニア・ブラックベアーズの対戦は、両チームともプレーオフ進出がかかった重要な一戦。
通常の試合では決着がつかず、勝負はドリームブレーカーへ突入しました。
ドリームブレーカーとは、MLP独自のタイブレーク方式です。
チーム戦が同点になった場合に行われ、選手たちが交代しながらシングルス形式でポイントを争います。
普段ダブルスを中心に戦っている選手でも、ドリームブレーカーでは1人で広いコートを守る必要があります。
そのため、走力やショット精度だけでなく、選手をどの順番で出すかというチーム戦略も重要になります。
この試合は25-23までもつれる大接戦。
そして勝負を決める重要なポイントを奪ったのが、シカゴのエルシー・ヘンダーショットでした。
驚くべきことに、彼女はまだ13歳です。
プレーオフ進出がかかった状況で、大勢が注目する中、13歳の選手が勝負を決める。これはなかなか見られない展開です。
シカゴはこの勝利によってプレーオフ争いを勝ち抜き、一方のカリフォルニアは敗退。
MLPでは実績のあるトップ選手だけでなく、若手プレーヤーが突然大きな舞台でヒーローになる可能性があるのも面白いところです。
MLPプレーオフは「対戦相手を選べる」ルールにも注目
MLPを初めて見る人が「ちょっと面白い」と感じやすいのが、プレーオフの組み合わせ方法です。
一般的なスポーツのトーナメントでは、「1位対8位」「2位対7位」というように、順位によって対戦相手が自動的に決まるケースが多いですよね。
ところがMLPでは、1回戦に出場する第5〜第8シードのチームが、第9〜第12シードの中から対戦相手を選べます。
しかも選択する順番にも意味があります。
まず第5シードが相手を選び、その後に次のチームが残ったチームから選択していきます。
つまり、「順位が一番低いチームを選べば簡単」とは限りません。
例えば順位は低くても、最近調子が良いチームや、自分たちと相性の悪い選手がいるチームなら避ける可能性があります。
逆に順位が上でも、「この相手なら戦術的に勝ちやすい」と判断すれば指名することも考えられます。
こうした対戦相手を選ぶ心理戦もMLPならではです。
さらに第1シードを獲得したニュージャージーは1回戦を免除されるため、他チームの試合を見ながら次のラウンドへ備えられます。
- 第5〜第12シードが1回戦に出場
- 第5〜第8シードが下位チームから対戦相手を選択
- 勝利チームが次のラウンドへ進出
- 上位シードは試合数や対戦条件で有利
- チーム同士の相性を考える「相手選び」も見どころ
個人の技術だけでなく、選手起用、ペアの組み合わせ、対戦相手の選択まで含めて楽しめるのがMLPです。
普通のダブルス大会とは少し違った「チームスポーツ感」を味わえるのが特徴ですね。
まとめ
ニュージャージー5sはセントルイスとの首位決戦を3-1で制し、プレーオフ第1シードという最高のポジションを手にしました。
クリフ/ウォーターズ組の15-13の激闘、新加入スタクスルードの活躍、100球を超えるラリーなど、レギュラーシーズン最終戦には見どころが満載です。
さらに13歳のヘンダーショットが重要なポイントを決めるなど、世代を超えた選手が活躍するのもMLPの面白さです。
プレーオフでは試合そのものだけでなく、ペア編成や対戦相手の指名など、チーム戦ならではの戦略にも注目してみてください。

