2026年10月15〜18日、アメリカ・ケンタッキー州で開催された「APPルイビル・オープン」で、プロ選手たちが白熱した戦いを繰り広げました。
ジャック・マンローは男子ダブルス7大会連続優勝と大会2冠を達成!
女子シングルスではドメニカ・ターコビッチが逆転勝利で連覇を果たしました。
5種目の決勝を中心に、勝負を分けたポイントや選手のコメントまで詳しく紹介します。
初開催のAPPルイビル・オープン!5種目の結果と大会の特徴
2026年10月15日から18日まで、アメリカ・ケンタッキー州ルイビルのケンタッキー国際コンベンションセンターで「Humana APPルイビル・オープン」が開催されました。
APPツアー(※プロ選手からアマチュア選手まで幅広いプレーヤーが参加する、アメリカの主要ピックルボール大会シリーズ)にとって、ルイビルでの大会開催は今回が初めてです。
大会では、男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルスの5種目で金メダルを争いました。
また、50歳以上と60歳以上のプロ部門も設けられ、幅広い世代の選手が参加しています。
今回、特に目立った活躍を見せたのがジャック・マンローです。
男子ダブルスではリチャード・リボルネーゼJr.とのペアで7大会連続優勝を達成。
さらに、混合ダブルスではルース・ファン・レークと組み、大会2冠を飾りました。
一方、女子ではドメニカ・ターコビッチが女子シングルスで2大会連続優勝。
女子ダブルスと混合ダブルスでも決勝へ進出し、金メダル1個と銀メダル2個を獲得しました。
主要5種目の決勝結果は以下のとおりです。
| 種目 | 優勝選手・ペア | 決勝スコア |
| 男子ダブルス | マンロー/リボルネーゼJr. | 12-10、11-2 |
| 女子ダブルス | 大城/スチュワート | 11-2、11-9 |
| 混合ダブルス | マンロー/ファン・レーク | 11-3、11-5 |
| 男子シングルス | ローナン・キャムロン | 11-9、5-11、11-8 |
| 女子シングルス | ドメニカ・ターコビッチ | 9-11、11-4、11-7 |
試合結果を見ると、ストレート勝利だけでなく、最終ゲームまでもつれる接戦もありました。
特に男子ダブルスの第1ゲームと、男子・女子シングルスの最終ゲームは、優勝を左右する重要な場面となりました。
なお、各種目の優勝者には、ルイビルの伝統的な野球バットブランド「ルイビル・スラッガー」の特製バットが贈られました。
ピックルボールの大会で野球バットが記念品になるという、ルイビルならではの演出も話題となりました。
男子ダブルス|10-8から逆転!マンロー&リボルネーゼJr.が7連覇
男子ダブルスでは、ジャック・マンローとリチャード・リボルネーゼJr.のペアが、今シーズンの強さを改めて証明しました。
2人はルイビル大会の前までに6大会連続で優勝。今大会には、7連覇という大きな記録がかかっていました。
決勝の相手は、第3シード(※大会前の実績などをもとに決められる有力選手・ペアの順位)のザック・マルソー/エイダン・シェンク組です。
しかし、第1ゲームは王者ペアにとって簡単な展開ではありませんでした。
両ペアがポイントを奪い合う接戦となり、マルソー/シェンク組が10-8とリード。
相手ペアには複数回のゲームポイント(※あと1ポイント取れば、そのゲームに勝利できる場面)が訪れました。
通常、11点制のゲームでは10点を取った側があと1点を取れば勝利に近づきますが、10-10になった場合は2点差がつくまで続きます。
マンロー/リボルネーゼJr.組は、この厳しい場面から反撃を開始しました。
相手にゲームを決めさせず、逆にポイントを重ねて12-10で第1ゲームを奪ったのです。
そして第2ゲームでは、試合の流れが大きく変わりました。
勢いに乗ったマンロー/リボルネーゼJr.組が11-2で圧勝し、ストレート勝利で優勝を決めました。
男子ダブルス決勝結果
| 項目 | 結果 |
| 優勝 | マンロー/リボルネーゼJr. |
