2026年のMajor League Pickleballファイナルで、ニュージャージー5sがセントルイス・ショックを2勝0敗で破り、ついに初優勝を達成しました。
2試合ともDreambreakerまでもつれた激戦の中、アナ・リー・ウォーターズやフェデリコ・スタクスルードが勝負どころで存在感を発揮しました。
ニュージャージー5sが3年連続の決勝でついに初優勝
2026年Major League Pickleball(MLP)ファイナルで、ニュージャージー5sがセントルイス・ショックをシリーズ2勝0敗で破り、チャンピオンに輝きました。
決勝はニューヨークのセントラルパークで開催され、会場には多くのファンが集結。
シーズン最後の大一番らしい雰囲気の中で、両チームが激しい試合を繰り広げました。
ニュージャージーにとって、今回が3年連続のMLPファイナル進出です。
- 2024年:ダラス・フラッシュに敗戦
- 2025年:コロンバス・スライダーズに敗戦
- 2026年:セントルイス・ショックに勝利
つまり、2年続けて「あと1勝」に届かなかったチームが、3度目の挑戦でようやく頂点に立ったことになります。
特に注目したいのは、過去の敗戦を経験してきたメンバーが今回も中心になっていたことです。
アナ・リー・ウォーターズは試合後、苦しい場面ほど「チームとしてひとつになる」ことを意識していたと振り返っています。
個人戦では世界トップクラスの選手がそろっていても、MLPではチーム全体が噛み合わなければ勝てません。
2年分の悔しさを経験してきたニュージャージーが、最後はその経験を武器に変えたファイナルでした。
土日とも2勝2敗からDreambreakerへ突入
今回のファイナル最大のポイントは、土曜日と日曜日の両方で、ダブルス4試合を終えて2勝2敗になったことです。
MLPでは、女子ダブルス、男子ダブルス、ミックスダブルス2試合の計4試合を戦います。
それでもチーム成績が2勝2敗になった場合、「Dreambreaker(※選手が交代しながらシングルス形式で戦い、チームの勝敗を決めるMLP独自の決着方式)」が行われます。
土曜日は、セントルイスが女子ダブルスを11-2で圧勝。
一方、ニュージャージーはミックスダブルスなどで取り返し、4試合終了時点で2勝2敗となりました。
そしてDreambreakerでは大接戦に。
ニュージャージーが22-20で勝利し、まずシリーズ1勝目を手にしました。
日曜日も展開はほぼ同じです。
ニュージャージーは女子ダブルスで11-9、男子ダブルスで12-10と接戦を制しましたが、その後セントルイスも2試合を取り返しました。
再び2勝2敗となり、シリーズの行方はDreambreakerへ。
ここでニュージャージーが一気にギアを上げ、21-9で圧勝しました。
初日は22-20というギリギリの勝負だったのに対し、2日目は12点差。
ダブルスでは完全に互角だった両チームですが、最後のシングルス形式では明確な差が出た形です。
アナ・リー・ウォーターズが悲願のMLPタイトル獲得
ニュージャージー5sの優勝で、特に大きな意味を持ったのがアナ・リー・ウォーターズの存在です。
ウォーターズはプロピックルボール界で数多くのタイトルを獲得してきましたが、MLPの優勝だけはまだ経験していませんでした。
2024年、2025年とニュージャージーをファイナルへ導きながら、最後は敗戦。
そのため、今回のタイトルは彼女にとっても大きな節目となりました。
そして決勝で真価を発揮したのがDreambreakerです。
セントルイスのケイト・フェイヒーとのシングルス対決では、
- 土曜日:6-4
- 日曜日:6-2
と、2日ともウォーターズがポイント数で上回りました。
Dreambreakerでは選手が順番にシングルスを戦うため、1人の選手が大量にポイントを奪えるわけではありません。
それでも毎回きっちり相手を上回る選手がいると、チーム全体ではかなり大きな差になります。
ウォーターズは、まさにその役割を果たしました。
特に日曜日は、ニュージャージーが21-9でDreambreakerを制した大きな要因のひとつとなっています。
女子ダブルス、ミックスダブルス、そしてシングルス形式のDreambreaker。
どの場面でも高いレベルでプレーできるウォーターズの総合力が、ついにMLPタイトルにつながりました。
初代ファイナルMVPはフェデリコ・スタクスルード
2026年からMLPに新設された「Finals MVP(※決勝シリーズで最も活躍した選手に贈られる賞)」。
その初代受賞者に選ばれたのが、フェデリコ・スタクスルードです。
