2026年10月12〜18日に開催されたPPAツアー「バージニアビーチ・オープン」は、トップ選手の欠場をきっかけに新たなスターたちが躍動する大会となりました。
初優勝を飾った3選手、最終ゲーム2-8からの大逆転、そして圧巻の全試合ストレート勝利!
男女シングルスとダブルス、混合ダブルスの全5種目を、注目の試合展開とともに詳しく振り返ります。
トップ選手が相次いで欠場!新たなチャンピオン誕生の舞台裏
2026年10月12日から18日にかけて、アメリカ・バージニア州バージニアビーチでPPAツアー「バージニアビーチ・オープン」が開催されました。
PPAツアー(※米国を中心に開催される、世界トップクラスのピックルボール選手が参加するプロ大会シリーズ)は、男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルスの5種目で争われます。
今大会で話題になったのは、出場選手の顔ぶれです。
男子のベン・ジョンズ、女子のアナ・リー・ウォーターズをはじめ、アナ・ブライト、ゲイブ・タルディオ、ヘイデン・パトリキン、クリスチャン・アルション、ジョージャ・ジョンソン、JW・ジョンソンらが出場しませんでした。
普段は優勝争いの中心にいる選手たちが不在となり、ほかの選手にとっては大きなチャンスが生まれたのです。
そして、その期待どおりに大会では新しい顔ぶれが活躍しました。
特に注目したいのは、次の3つです。
- PPAツアー初優勝を達成した選手が3人誕生
- ケイト・フェイヒーが女子シングルスと混合ダブルスで2冠
- ジョン・ルシアン・ゴインズが男子シングルスで1ゲームも落とさず優勝
もちろん、トップ選手が欠場していても、優勝への道のりは簡単ではありません。
実際に、決勝進出を懸けた試合では接戦が続き、最後の数ポイントで勝敗が入れ替わる展開もありました。
今回のバージニアビーチ・オープンは、これまで優勝に届かなかった選手たちが、一気に存在感を高める大会になりました。
女子ダブルス|セウィングが初優勝!準決勝の大ピンチから金メダル
女子ダブルスで金メダルを獲得したのは、ソフィア・セウィングとキャサリン・パレンテウのペアです。
2人は第1シード(※大会前の実績などをもとに決められる有力選手・ペアの順位)として大会に出場しました。
序盤から順調に勝ち進みましたが、準決勝では大きな試練が待っていました。
対戦したのは、第8シードのマリ・フンバーグ/ゾーイ・ワイル組です。
この試合では、セウィング/パレンテウ組が相手に3度のマッチポイントを握られる苦しい展開となりました。
マッチポイント(※あと1ポイント取れば試合に勝利できる場面)を3度もしのぐのは、精神的にも簡単なことではありません。
それでも2人は粘り続け、9-11、11-9、13-11で逆転勝利。決勝進出を決めました。
そして迎えた10月18日の決勝。
相手はアリックス・チュオン/レイン・スリース組でした。
セウィング/パレンテウ組は第1ゲームを11-8で先取すると、第2ゲームも11-6で制し、ストレート勝利で優勝を決めました。
女子ダブルス決勝結果
| 項目 | 結果 |
| 優勝 | セウィング/パレンテウ |
| 準優勝 | チュオン/スリース |
| 第1ゲーム | 11-8 |
| 第2ゲーム | 11-6 |
セウィングにとっては、2026年にPPAツアーへ加入してから初めてのタイトルです。
一方のパレンテウは、今回で通算55個目の金メダルを獲得しました。
しかも、2021年から毎年欠かさずPPAツアーで金メダルを手にする記録も継続。
この連続記録を持つのは、パレンテウのほかにアナ・リー・ウォーターズとベン・ジョンズだけです。
準決勝で敗退寸前まで追い込まれながら、最後には金メダルを獲得した2人。
特にセウィングにとっては、忘れられない初優勝になったはずです。
男子ダブルス|初結成ペアが優勝!11度目の決勝でつかんだ悲願の金
男子ダブルスでは、ハウメ・マルティネス・ビッチとエリオット・シュップが大きなサプライズを起こしました。