| 準優勝 | マルソー/シェンク |
| 第1ゲーム | 12-10 |
| 第2ゲーム | 11-2 |
試合後、マンローは相手ペアの戦い方について振り返りました。
「相手は試合中に何度も戦い方を調整してきました。
だからこそ、僕たちも工夫して、状況に合わせて対応する必要がありました」
つまり、最初に決めた作戦だけにこだわらず、相手の変化に合わせてプレーを修正できたことが勝因の一つだったようです。
また、リボルネーゼJr.は精神面について印象的なコメントを残しました。
「僕たちが話しているのは『感情と事実は違う』ということです。
緊張していたり、エネルギーが足りないと感じたりしても、それが結果を決めるわけではありません」
第1ゲームで追い込まれても冷静さを失わず、逆転した2人の姿勢に通じる言葉です。
こうしてマンロー/リボルネーゼJr.組は、男子ダブルス7大会連続優勝を達成しました。
なお、銅メダルはジェイ・デビリエ/タナー・トマッシ組が獲得しています。
女子ダブルス|大城&スチュワートが初優勝!勝負を分けた戦術
女子ダブルスでは、ボビー・大城とキャット・スチュワートのペアが、APPツアーで初めての金メダルを獲得しました。
決勝で対戦したのは、グラウカ・カルバハル・レーン/ドメニカ・ターコビッチ組です。
第1ゲームは、大城/スチュワート組が序盤から試合を支配しました。
相手にわずか2ポイントしか与えず、11-2で先取。
しかし、第2ゲームでは状況が変わります。
レーン/ターコビッチ組が反撃し、一時は8-6とリードしました。
このまま第2ゲームを奪われれば、勝負は最終第3ゲームにもつれ込みます。
それでも大城/スチュワート組は落ち着いていました。
8-6から逆転し、最後は11-9で勝利。ゲームカウント2-0で優勝を決めました。
女子ダブルス決勝結果
| 項目 | 結果 |
| 優勝 | 大城/スチュワート |
| 準優勝 | レーン/ターコビッチ |
| 第1ゲーム | 11-2 |
| 第2ゲーム | 11-9 |
試合後、大城は優勝のポイントとして、ゲームプランを徹底したことを挙げています。
ゲームプランとは、相手の特徴や自分たちの得意なプレーに合わせて考える試合の戦術のことです。
「毎試合、しっかりとしたゲームプランを持って臨みました。
必要なときには修正しましたが、大切なのは最後まで集中して計画を実行することでした」
ピックルボールのダブルスでは、相手の打球コースや自分たちの立ち位置を考えながら戦う必要があります。
そのため、試合前に立てた作戦を実行しつつ、状況に応じて調整することが重要になります。
今回の大城/スチュワート組も、そうした戦い方を意識していたようです。
一方、スチュワートは大城との信頼関係について語りました。
「ボビーは私がピックルボールを始めた頃から信頼してくれていました。彼女と一緒に金メダルを獲得できて、本当にうれしいです」
2人にとって、ペアとして初めてのAPPツアータイトルとなった今回の優勝。
長年の信頼関係が、結果につながった瞬間でした。
なお、女子ダブルスの銅メダルはシェルビー・ベイツ/クリスティーン・マドックス組が獲得しました。
混合ダブルス|マンローが大会2冠!ファン・レークとの連携が光る
混合ダブルスでも、ジャック・マンローの強さが際立ちました。
マンローはルース・ファン・レークとペアを組み、決勝でドメニカ・ターコビッチ/ジェイ・デビリエ組と対戦しました。
混合ダブルス(※男性1人と女性1人がペアを組んで戦う種目)では、選手同士の連携や役割分担が重要になります。
今回の決勝は、4人の選手がそれぞれ異なる国の出身という、国際色豊かな対戦でもありました。
- ジャック・マンロー:アメリカ
- ルース・ファン・レーク:オランダ
- ドメニカ・ターコビッチ:クロアチア
- ジェイ・デビリエ:フランス
マンロー/ファン・レーク組は、2026年に国際大会で3度の優勝を経験している実績あるペアです。
そんな2人は、ルイビル大会でも高い連携力を発揮しました。