スタクスルードのすごさは、単純に勝敗だけではありません。
男子ダブルス、ミックスダブルス、Dreambreakerのすべてで、ニュージャージーの重要なポイントを稼ぎました。
特に日曜日の男子ダブルスでは、ウィル・ハウエルズと組み、ヘイデン・パトリキン/ゲイブ・タルディオを12-10で撃破。
2点差の接戦をものにし、ニュージャージーに大きな1勝をもたらしました。
Dreambreakerでは、世界男子シングルス3位のハンター・ジョンソンと対戦。
結果は、
- 土曜日:7-5
- 日曜日:6-2
と、こちらも2日間ともスタクスルードが上回りました。
世界トップ3クラスのシングルス選手を相手に連日優勢だったことを考えると、MVP選出にも納得です。
しかもスタクスルードは、シーズン開幕からニュージャージーにいた選手ではありません。
7月中旬のトレード期限に、オーランド・スクイーズからニュージャージーへ加入しました。
加入後はウィル・ハウエルズとの男子ダブルスで7勝4敗。
ジョージャ・ジョンソンとのミックスダブルスでは9勝2敗を記録しました。
シーズン途中に加入し、そのままチームを優勝へ導いて初代ファイナルMVP。
かなりドラマのあるシーズンだったといえます。
観客4,200人でMLPの1日最多動員記録を更新
2026年MLPファイナルは、試合結果だけでなく観客動員でも大きな記録を残しました。
土曜日にはセントラルパークへ4,200人が来場。
これはMLPのイベントとして、1日あたりの過去最多観客数となりました。
日曜日も会場は多くの観客で埋まり、決勝らしい熱気に包まれました。
ここで注目したいのは、MLPの人気が「有名選手を見に行く」だけではなく、「好きなチームを応援する」という形に広がっていることです。
ニュージャージー5sにはニュージャージーを応援するファンがいて、セントルイス・ショックにもチームを追いかけるファンがいます。
ニュージャージーのゼネラルマネージャー、ライアン・ハーウッドも、ファンが大会ごとに自発的に会場へ足を運んでいることに触れています。
これはMLPならではの面白い変化です。
通常のプロピックルボールは、選手個人を応援するスタイルが中心です。
一方MLPでは、「この選手が好き」だけでなく、「このチームを応援したい」という楽しみ方ができます。
NBAやサッカーのように、チーム単位でファン文化が育ってきていることを感じさせる4,200人という数字でした。
2026年ファイナルで見えたMLPならではの面白さ
2026年ファイナルは、MLPが普通のピックルボール大会と何が違うのかが、とても分かりやすく出た試合でした。
一般的な大会では、男子ダブルスなら男子ダブルスのペアだけで優勝を争います。
しかしMLPはチーム戦です。
女子ダブルス、男子ダブルス、ミックスダブルスをすべて戦い、その合計で勝敗を決めます。
今回のファイナルでは、ニュージャージーとセントルイスが両日ともダブルス4試合を2勝2敗で終えました。
つまり、ダブルスだけなら実力はほぼ互角だったということです。
その状態から勝負を分けたのがDreambreakerでした。
ニュージャージーには、女子でアナ・リー・ウォーターズ、男子でフェデリコ・スタクスルードというシングルス能力の高い選手がいました。
土曜日はウォーターズが6-4、スタクスルードが7-5。
日曜日は2人とも6-2。
この積み重ねが、最終的な21-9という大差につながっています。
つまりMLPでは、「ダブルスが強い選手を4人集めれば勝てる」というわけではありません。
ダブルスの連携力に加えて、Dreambreakerで使えるシングルス能力も必要です。
さらに、その日の調子やペアリング、試合順によっても流れが大きく変わります。
初めてMLPを見る人は、まず「4試合終わって2勝2敗になったらDreambreaker」というポイントだけ覚えておくと、試合の面白さがかなり分かりやすくなるでしょう。
まとめ
ニュージャージー5sは、3年連続のファイナル進出でついに2026年MLP王者となりました。
2日間ともダブルスではセントルイス・ショックと2勝2敗でしたが、Dreambreakerでアナ・リー・ウォーターズとフェデリコ・スタクスルードが強さを発揮し、最後の差を作りました。
スタクスルードはシーズン途中加入から初代ファイナルMVPまで獲得し、ウォーターズもプロキャリアで残されていたMLPタイトルをついに獲得しています。
さらに4,200人という観客動員記録も生まれ、2026年のファイナルは「チームで戦うピックルボール」の魅力とMLPの成長を同時に感じられる大会となりました。