2人は今大会で初めてペアを組んだばかり。
ダブルスでは、相手との距離感や得意なプレーを理解する必要があるため、初めて組むペアがいきなり優勝するのは簡単ではありません。
しかし、2人は大会序盤から結果を残し、準決勝ではアンドレイ・ダエスク/ウィル・ハウエルズ組を撃破しました。
そして決勝では、第3シードのノエ・クリフ/ライリー・ニューマン組と対戦。
第1ゲームは11-4で快勝しましたが、第2ゲームは4-11で落とし、勝負は最終第3ゲームにもつれ込みます。
それでも2人は崩れませんでした。
第3ゲームでは再び主導権を握り、11-4で勝利。ゲームカウント2-1で金メダルを獲得しました。
男子ダブルス決勝結果
| 項目 | 結果 |
| 優勝 | マルティネス・ビッチ/シュップ |
| 準優勝 | クリフ/ニューマン |
| 第1ゲーム | 11-4 |
| 第2ゲーム | 4-11 |
| 第3ゲーム | 11-4 |
今回の優勝は、シュップとマルティネス・ビッチの両選手にとって、PPAツアー初タイトルとなりました。
シュップは2026年にツアーへ加入し、今回初めて決勝進出を達成。その初めてのチャンスを見事にものにしました。
また、シュップは左利きの選手としても注目されています。
ピックルボールのダブルスでは、右利きと左利きの組み合わせによって、お互いのフォアハンド(※利き手側で打つショット)をコート中央で生かせる場合があります。
ただし、効果的にプレーするには、互いの位置取りや役割分担が重要です。
一方、マルティネス・ビッチにとっては、今回が通算11回目の決勝進出でした。
これまで10度、決勝まで進みながらも優勝に届かなかったという悔しさを、ついに晴らしたのです。
初めて組んだパートナー同士で、2人そろって初タイトル。
男子ダブルスの新たな注目ペアが誕生した大会となりました。
混合ダブルス|2-8から9ポイント奪取!驚異の大逆転劇
今大会で最も劇的な試合の一つとなったのが、混合ダブルス決勝です。
混合ダブルス(※男女1人ずつでペアを組んで対戦する種目)では、エリック・オンシンズとケイト・フェイヒーが初めてペアを組んで出場しました。
決勝の相手は、ライリー・ニューマン/キャサリン・パレンテウ組。
試合は序盤から接戦となります。
第1ゲームはオンシンズ/フェイヒー組が11-13で惜しくも落としましたが、第2ゲームを11-4で取り返しました。
勝負は最終第3ゲームへ。
ところが、この第3ゲームでオンシンズ/フェイヒー組は2-8と大きくリードされてしまいます。
あと3ポイント取られれば優勝を逃すという、非常に厳しい状況でした。
しかし、ここから試合が一変します。
最終ゲームの大逆転
| 試合展開 | スコア |
| 大きくリードされる | 2-8 |
| 9ポイントを奪う間に相手を1ポイントに抑える | 9-1の猛攻 |
| 逆転優勝 | 11-9 |
なんと、そこから9ポイントを奪う間に相手には1ポイントしか許さず、11-9で逆転勝利したのです。
試合結果は11-13、11-4、11-9。
あと少しで敗戦という状況から金メダルを獲得する、驚きの結末となりました。
この優勝は、フェイヒーにとってPPAツアーのダブルス種目で初めてのタイトルです。
オンシンズにとっては、混合ダブルスで2回目の優勝となりました。
初めて組んだペアでここまで粘り強く戦えたことも、大きな注目ポイントです。
どれほど点差が開いていても、最後の1ポイントまで勝負はわからない。
そんなピックルボールの面白さが凝縮された決勝戦でした。
女子シングルス|フェイヒーが大会2冠!第21シードも大躍進
女子シングルスでは、ケイト・フェイヒーが優勝候補として大会に臨みました。
今大会には、世界トップクラスのアナ・リー・ウォーターズが出場していなかったため、フェイヒーには大きな期待が集まっていました。
そして、その期待に応える形で決勝へ進出しました。
対戦相手は、第21シードのヘレナ・ヤンセン・フィンク。