第1ゲームでは、相手にほとんど主導権を渡さず、11-3で勝利。
第2ゲームではターコビッチ/デビリエ組も反撃しましたが、マンロー/ファン・レーク組が11-5で制しました。
結果はストレート勝利。
2人にとって、米国内のAPPツアーでは初めてのペア優勝となりました。
混合ダブルス決勝結果
| 項目 | 結果 |
| 優勝 | マンロー/ファン・レーク |
| 準優勝 | ターコビッチ/デビリエ |
| 第1ゲーム | 11-3 |
| 第2ゲーム | 11-5 |
試合後、ファン・レークはマンローとの関係について語りました。
「今年はたくさんの大会に出場していますが、ジャックと一緒にプレーできて本当にうれしいです。私たちはコミュニケーションがとても良く、お互いを誇りに思っています」
ダブルスでは、お互いの得意なショットや動き方を理解していることが大きな強みになります。
例えば、コート中央に飛んできたボールをどちらが処理するのか、相手が攻撃したときにどう守るのかといった判断では、普段からの連携が重要です。
マンロー/ファン・レーク組も、大会を重ねながら築いてきた信頼関係が強さにつながっているのでしょう。
今回の優勝によって、マンローは男子ダブルスと混合ダブルスの2冠を達成しました。
さらに、2026年シーズンでは、同じ大会でダブルス2種目を制するのが3度目となります。
なお、混合ダブルスの銅メダルはキャット・スチュワート/リチャード・リボルネーゼJr.組が獲得しました。
男子シングルス|8-8から3連続得点!キャムロンが今季2勝目
男子シングルスの決勝では、ローナン・キャムロンとダスティ・ボイヤーが対戦しました。
第1シードと第2シードによる、実力者同士の注目カードです。
シングルス(※選手が1対1で対戦する種目)は、ダブルスと違ってコート全体を1人で守る必要があります。
そのため、相手を左右に動かすショットや、サーブを打ち返すリターンの正確さが重要になります。
第1ゲームは、両者がポイントを奪い合う接戦となりました。
キャムロンが最後に競り勝ち、11-9で先取します。
しかし、第2ゲームではボイヤーが反撃。
11-5で勝利し、ゲームカウントを1-1に戻しました。
そして迎えた最終第3ゲーム。
両者は最後まで譲らず、スコアは8-8まで並びました。
ここからキャムロンが一気に3ポイントを連続で獲得。
11-8で勝利し、2026年シーズン2個目の男子シングルス金メダルを手にしました。
男子シングルス決勝結果
| 項目 | 結果 |
| 優勝 | ローナン・キャムロン |
| 準優勝 | ダスティ・ボイヤー |
| 第1ゲーム | 11-9 |
| 第2ゲーム | 5-11 |
| 第3ゲーム | 11-8 |
試合後、キャムロンは勝因について次のように説明しました。
「大きかったのは、余計なことを考えず、良いリターンを打ち続けたことです。良いリターンができれば、その次に攻撃できるチャンスが生まれると考えていました」
リターンとは、相手が打ったサーブを打ち返すショットです。
ピックルボールでは、サーブを受ける側がリターンを返した後、サーブ側はそのボールを一度バウンドさせてから打たなければなりません。
そのため、深く安定したリターンを打つことで、相手の次の攻撃を難しくし、自分が有利な位置へ移動する時間をつくれます。
キャムロンが重視していたのは、こうした次の展開につながるショットの質だったと考えられます。
試合については「長く厳しい決勝でしたが、お互いに全力を尽くしました」と振り返りました。
特に最終ゲーム8-8からの3連続得点は、勝負強さが光った場面でした。
なお、男子シングルスの銅メダルはエドゥアルド・イリサリが獲得。
2025年4月以来となるAPPツアーでのメダル獲得となりました。
女子シングルス|ターコビッチが連覇!年齢別プロ部門も熱戦
女子シングルスでは、ドメニカ・ターコビッチが2大会連続優勝を達成しました。
ターコビッチは前大会のコロンバス大会で、APPツアー初の女子シングルス金メダルを獲得したばかりでした。
そして今回、連覇を狙ってルイビル大会に出場しました。
