アメリカのピックルボール統括団体「USAピックルボール」が、APPツアーの8大会を2027年全米選手権の公式予選に指定しました。
優勝者には「ゴールデンチケット」と呼ばれる優先登録資格が与えられ、優勝できなかった選手もポイント制度を通じて全国大会を目指せます。
大会日程や資格獲得の仕組みを詳しく紹介します。
APPツアー8大会が全米選手権の公式予選に!制度拡大の背景
2026年10月22日、アメリカのピックルボール統括団体「USAピックルボール」は、APPツアーの8大会を2027年全米選手権の公式予選に指定すると発表しました。
対象となる全国大会は「2027オーシャンビューUSAピックルボール全米選手権」です。
今回認定された8大会は「ゴールデンチケット・ナショナル・クオリファイアー」と呼ばれ、各大会の対象部門で優勝すると、全米選手権への優先登録資格を獲得できます。
これまでにもUSAピックルボールが直接運営する公式予選や、ほかの主催者による認定予選がありました。
そこにAPPツアーの8大会が加わることで、選手が全国大会を目指すための選択肢が増えることになります。
特に注目したいのは、2026年11月から予選が始まる点です。
2027年の全米選手権を目指す挑戦は、前年のうちからスタートします。
今回指定されたAPP大会は、アリゾナ州、フロリダ州、ワシントン州、カリフォルニア州、ミシガン州などで開催される予定です。
選手にとっては、地理的に参加しやすい大会を選ぶ機会が増えることもメリットといえます。
なお、今回の8大会はAPPツアーから追加された大会数であり、2027年の公式予選が全部で8大会という意味ではありません。
※APP:アソシエーション・オブ・ピックルボール・プレーヤーズの略称。
プロとアマチュアの大会を運営する団体です。
※公式予選:全国大会への参加資格や優先登録資格などの獲得につながる、正式に認定された大会です。
ゴールデンチケットとは?優勝者に与えられる資格と注意点
ゴールデンチケットとは、2027年のUSAピックルボール全米選手権に優先的にエントリーできる資格です。
対象となる公式予選の指定部門で金メダルを獲得した選手に与えられます。
例えば、選手がゴールデンチケット対象大会の指定部門に出場し、優勝した場合、その結果によって全米選手権の優先登録資格を得られます。
ただし、ここで間違えやすいポイントがあります。
ゴールデンチケットは、全米選手権の参加費が無料になる制度ではありません。
また、優勝すれば登録手続きが一切不要になるという意味でもありません。
一般の参加希望者より優先して申し込める資格であり、全米選手権への参加には所定の登録手続きが必要です。
制度を分かりやすく整理すると、次のようになります。
| 項目 | 内容 |
| 獲得条件 | 対象大会の指定部門で金メダルを獲得 |
| 得られる資格 | 2027年全米選手権への優先登録資格 |
| 参加費 | 無料になるとは発表されていない |
| 登録手続き | 全米選手権への申し込みが必要 |
| 優勝できなかった場合 | TPSポイントによる別ルートがある |
ゴールデンチケットの魅力は、全国大会への挑戦という分かりやすい目標ができることです。
選手にとっては、各地域の公式予選で優勝することが、次の大舞台へ進むための重要なステップになります。
※優先登録資格:一般の参加希望者より先に、または優先的に大会への参加登録を行える資格です。
優勝できなくても道はある!TPSポイント制度を詳しく解説
USAピックルボールの制度で注目したいのが、ゴールデンチケット以外にも全米選手権を目指す方法があることです。
その中心となるのが「ティアード・ポイント・システム(TPS)」です。
TPSは、公式に認定された大会への参加や試合結果などに応じてポイントを付与する制度です。
大会は参加人数や審判の配置状況、ゴールデンチケット大会かどうかなどによって区分され、それぞれ獲得できるポイントが異なります。
2027年の全米選手権に向けたポイント集計期間は、2026年9月1日から2027年7月31日までとされています。
つまり、2026年秋以降の大会で獲得したポイントが、2027年の全国大会を目指すうえで重要になります。
USAピックルボールが公表しているTPSの基本ポイントは次のとおりです。
| 成績 | ゴールデンチケット | Tier 1 | Tier 2 | Tier 3 |
| 金メダル | 13,500 | 9,000 | 6,000 | 3,000 |
| 銀メダル | 9,000 | 6,000 | 4,000 | 2,000 |
| 銅メダル | 4,500 | 3,000 | 2,000 | 1,000 |
| 順位入賞なし・参加 | 4,500 | 3,000 | 2,000 | 1,000 |
USAピックルボール公表のTPSポイント表をもとに作成。
大会区分や適用条件により扱いが異なる場合があります。
例えば、ゴールデンチケット対象大会で銀メダルを獲得すると、基本ポイントは9,000点です。
同じ銀メダルでも、Tier 2の大会では4,000点となります。
このように、大会の区分によって獲得できるポイントが違うため、どの大会に参加するかも重要になります。
さらに、優勝できなかった選手も大会参加や成績によってポイントを積み上げられます。
ポイントは全米選手権への参加資格を判断する材料となりますが、一定のポイントを獲得すれば必ず出場できると断定するものではありません。
全国大会への挑戦を一発勝負だけにせず、年間を通じた競技活動にも価値を与える仕組みです。
※TPS:大会の格付け、参加、成績などに応じて選手へポイントを与える制度です。
※Tier(ティア):大会の規模や運営条件などに応じた区分です。
APP公式予選8大会の開催日程・会場・地域を比較
今回、ゴールデンチケット公式予選に指定されたAPPツアー8大会は、2026年11月から2027年7月にかけて開催される予定です。