ヤンセン・フィンクは準決勝でソフィア・セウィングを破る番狂わせを演じ、自身初となるPPAツアー決勝進出を果たした選手です。
格上の選手を破ってきた勢いがあり、決勝でも粘り強い戦いが期待されました。
しかし、試合の主導権を握ったのはフェイヒーでした。
第1ゲームは11-1という圧倒的なスコアで先取。
第2ゲームではヤンセン・フィンクも反撃し、接戦になりましたが、フェイヒーが11-9で勝利しました。
女子シングルス決勝結果
| 項目 | 結果 |
| 優勝 | ケイト・フェイヒー |
| 準優勝 | ヘレナ・ヤンセン・フィンク |
| 第1ゲーム | 11-1 |
| 第2ゲーム | 11-9 |
フェイヒーはこの優勝によって、混合ダブルスと女子シングルスの2種目で金メダルを獲得しました。
1つの大会で2つのタイトルを手にしたのは、フェイヒーにとって初めてのことです。
さらに、決勝が行われた10月18日は、フェイヒーが30歳の誕生日を迎える前日でした。
大きな節目を目前にして達成した2冠は、本人にとって特別な結果になったことでしょう。
一方、準優勝のヤンセン・フィンクも、第21シードから決勝まで進出する大健闘を見せました。
優勝者だけでなく、これまでタイトル争いの中心にいなかった選手の躍進も印象的な大会でした。
男子シングルス|ゴインズが全試合ストレート勝利で頂点へ
男子シングルスで優勝したのは、ジョン・ルシアン・ゴインズです。
今大会では、強豪選手の欠場により優勝争いの顔ぶれが変わる中、ゴインズが抜群の安定感を発揮しました。
そして決勝では、男子ダブルスで金メダルを獲得したハウメ・マルティネス・ビッチと対戦します。
マルティネス・ビッチにとっては、男子ダブルスに続く大会2冠を狙う試合でした。
しかし、ゴインズはその勢いを止めました。
第1ゲームでは11-5で勝利し、第2ゲームも11-3で制覇。
ゲームカウント2-0のストレート勝利で、男子シングルスの金メダルを獲得しました。
男子シングルス決勝結果
| 項目 | 結果 |
| 優勝 | ジョン・ルシアン・ゴインズ |
| 準優勝 | ハウメ・マルティネス・ビッチ |
| 第1ゲーム | 11-5 |
| 第2ゲーム | 11-3 |
そして、さらに驚くべき記録があります。
ゴインズは今大会の男子シングルスで6試合を戦い、なんと1ゲームも落としていません。
つまり、すべての試合にストレート勝ちで優勝したのです。
シングルス(※1対1で対戦する種目)は、ダブルスと違ってコートを1人でカバーする必要があるため、フットワークやコースの打ち分け、体力などが大きく問われます。
その中で、6試合連続で相手にゲームを取らせなかったという事実は、今大会のゴインズの安定感を物語っています。
今回の優勝は、2025年に2大会連続優勝を達成して以来のタイトルとなりました。
トップ選手たちが戻ってくる大会でも、今回の勢いを維持できるのか。
男子シングルスの今後を占ううえでも、注目したい選手の一人です。
まとめ|初優勝3選手にフェイヒー2冠!次の大会で真価が問われる
2026年のバージニアビーチ・オープンは、トップ選手不在のチャンスを生かし、ソフィア・セウィング、エリオット・シュップ、ハウメ・マルティネス・ビッチの3選手がPPAツアー初優勝を飾る大会となりました。
なかでも、ケイト・フェイヒーは混合ダブルスで2-8からの大逆転を経験しながら、女子シングルスと合わせて大会2冠を達成する大活躍を見せました。
男子シングルスではジョン・ルシアン・ゴインズが全6試合で1ゲームも落とさず優勝し、確かな実力を示しました。
今回躍進した選手たちが、ベン・ジョンズやアナ・リー・ウォーターズら強豪選手の出場する大会でも結果を残せるのか、これからのPPAツアーがますます楽しみですね!
※本記事は2026年10月18日に終了したバージニアビーチ・オープンの大会結果および公開された試合報道をもとに、日本の読者向けに再構成しています。
試合のスコアや大会記録は確認できた情報に基づき、戦術についての一般的な解説は試合での具体的なプレーを断定するものではありません。