決勝の相手は、第1シードのキャット・スチュワート。
スチュワートは女子ダブルスですでに優勝しており、シングルスでも金メダルを目指していました。
第1ゲームは、両者が何度もリードを奪い合う接戦となりました。
最後はスチュワートが11-9で勝利し、先行します。
しかし、第2ゲームではターコビッチが反撃。
試合の流れをつかみ、11-4で勝利しました。
そして迎えた最終第3ゲームでは、ターコビッチが10-4と大きくリード。
あと1ポイントで優勝という場面まで追い込みます。
ところが、スチュワートも簡単には諦めませんでした。
連続でポイントを奪い、10-7まで追い上げます。
それでも最後はターコビッチが11-7で勝利し、ゲームカウント2-1で優勝を決めました。
女子シングルス決勝結果
| 項目 | 結果 |
| 優勝 | ドメニカ・ターコビッチ |
| 準優勝 | キャット・スチュワート |
| 第1ゲーム | 9-11 |
| 第2ゲーム | 11-4 |
| 第3ゲーム | 11-7 |
試合後、ターコビッチは自身の成長について語りました。
「コートの中でも外でも、自分が成長できていることを本当に誇りに思っています」
さらに、決勝で対戦したスチュワートに対しても感謝を伝えました。
「キャットには本当に助けられています。ただ一生懸命取り組むのではなく、もっと賢く練習するようになり、それが私のプレーを大きく変えてくれました」
決勝ではライバルとして戦いながらも、互いの成長を支える関係であることが伝わってきます。
ターコビッチは女子シングルスの金メダルに加え、女子ダブルスと混合ダブルスでも銀メダルを獲得。
今大会で合計3個のメダルを手にしました。
50歳以上のプロ部門では3冠達成!
今大会では、年齢別のプロ部門でも注目の結果が生まれました。
50歳以上の「AARP Champions」部門では、カロリーナ・ロペス・アスカラテが3種目で金メダルを獲得しました。
| 種目 | 優勝選手・ペア |
| 女子シングルス | ロペス・アスカラテ |
| 女子ダブルス | ロペス・アスカラテ/リー・ホイットウェル |
| 混合ダブルス | ロペス・アスカラテ/マルセロ・ジャルディム |
3種目すべてで優勝することは、トリプルクラウン(※同じ大会でシングルス、ダブルス、混合ダブルスの3種目を制覇すること)と呼ばれます。
ロペス・アスカラテは、この難しい記録を達成しました。
60歳以上のプロ部門でも2冠選手が誕生
60歳以上の「AARP Masters」部門では、ヘザー・イファートが2冠を達成しました。
女子ダブルスではジニー・パーディと、混合ダブルスではマーク・ワイルダーと組んで優勝しています。
また、男子ダブルスではリッチ・ライブリー/ロス・ワインバーグ組が金メダルを獲得しました。
男子シングルスでは、アダム・ペインターが優勝しています。
こうした年齢別のプロ部門が設けられていることも、APPツアーの特徴の一つです。
幅広い年代の選手が、自分たちのカテゴリーで高いレベルの試合を繰り広げました。
まとめ|マンローの7連覇とターコビッチの連覇が大会を盛り上げた!
2026年のAPPルイビル・オープンでは、ジャック・マンローが男子ダブルス7大会連続優勝を達成し、混合ダブルスと合わせて大会2冠を飾りました。
女子ではドメニカ・ターコビッチがシングルス2大会連続優勝を果たしたほか、ボビー・大城/キャット・スチュワート組も女子ダブルスでペアとして初優勝を達成しました。
男子シングルスではローナン・キャムロンが最終ゲーム8-8から3ポイントを連取して優勝し、50歳以上・60歳以上のプロ部門でも複数種目を制する選手が誕生しました。
次の大会でもマンローの連勝記録が続くのか、そしてターコビッチら女子選手たちがどんな戦いを見せるのか、これからのAPPツアーにも注目したいですね!
※本記事は公式大会結果と選手のコメントをもとに、日本の読者向けに再構成しています。選手発言は日本語に意訳しており、原文にないプレーの詳細については断定を避けています。