開催日程と会場は次のとおりです。
| 大会名 | 開催予定日 | 会場・開催地域 |
| APPアリゾナ・オープン | 2026年11月12日〜15日 | アリゾナ・アスレチック・グラウンズ(メサ) |
| APPツアー・チャンピオンシップ | 2026年12月3日〜6日 | ザ・フォート・ピックルボール(フォートローダーデール) |
| APPボカラトン・オープン | 2027年1月21日〜24日 | パッチ・リーフ・パーク(ボカラトン) |
| APPパームビーチズ・オープン | 2027年2月18日〜21日 | パームビーチガーデンズ・テニス&ピックルボール(パームビーチガーデンズ) |
| APPシアトル・オープン | 2027年4月1日〜4日 | サイドアウト・ツナミ・ピックルボールセンター(シアトル) |
| APPサクラメント・オープン | 2027年4月29日〜5月2日 | ジョンソン・ランチ・スポーツクラブ(サクラメント) |
| APP南カリフォルニア・オープン | 2027年6月3日〜6日 | シールビーチ・テニス&ピックルボールセンター(シールビーチ) |
| APPデトロイト・オープン | 2027年7月22日〜25日 | バイブ・クレジットユニオン・ショープレイス(ノバイ) |
最初に開催されるのは、2026年11月12日開幕のAPPアリゾナ・オープンです。
続いて12月には、フロリダ州フォートローダーデールでAPPツアー・チャンピオンシップが開催されます。
2027年に入ると、フロリダ州で2大会が行われ、その後はシアトル、サクラメント、南カリフォルニアへと開催地が移ります。
最後に予定されているのは、7月22日〜25日のAPPデトロイト・オープンです。
今回の8大会を州別に見ると、フロリダ州が3大会、カリフォルニア州が2大会、アリゾナ州、ワシントン州、ミシガン州がそれぞれ1大会となっています。
複数の地域に予選が設けられることで、選手が居住地や競技スケジュールに合わせて大会を選びやすくなる点が特徴です。
なお、以上は2026年10月22日に発表された公式日程です。
開催日や会場は今後変更される可能性があります。
USAピックルボールとAPPの連携で何が変わる?
今回の発表は、単純に大会数が増えたというだけではありません。
アメリカの国内統括団体であるUSAピックルボールと、ツアーを運営するAPPが、全国大会につながる競技制度で連携したことに意味があります。
USAピックルボールは、競技ルールや公認大会制度、全米選手権などを通じて競技環境を整備する組織です。
一方のAPPは、各地でプロ・アマチュア大会を開催し、さまざまな競技レベルの選手に試合の機会を提供しています。
今回の指定により、APPツアーでの成績が、USAピックルボール全米選手権への優先登録資格につながるようになります。
選手から見ると、主催団体が異なる大会でも、全国大会という共通の目標に向かって挑戦できることになります。
この連携によって期待されるメリットは、主に次の3つです。
- 選手のメリット:公式予選の選択肢が増え、年間の大会スケジュールを組みやすくなる
- 大会主催者のメリット:全米選手権への挑戦につながる大会として、競技者の関心を集めやすくなる
- 競技全体のメリット:地域大会と全国大会のつながりが明確になり、継続して競技に参加する動機が生まれる
全国大会を目指す選手にとって、参加する大会の結果が次のステップにつながることは重要です。
地域ごとの大会が独立しているだけでなく、その先に全国大会という大きな目標が用意されることで、競技を続ける楽しさも増していきそうです。
2027年全米選手権への道筋と今後の注目ポイント
USAピックルボールは、2027年の全米選手権に向けて、複数の公式予選ルートを整備しています。
今回発表されたAPPツアー8大会に加え、USAピックルボールが直接運営するゴールデンチケット大会も予定されています。
直接運営する大会の開催地には、アリゾナ州グレンデール、ネバダ州ラスベガス、アラバマ州オペライカ、カリフォルニア州サンディエゴ、コロラド州コロラドスプリングスが含まれています。
これらに他の認定予選も加わるため、選手が全国大会を目指すルートはさらに広がっています。
選手が全米選手権を目指す基本的な流れは次のとおりです。
- 自分の年齢や競技レベルに合った公認大会を選ぶ
- 対象大会へ参加し、試合を行う
- ゴールデンチケット対象部門での優勝、またはTPSポイントの獲得を目指す
- 全米選手権の参加条件や優先登録資格を確認する
- 所定の期間内に参加登録の手続きを行う
特に重要なのは、ゴールデンチケットを獲得する方法と、TPSポイントを積み重ねる方法の2つがあることです。
どちらのルートでも、全国大会への参加には正式な資格確認と登録手続きが必要になります。
また、2027年のTPS集計期間は7月31日までとされており、前年の9月から約11か月間の競技活動が対象となります。
1大会の結果だけでなく、シーズンを通じて大会へ挑戦することにも価値がある仕組みです。
日本の競技者にとっても、地域大会から全国大会へとつながる明確な制度は興味深いモデルといえるでしょう。
まとめ
USAピックルボールは、2027年全米選手権に向けた公式予選としてAPPツアー8大会を新たに指定し、全国大会を目指す選手の挑戦機会を広げました。
対象部門の優勝者にはゴールデンチケットによる優先登録資格が与えられ、優勝できなかった選手もTPSポイントを積み重ねることで出場資格を目指せます。
2026年11月から2027年7月にかけて各地で予選が開催される予定で、年間を通じて選手たちの熱い戦いが続きそうです。
日本でも競技人口や大会数が増えていくなか、こうした地域大会と全国大会を結ぶ制度は、国内ピックルボール界の発展を考えるうえでも参考になりそうです。

